
CEMEA地域でUSDC対応の決済網を拡大
米決済大手Visaは2025年11月27日、デジタル資産プラットフォームAquanow(アクアナウ)と提携し、中央および東ヨーロッパ、中東、アフリカ(CEMEA)地域においてステーブルコインを活用した決済機能を拡大すると発表しました。
同社は、Aquanowのデジタル資産インフラとVisaの技術基盤を統合することで、Visaネットワークに参加する発行会社や決済会社がUSDコイン(USDC)などの承認済みステーブルコインで取引を決済できる体制を整えると説明しています。
これにより、従来の国際決済に伴うコストや運用面での負荷が軽減され、決済時間の短縮につながると述べています。
同社は2023年にUSDCによる決済義務の履行を可能にする試験運用を開始しており、ステーブルコイン決済を最初に導入した大手決済ネットワークとして実績を築いてきました。
金融機関の間で迅速かつ費用対効果の高い越境取引の需要が高まる中、Visaはステーブルコインを活用した資金移動のデジタル化を推進しています。
ステーブルコイン決済インフラ拡張
Visa、ステーブルコイン活用で国際決済改革を加速
CEMEA地域で求められる新たな決済インフラ
VisaはCEMEA地域でのステーブルコイン活用を拡大する方針を示しており、今回の提携は国際決済インフラ改善の取り組みの一環と位置付けています。
同社のCEMEA地域プロダクト&ソリューション責任者であるゴッドフリー・サリバン氏は「同社のネットワークにステーブルコイン技術を組み合わせることで、金融機関がより迅速で簡素化された決済プロセスを利用できるようになる」と語っています。
複数の仲介機関を経由する従来の国際決済が時間的制約やオペレーション負担の課題を抱えていることから、同氏は「今回の取り組みが金融機関の将来的な資金移動の高度化に備える重要なステップになる」と述べています。
Aquanowのフィル・シャムCEOも「Visaが長年にわたり安全かつ効率的な資金決済を支えてきた点に触れ、両社の協業が金融機関に新たなデジタル経済参加の選択肢を提供する」と説明しています。
同氏は、ステーブルコインを活用した決済により、即時性と透明性を備えた資金移動が可能となり、市場インフラの強化に貢献すると述べました。
取引拡大を支えるAquanowのオペレーション体制
Aquanowは銀行やネオバンク、証券会社、決済企業を対象に流動性とインフラ提供に強みを持ち、毎月数十億ドル規模の暗号資産取引を処理しています。
同社はドバイに拠点を置き、ドバイ仮想資産規制局(VARA)のライセンスを取得して事業を展開しています。
Visaは今回の取り組みにより、CEMEA地域の金融機関が365日稼働するデジタル清算基盤を利用でき、複雑な多通貨・多法域での国際決済の負荷軽減に貢献すると説明しています。
国際決済コスト削減へ向けたVisaの方針
Visaは、今回の取り組みが国際送金におけるバックエンドの効率化とコスト削減を後押しし、金融機関の業務プロセスの改善につながるとしています。
両社は今後もステーブルコインを活用した決済モデルの開発を継続し、CEMEA地域向けに安全性と効率性を備えた決済インフラの構築を進める方針です。
今回の発表は、国際送金のデジタル化を推進するVisaの方針を示すものであり、ステーブルコインを基盤とした新たな決済インフラの普及に注目が集まっています。
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Source:Visaプレスリリース
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用





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