Chainlink「ACEパートナーエコシステム」を発表|World ・Cardano財団なども参画

次世代のオンチェーン・コンプライアンスを支える基盤に

チェーンリンク(Chainlink/LINK)は2025年11月4日に、法令遵守と規制対応の問題解決に向けたオンチェーンコンプライアンス標準である「Chainlink Automated Compliance Engine(ACE)」のパートナーエコシステムを発表しました。

Chainlink Automated Compliance Engine(ACE)は2025年6月に発表されたコンプライアンス重視のデジタル資産のID管理・ポリシー適用・レポート作成などを簡素化するモジュール型サービスであり、規制遵守・本人認証・取引リスク監視などを自動化し、機関投資のオンチェーン展開を促進することなどを目的としています。

ACEパートナーエコシステムは、ACEとネイティブに互換性を持つ信頼できるベンダーのネットワークであり、20以上の主要なコンプライアンス提供企業、フレームワーク、規制当局が参加し、次世代のオンチェーン・コンプライアンスを支えると説明されています。

本日、Chainlink Automated Compliance Engine (ACE) パートナーエコシステムをローンチします。20社以上の主要コンプライアンスプロバイダー、フレームワーク、規制当局を特徴とし、次世代のオンチェーンコンプライアンスを推進します ↓

Chainlink ACE パートナーエコシステムは、ACEとネイティブに互換性を持つ信頼できるベンダーのネットワークです。

これらのパートナーは、ACEをオンチェーンコンプライアンスの標準として認識し、自社のデータおよびサービスをACEに直接統合することで、完全なコンプライアンス、監視、報告ソリューションを実現します。

ローンチ時点におけるACEのパートナー一覧

ACEパートナーエコシステムには、ワールドコイン(WLD)やWorld IDを展開している「World」や、カルダノ財団が提供するオープンソースの分散型デジタルIDプラットフォーム「Veridian」も参加しているとのことで、主要な金融機関や企業・DeFiプロトコルなどがすでにACEを採用していることも報告されています。

ローンチ時点におけるACEのパートナーやその取り組みなどについては以下のように説明されています。

【ID認証プロバイダー】

  • GLEIF
    ACEユーザーに信頼性ある国際的なID基準を提供
  • World
    分散型World IDをACEに連携し、匿名かつ他パートナーと統合可能な人間性証明プロトコルを提供
  • SumSub
    KYC/KYBによる再利用可能なデジタルIDをACE内で利用可能に
  • Persona
    再利用可能なKYC/KYB IDをACEユーザーに提供
  • Proof
    トランザクション署名と保護に使える暗号学的に安全な本人確認IDを提供
  • Veridian(Cardano財団)
    vLEIベースの資格情報をオフチェーン発行し、CCIDsとしてオンチェーン配布

【リスクスコアリングプラットフォーム】

  • Chainalysis
    AML対策向けにウォレット・取引リスクスコアをACEに直接提供
  • TRM Labs
    制裁対象や高リスク活動を遮断するリアルタイムリスクインテリジェンスを提供
  • Hypernative
    高リスク行動をブロック可能なリアルタイムリスク評価
  • CipherOwl
    カスタマイズ可能なコンプライアルールを支えるリスクスコアを提供
  • Llamarisk
    ACE対応トークンを監査し、独立したリスク評価を提供

【モニタリング & レポート】

  • Bluprynt
    自動化された情報開示とレポートに対応したACE上でのコンプライアンス管理
  • Hacken
    脅威検知と異常監視のリアルタイム警告
  • Kaiko
    ACE取引ログを活用した市場データ・分析
  • Hummingbird
    自動SAR報告とケース管理機能をACE上で提供

【トークン化プラットフォーム】

  • Apex Group
    トークン化基盤全体でのエンドツーエンドコンプライアンス
  • Chintai
    公開チェーン上で投資家・取引適格性をACEで管理

【ブロックチェーン & L2ネットワーク】

  • Ethereum for Institutions
    ACEを共同設計し、機関投資家導入を推進
  • Linea
    Lineaエコシステムにおけるコンプライアンス標準としてACEを採用
  • Taiko
    トークン化ユースケースにACEを活用

【業界フレームワーク】

  • ERC-3643
    オフチェーンポリシーを通じてACEとの互換性獲得
  • ERC-7943
    ACEによりコンプライアンスと相互運用性を実現
  • Digital Securities Initiative(DSI)
    ACEを信頼できるコンプライアンス標準と認定し、規制フレームワークとの互換性構築をChainlinkと協力

【すでにACEを採用している主要企業・DeFiプロトコル例】

  • Fidelity International
    トークン化MMFにおけるPvP/DvPでID・適格性を管理
  • WisdomTree
    再利用可能なIDをオンチェーンで安全に交換
  • ANZ Bank
    トークン化MMFのPvP・DvPワークフローにACE活用
  • Seturion/BX Digital(Boerse Stuttgart Group)
    規制準拠チェックを自動化し、取引実行前に強制
  • Aave Horizon
    ステーブルコインプールを不正資金流入から保護
  • Zand Bank
    ID・認証情報の付与とポリシー評価
  • 21X
    EU初の規制対象トークン化証券市場のコンプライアンス基盤
  • Kiln
    ステーキングボールトの入金者ID確認
  • Euler
    検証済みソースの資金のみ受け入れ
  • Syntetika
    プラットフォーム利用者の適格性管理

また「Hamilton Lane」や「Dinari」もACE統合を計画しているとのことで、『ACEパートナー・エコシステムはID・リスク・規制インフラを統合することで、デジタル資産向けオンチェーンコンプライアンスの業界標準となる最も完全でモジュール型、企業レベルのネットワークを構築する』ともコメントされています。

仮想通貨業界では新技術や新サービスの開発が積極的に進められている一方で、規制対応や法令遵守の問題から実社会へのサービス統合が順調に進まないケースも多いため、ACEのようなコンプライアンス標準の採用が進むことによって、ブロックチェーンを活用したサービスの実用化が進み、機関投資マネーを呼び込むこともできると期待されています。

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source:Chainlink公式発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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