仮想通貨市場に迫る強烈なアルトコインシーズンと暴落リスク|著名アナリストが警鐘

アルトコインシーズン到来と暴落リスク

エコノミストでマクロ戦略アナリストのヘンリック・ゼバーグ氏は2025年9月5日、自身のX(旧Twitter)への投稿で、FRB(米連邦準備制度理事会)の追加金融支援を背景に仮想通貨市場が急騰し、強いアルトコインシーズンが到来するとの予測を示しました。

ゼバーグ氏は「市場はFRBの追加支援を織り込みつつあり、仮想通貨市場は大きく上昇する。これは最終局面であり、強烈なアルトシーズンになる」と述べています。

市場はさらなるFRB(米連邦準備制度)の支援を期待しています(そして実際に支援は行われるでしょう)…。その時、仮想通貨市場は大きく上昇するはずです!

しかし、これは最終局面、いわゆる「ブローオフトップ(吹き上げ相場)」です。そしてもちろん、強力なアルトコインシーズンも訪れるでしょう。(後略)

一方で同氏は、アルトコインシーズン到来後に資産価格が総じて急落する可能性が高いと指摘しています。「流動性では景気循環の転換を止められない」としたうえで「景気後退が迫るなかで株式市場は崩れ、ビットコイン(BTC)も大幅安となり、仮想通貨市場全体が下落に転じる」と警鐘を鳴らしました。

さらに、ゼバーグ氏は「史上最大のバブルは、FRBが何をしようといずれ弾ける」と強調し、仮想通貨市場全体の暴落を示唆しています。

流動性を重視する人々がどれほど何を言おうとも、流動性は景気循環の転換には抗えません。景気後退は必ず訪れ、株式市場は壊滅的な打撃を受けるでしょう。

BTCも徹底的に叩きのめされ、仮想通貨市場は大きく下落します。史上最大のバブルは、FRBがどんなに手を尽くそうとも必ず崩壊します。

仮想通貨市場に迫る強気相場と暴落への警鐘

FRB利下げ予測による強力な追い風

FRBは近く金融政策の転換に踏み切り、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の利下げに至る可能性があると報じられています。

ゼバーグ氏は、この大幅な利下げに伴う資金流入が仮想通貨にとって強い追い風になるとの見方を示しています。

実際、市場では今年に入り米国の金融緩和への期待が高まっており、こうした流動性相場への移行がビットコインやイーサリアム(ETH)を含む仮想通貨全般の力強い上昇トレンドを支えてきました。

同氏は「ブローオフトップ(吹き上げ相場)の幕開けはすでに始まっており、景気サイクルの頂点に向かう陶酔の中で多額の利益を上げることも可能だ」と述べています。

ゼバーグ氏が描くバブル崩壊シナリオ

ゼバーグ氏がXに投稿したチャートでは、仮想通貨市場全体の時価総額が2025年末から2026年初頭にかけて約12.95兆ドル(約1,900兆円)に達し、その後に約930億ドル(約13兆円)まで急落するシナリオが示されました。

チャートの画像画像:ゼバーグ氏投稿

同氏は、過去のバブル崩壊や2008年の金融危機後に株価指数が急落した局面に類似するとし、「極度の楽観(ユーフォリア)が頂点に達した後には壊滅的な崩壊が避けられない」と分析しています。

また、同氏は現在の強気相場を「ビジネスサイクルの頂点に向けた最終局面」と位置付けています。

アルトコイン供給過多と市場のリスク要因

なお、アルトコインシーズンの行方については専門家の間でも意見が分かれています。

2025年初めには「アルトコインの数が多すぎるため、アルトシーズンは到来しない」との見解も出ており、1月時点で市場には3,640万以上のアルトコインが存在すると指摘されています。

2017〜2018年のアルトバブル期(約3,000銘柄)と比べ、供給が大幅に増えた点が懸念材料として示されました。

一方、著名アナリストのミカエル・ヴァン・デ・ポッペ氏は6月に「アルトコインシーズンは、誰も信じていない今この時からすでに始まっている」と述べ、市場心理が冷えた局面こそ参入の好機だと強調しています。

ゼバーグ氏の予測するような劇的なアルトコイン急騰はまだ本格化していないものの、市場内部では資金循環の兆しが着実に見られるとの指摘もあり、今後の動向に注目が集まります。

短期強気と長期悲観が交錯する市場展望

ゼバーグ氏の仮想通貨市場全体における強気な短期観と悲観的な長期観は、他の識者の一部の見解とも重なっています。

Coin Bureau創設者のニック・パックリン氏は、9月にFRBが利下げに踏み切った場合、ビットコインは年末までに15万ドル(約2,200万円)に達し得ると予想しています。

一方、米投資調査会社Fundstratのトム・リー氏は、機関投資家の参入拡大や利下げ開始を根拠として「ビットコインは2025年末までに25万ドルに達する可能性がある」との見解を改めて示しています。

しかしゼバーグ氏は短期的な熱狂の先に控える大暴落リスクを強調しており、「今はバブル時代の真っ只中にある」との認識を示しています。

同氏の警告は、市場が高揚ムードに包まれる中で冷静なリスク管理の重要性を改めて示すものとして注視されます。

利下げ観測下で広がる仮想通貨市場の楽観と不安

米雇用統計悪化で強まるFRB利下げ観測

直近の経済指標はゼバーグ氏の懸念を裏付ける内容となっています。

米国で9月5日に発表された8月の雇用統計では、失業率が4.3%と約4年ぶりの高水準となり、景気減速の兆候が鮮明になりました。これを受け、市場ではFRBの早期利下げ観測が一段と強まり、投資家の間ではリスク資産への資金流入が続くとの見方が広がっています。

実際、ビットコイン価格は8月中旬に過去最高値となる約124,000ドルを記録した後も高値圏を維持しており、記事執筆時点では1BTC=110,000ドル(約1,620万円)前後で推移しています。

イーサリアムも一時、約4年ぶりの高値更新となる1ETH=4,880ドル(約70万円)近辺まで上昇し、主要アルトコインの多くも年初来で大幅高となっています。

8月下旬の急落と市場に残る高ボラティリティ

ただし、市場では先月下旬に一時急落が発生するなどボラティリティの高い局面が続いており、楽観一色とは言えない状況です。

8月25日には、米国のマクロ経済の不透明感も重なってビットコインが110,000ドルを割り込み、結果として約9億ドル(約1,320億円)相当の清算が発生しました。

こうした調整局面について、著名トレーダーのレクト・キャピタル氏は「これは次の最高値更新に向けた最後の押し目」との見解を示したうえで、過去の強気相場でも大相場前に短期調整が見られた点を指摘しました。

実際、同氏によれば2017年末や2021年秋にも類似の調整があり、いずれもその直後に市場は最終局面の上昇に転じたと述べています。

こうした見方も踏まえると、直近の値動きはゼバーグ氏のシナリオと整合する部分があり、市場参加者は「バブル崩壊前の最後の祭り」とも形容される今後数ヶ月の動向に高い関心を寄せています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.07 円)

>>最新の仮想通貨ニュースはこちら

Source:ヘンリック・ゼバーグ氏X要項
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

コメント

タイトルとURLをコピーしました