
ヘイズ氏、BTCとETHの大幅上昇を予想
仮想通貨取引所BitMEXの共同創設者アーサー・ヘイズ氏は2025年7月23日、年末までにビットコイン(BTC)は25万ドル(約3,650万円)、イーサリアム(ETH)は1万ドル(約146万円)に達する可能性があるとの見解を示しました。
ヘイズ氏は自身のブログで「仮想通貨市場が本格的な強気相場に突入しつつある」と述べ、ビットコインとイーサリアムの価格上昇を予測する背景について説明しています。
同氏は特にイーサリアムについては上昇余地が大きいと捉えており「次のETH強気相場は市場に新たなインパクトを与える可能性がある」との見解を示しました。
ヘイズ氏は今年5月時点でのETHの年内目標価格は5,000ドル程度としていましたが、直近1ヶ月間でETH価格が約52%上昇したことを受け、目標値を1万ドルへと引き上げたことも明らかにしています。
同氏は、インフレ圧力の高まりや戦費支出の増加により、各国政府や中央銀行が大規模な資金を供給することが、仮想通貨市場を押し上げる要因になると分析しています。
「モンスター級のシーズンが始まる」
アーサー・ヘイズ氏が示すBTC・ETH価格予想とその根拠
マネーサプライがビットコイン価格上昇を後押し
ヘイズ氏は、強気な価格予想の背景にある要因として、金融緩和による市場の流動性拡大と仮想通貨への投資需要の増加を挙げています。
同氏は「ビットコインのように供給量が固定されている資産においては、法定通貨の供給拡大ペースが価格の上昇速度を左右する」との見方を示しました。
また、各国中央銀行による紙幣発行の再開(マネープリンター稼働)こそがビットコイン急騰のきっかけになるとの考えも示しており、流動性供給が価格を押し上げる重要要因と分析しています。
FRBの政策転換がもたらすBTC価格変動シナリオ
ヘイズ氏は5月に公開したブログで、米連邦準備制度理事会(FRB)が量的引き締め(QT)から量的緩和(QE)へと政策を転換した場合、年末までにビットコイン価格が25万ドル(約3,656万円)に達する可能性があると指摘しました。
さらに、FRBが大規模な金融緩和に踏み切った場合には「2025年3月の安値76,500ドル(約1,118万円)が当面の底値となり、年末にかけてビットコインは25万ドルまで上昇する」との見通しを示しています。
ヘイズ氏はビットコイン市場のサイクルについて「一般的に語られる4年周期ではなく、各国の金融政策、すなわち流動性供給によって形成される」との見解を繰り返し強調しています。
同氏は「金融不安が生じれば、必ず当局は通貨を増刷する」とも語っており、金融危機と緩和政策が仮想通貨市場の上昇トリガーになると指摘しています。
イーサリアムに注目する機関投資家の動き
ヘイズ氏はまた、イーサリアムをはじめとするアルトコイン市場への強気姿勢も鮮明にしています。
同氏は、自身が運用するファンドMaelstromにおいて「あらゆるイーサリアム関連、特にDeFi系ERC-20トークンに注力している」と述べています。
さらに、米ファンドストラット社のトム・リー氏を例に挙げながら「西側の機関投資家層はもはやETHを買い控えておらず、疑問を後回しにしてまず買い始めている」と指摘しました。
8月には、米ナスダック上場のGameSquare社が1億ドル(約146億円)規模のイーサリアム投資計画を発表しており、こうした動きがETHの基盤価値と市場での存在感を一段と押し上げています。
ヘイズ氏は「次の大きな上昇局面ではETHが主導し、BTCをアウトパフォームする可能性がある」との見方を示しており、イーサリアム価格1万ドル予測の背景には、機関投資家の需要拡大やETHの財務資産化の進展があると分析しています。
ヘイズ氏の一貫した強気シナリオ
ヘイズ氏は2025年初頭から、強気の価格予想を一貫して発信しています。
1月下旬のX(旧Twitter)投稿では、ビットコインが短期的に70,000〜75,000ドル(約1,000万〜1,100万円)まで下落する可能性に言及しつつも、その後「小規模な金融危機」が発生すれば、年末にかけて急騰するとの見通しを示しました。
このシナリオは、景気悪化により各国が金融緩和に転じ、市場へ資金を投入するというシナリオに基づいており、同氏は「市場に金融ストレスが生じれば、資金供給は必ず実施される」と強調しています。
6月の投稿では「聞こえますか?それはお金の印刷機(マネープリンター)が動き出す音です。この一時的な弱さもやがて過ぎ去り、BTCが安全な避難先であることが明らかになる」と述べ、金融政策の転換が強気相場の再開につながるとの見解を示しました。
こうした投稿内容からも、短期的な価格調整を一過性の現象と捉え、流動性の回復によってビットコインとイーサリアムが再び上昇基調へ転じるとの強い信念がうかがえます。
「仮想通貨市場に急騰の兆し」
仮想通貨専門家が語る2025年末の価格予想
仮想通貨市場では、ヘイズ氏のほかにも多くの専門家が、2025年末に向けた価格動向について、強気・弱気の両面から独自の見解を示しています。
Finderレポートが示すビットコイン予測
調査会社Finderが公表した最新レポートでは、業界専門家24名の予測平均として、2025年末のビットコイン価格は145,167ドル(約2,122万円)とされています。
同調査では、強気派の一部が「BTCは年末までに25万ドル(約3,656万円)に達する」と見込んでいる一方で、慎重派の多くは7万〜8万ドル(約1,023万〜1,170万円)前後にとどまると予測していることが報告されています。
Morpher社CEOのマーティン・フロエーラー氏も、機関投資家の買い意欲が継続することを背景に、ビットコインが2025年末までに25万ドルへ到達するとの強気な見通しを示しています。
価格上昇予想と慎重論の交錯するビットコイン市場
2025年5月には、米著名アナリストのスコット・メルカー氏が、機関投資家の参入や市場のボラティリティ低下を背景に「BTCは年末までに25万ドルに到達する可能性が十分にある」と述べ、話題となりました。
市場環境の成熟が次の大規模な価格上昇を引き起こす可能性を指摘する一方で、メルカー氏は多くの専門家が想定するピーク価格帯(12万〜15万ドル)にも触れ、過度な楽観は避けるべきだと警鐘を鳴らしています。
また、オーストラリア・キャンベラ大学のジョン・ホーキンス氏も「ビットコインには依然本質的価値がなく、投機的バブルに過ぎない」との厳しい見解を示しています。
年末に向けた価格動向への関心が高まる
このように、2025年にかけて強気の予測が増える一方で、慎重な見解も依然として根強く残っています。
ヘイズ氏による「ビットコイン25万ドル、イーサリアム1万ドル」という見通しは、強気派の中でも注目度が高く、今後の市場動向によっては他の専門家の予測にも影響を与えると見られています。
2025年末に向けて仮想通貨市場がどのような価格推移をたどるのか、マクロ経済の動向と専門家の予測に引き続き注目が集まります。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=146.24 円)
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Source:アーサー・ヘイズ氏公式ブログ
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用






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