
日本人のAIへの理解度は世界30カ国中で最下位
世論調査会社イプソスが、日本を含む世界30か国23,216人を対象にAIに関する意識調査を実施し、その結果を7月16日発表した。同社は調査結果をもとに「日本社会におけるAIの浸透度も期待も相対的に低い傾向にあり、世界の国々とのギャップが浮き彫りになった」としている。
アンケート調査によると「人工知能とは何かをよく理解している」と回答した日本人は41%で、調査対象の30カ国中最下位。同質問へ「理解している」と答えた1位はインドネシアで91%、2位はタイで79%、3位は南アフリカで77%、30カ国平均は67%となっている。

また「今後5年間で、AIが、ご自身の現在のお仕事を代わりに行うようになる可能性はどの程度あると思いますか?」という質問に対して、「可能性がある」と答えた日本人は29%(可能性は非常に高い5%、可能性は多少ある24%)という結果だ。昨年の同社の調査結果35%と比べ、仕事におけるAI活用を考えている人は6ポイント下回る結果のようだ。同質問に対して「可能性がある」と回答した国の1位はタイで74%、2位はマレーシアで63%、3位はシンガポールで50%、30カ国平均は36%となっている。

そして「今後3〜5年で、人工知能の使用が増えることによって、自分の仕事はどのように変化すると思いますか?」という質問に対して「良くなる」と答えた日本人は20%で、30カ国中29位となった。1位はインドネシアで62%、2位はタイで60%、3位はインドで55%、30カ国平均は38%となっている。

今回の調査結果についてイプソス株式会社代表取締役社長の内田俊一氏は、以下のようにコメントしている。
『本調査では、日本は他国と比べてAIの社会浸透が進んでおらず、AIがもたらすベネフィットへの期待も低いという結果が出ています。おそらく、日本人特有の完全主義的な思考から、「まだ期待値に達していない」と感じ、新しい技術への初動が遅れがちになる傾向が、これまでも見られたのではないでしょうか。実際、英語を主とするAIでは、日本語対応の精度が一歩遅れる傾向もあります。とはいえ、世界の人々がAIを業務に活用し始めている今、日本も大きく後れを取ることなく、着実にキャッチアップしていくことが望まれます。本調査は今後も定期的に実施していく予定です。どのような変化が見られるか、また改めてお伝えいたします』
【調査概要】
調査方法:イプソス グローバルアドバイザー調査プラットフォーム 、IndiaBus プラットフォームを使用したオンライン調査
調査対象:世界30か国23,216人
インドでは18歳以上、カナダ、アイルランド共和国、マレーシア、南アフリカ、トルコ、米国では18~74歳、タイでは20~74歳、インドネシアとシンガポールでは21~74歳、その他の国では16~74歳
実施日:2025年3月21日(金)から4月4日(金)
調査機関:イプソス
参考:PRTIMES
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参照元:ニュース – あたらしい経済

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