マイクロソフト、新たな量子チップを発表|仮想通貨のセキュリティに懸念広がる
マイクロソフトの量子チップ発表に懸念
マイクロソフトが2025年2月19日に発表したマヨラナ1(Majorana 1)に対して、仮想通貨業界では懸念の声が上がっています。
マイクロソフトによると、マヨラナ1はマヨラナ粒子を観測および制御できるトポコンダクターを活用し、量子ビットを高い信頼性をもって生成できます。
A breakthrough in quantum computing. Majorana 1 brings us closer to harnessing millions of potential qubits working together to solve the unsolvable—from new medicines to revolutionary materials—all on a single chip. #QuantumComputing #QuantumReady https://t.co/mpj8VwEQj0 pic.twitter.com/zlQoyoFURv
— Microsoft (@Microsoft) February 19, 2025
量子コンピューティングの画期的な進歩であるマヨラナ1は、新しい医薬品から革新的な材料まで、解決不可能な問題をすべて1つのチップ上で処理するために、何百万もの潜在的な量子ビットを連携させることに一歩近づきました。
テクノロジー業界では量子コンピュータへの期待が高まる一方で、仮想通貨業界では懸念が広がっています。
ITコンサルティング企業SHI International Corpのミクッチ氏は、海外仮想通貨メディアThe Blockの取材に対して「マイクロソフトの発表により、大規模量子コンピューティングのタイムラインが大幅に短縮され、仮想通貨のセキュリティに問題が生じる可能性がある」とコメントしました。
同氏は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)といった主要な仮想通貨の多くは、量子コンピュータが最終的に解読可能な暗号方式を使用しているとも指摘しています。
ビットコインやイーサリアムの動向
各仮想通貨の開発コミュニティでは、量子コンピュータの脅威についてさまざまな議論・提案が行われています。
ビットコインの開発コミュニティでは、量子耐性のある署名アルゴリズムを導入するBIP-360が提案されています。
イーサリアム創設者であるヴィタリック・ブテリン氏は、量子コンピュータによってイーサリアムに問題が発生した場合、リカバリー用のハードフォークを実施することを提案しました。
また、同氏はリカバリー用のフォークは、あくまで緊急性が高い場合の手段であり「耐量子暗号の導入が最終的な目標」と述べ、量子コンピュータのリスク軽減の重要性を指摘しています。
ソラナ(SOL)では、一部開発コミュニティから「WOTS(Winternitz One-Time Signature)」という署名方式が提案されています。WOTSは、トランザクションごとに新たな暗号キーを生成する署名システムで、量子コンピュータによるリスクを軽減可能です。
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Souce:マイクロソフト公式発表
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:Microsoft公式発表から引用