ビットコイン投資「まだ初期段階」フィデリティが20万ドル到達を予測
マクロ経済が後押しする可能性
米大手運用会社フィデリティ・デジタルアセッツは2025年1月9日、仮想通貨の2025年展望レポートを公開し、ビットコイン投資がまだ初期段階にあるとの見解を示しました。
同社は2025年のビットコイン(BTC)価格について、最大20万ドル(約3,162万円)までの上昇を予想しています。
足元では先月の史上最高値10万8,000ドルから13%ほど値を下げているものの、フィデリティは強気な見方を崩していません。
同社のリサーチディレクター、クリス・カイパー氏は「大規模な普及はまだ始まったばかり」と指摘します。
カイパー氏は、インフレ率の動向に注目しており、米連邦準備制度理事会(FRB)が目指す2%の物価目標に対し、依然として上振れ圧力が残っているとの見解を示しています。
さらに、拡大する財政赤字や今後予想されるFRBの利下げサイクルも、インフレ再燃のリスク要因として挙げています。
「不況に陥った場合、政府は追加の金融・財政刺激策で対応するでしょう。これまでの経験では、そうした政策はビットコインの追い風になってきました」とカイパー氏は述べています。
投資のタイミングを探る
「もう手遅れなのでは」という投資家の声に対し、フランクリン・テンプレトンのロジャー・ベイストン氏は「まだまだ伸びる余地は十分にある」と言及しており、米国で仮想通貨への規制が明確になりつつある中、まだ今後の上昇の余地があると指摘しています。
とはいえ、短期的な調整の可能性も指摘されています。スワン・ビットコインの共同創設者、ブレイディ・スウェンソン氏によれば、トランプ新政権下でのビットコイン準備金創設への期待が既に価格に織り込まれているとみられます。
この点を踏まえて「政策実現が遅れれば、一時的な下落も考えられる」と警戒感を示しました。
2025年に向けた展望
フィデリティは2025年のビットコイン価格について、12万5,000ドルから20万ドルのレンジを予想しています。
特に注目されるのは、1970年代のような「スタグフレーション」の可能性です。
当時、インフレ下で金価格が大きく上昇した事例を引き合いに、ビットコインにも同様の展開を期待する声が出ています。
カイパー氏は「投機目的なら出遅れ感はあるかもしれません。ただ、社会への本格的な普及という観点では、まだ始まったばかりです」と述べました。
米国発の強気な見通しに、市場の期待は一段と高まっています。とはいえ、仮想通貨市場特有の値動きには引き続き注意が必要です。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.11円)
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Souce:Fidelity Digital Assetsレポート
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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