韓国の政治不安が仮想通貨市場に波及|キムチプレミアムが一時3%に拡大
政治的不安定による「キムチプレミアム」が拡大
2024年12月27日、韓国国内でビットコイン(BTC)が米国市場と比較して約3%高い価格で取引される「キムチプレミアム」が発生していたことが明らかになりました。
この「キムチプレミアム」と呼ばれる価格差は、韓国取引所でのBTC価格が海外取引所よりも高い価格で取引されるときに発生する現象です。
この背景として、今年12月初旬、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が戒厳令を宣言した後、議会により弾劾されました。この混乱を受けて、韓国ウォンは対ドルで15年ぶりの安値を記録し、経済不安が広がっています。
仮想通貨分析プラットフォームCryptoQuantのCEOであるKi Young Ju氏は「Upbitで韓国ウォン(KRW)をビットコイン(BTC)やUSDTなどのステーブルコインに交換するケースが増えている」とX(旧Twitter)で投稿しています。
KRW-USD hits a 15-year low. Koreans are converting KRW to $BTC and $USDT on Upbit at a 3-5% premium. pic.twitter.com/gMwrQFSZLs
— Ki Young Ju (@ki_young_ju) December 27, 2024
KRW-USDは15年ぶりの安値。韓国人はUpbitでKRWをBTCとUSDTに3~5%のプレミアムで交換している。
韓国ウォンの価値が急落したことで、韓国の投資家は資産を保全するため、仮想通貨への投資を加速させています。この需要の高まりが、国内市場でのビットコイン価格を押し上げ、キムチプレミアムのの発生につながったと見られています。
仮想通貨市場への影響と今後の展望
現在は、戒厳令の撤回を受けてビットコインの韓国ウォン建て価格は徐々に安定を取り戻しています。しかし、今回の事態は、韓国市場の政治的リスクが仮想通貨市場に与える影響の大きさを浮き彫りにしました。
今後、韓国市場における仮想通貨取引の透明性向上と、技術的インフラの強化が求められます。また、投資家にとっても市場の急激な変動に備えたリスク管理の重要性が再認識されました。
仮想通貨市場は政治的・経済的な要因に非常に敏感であるため、最新の情報を収集しながら慎重な投資判断を行うことが求められます。
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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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