韓国政府が北朝鮮ハッカー集団に制裁|仮想通貨被害と今後の国際対応
北朝鮮ハッカー集団に新たな制裁を発表
韓国政府は2024年12月26日に、北朝鮮のハッカー集団「313総局」などに対し、仮想通貨関連の犯罪活動に基づく新たな制裁を課すことを発表しました。
このハッカー集団「313総局」は、過去数年間で10億ドル(約1,574億円)を超える仮想通貨のハッキングに関与しているとされており、その資金が北朝鮮の核兵器およびミサイル開発に利用されていると報じられています。
今回の独自制裁の対象には、313総局に加えて、北朝鮮のIT分野を担当する個人15名と関連機関1つが含まれており、12月30日から施行される予定です。制裁内容は以下の通りです。
- 制裁対象者および機関との金融取引や外為取引には事前許可が必要
- 許可なく取引を行った場合、関連法に基づき処罰される
米国のブロックチェーン分析企業「Chainalysis(チェイナリシス)」による報告では、2024年における北朝鮮による仮想通貨のハッキング被害額は13億ドル(約2,045億円)以上で、世界全体の被害額の61%を占めることが公式X(Twitter)の投稿で明らかにされています。
North Korean hackers stole more from crypto platforms than ever before: $1.34 billion, which represents 61% of the total amount stolen for the year. pic.twitter.com/tVBsOKW8U7
— Chainalysis (@chainalysis) December 19, 2024
北朝鮮のハッカーが仮想通貨プラットフォームから盗んだ金額は過去最高で、その額は13億4,000万ドルに上り、これは今年盗まれた総額の61%に相当します。
なお、2019年に韓国の仮想通貨取引所Upbitから約580億ウォン(約63億円)相当のイーサリアム(ETH)が不正に出金された事件において、北朝鮮のハッカー集団「ラザルス」と「アンダリエル」の関与が確認されています。
国際社会との連携によりハッキング被害を抑制
北朝鮮のハッカー集団は、これまでにも複数の仮想通貨取引所への攻撃や金融機関からの資金窃盗に関与しているとされ、その活動は国際的な脅威とみなされています。
韓国政府はこれらの制裁を通じて、北朝鮮のサイバー犯罪活動に対する国際的な圧力を強化し、地域の安全保障を維持することを目指しています。
今回の制裁措置は、北朝鮮のサイバー攻撃に対する韓国の断固たる姿勢を示すものであり、国際社会と連携してサイバー空間の安全性を確保するための重要な一歩といえます。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.43円)
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Souce:韓国政府発表
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用