SHIB DAO資産盗難の詳細が判明|犯人や事件の流れについての説明
SHIB DAOのETH移動は「盗難」だった
シバイヌ(Shiba Inu/SHIB)のガバナンス提案の対象となっていたSHIB DAO関連のイーサリアム(ETH)が、”SHIBチーム外の人物”によって持ち逃げされたことが明らかになりました。
盗難されたSHIB DAOのETHについて
盗まれたイーサリアムは、SHIBのパートナープロジェクトであるWelly’sからSHIB DAOに送られた「37.5 ETH」で、今月1日からはこの資金の使い道を決めるためのコミュニティ投票が行われていました。
しかし、投票開始後には突然このETHが別のウォレットへと送金され、複数回の送金を経て3分割されていたため、コミュニティでは「SHIB DAOの37.5 ETHが盗まれた可能性がある」と懸念されていました。
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仮想通貨取引所で売却か?
BITTIMESが9月3日に調査した時点では、37.5 ETHが3つのウォレットに分散されたところで止まっていましたが、その後の動きによって分割されたETHが暗号資産取引所である「Kraken」と「Coinbase」に送金されたことが判明しました。
3分割されたETHは「0x7DD7…」「0x405F…」「0x7718…」という3つのアドレスに約12.5 ETHづつ送金されていましたがが、その後の取引履歴にはこれらのETHが「Kraken」と「Coinbase」に送金されたことが記録されています。
仮想通貨取引所へ送金した理由は明らかではないものの、通常このような送金は売却目的であることが多いため、今回移動されたETHも取引所で売却された可能性があると考えられています。
SHIB DAO資金からETHを盗んだ犯人は?
今回の盗難事件を受けて、SHIBコミュニティでは「ETHが盗まれた経緯」や「SHIB DAOの資金からETHを盗んだのは誰なのか?」に注目が集まっていましたが、これについてはShibariumのDiscord/TelegramモデレーターであるSpecialK氏(@SpecialShib)から説明が行われています。
同氏によると、Welly’sから寄付されたETHは、現在は既に解散されている「DEFENSE BREED」と呼ばれるチームが管理するマルチシグウォレット(取引承認に複数の署名が必要なウォレット)で管理されていたとのことです。
このマルチシグウォレットはTrophias、Stixil、UBなどのメンバーが管理していたものの、同チームは2023年の内部問題でチームが解散した後も資金を返却することを拒否し、DAOが使い道の最終決定を下す前にETHを移動させて資金を奪ったとのことです。
SpecialK氏は今回の投稿で「SHIB DAOのETHを盗んだ人物は”信用できない危険人物として既に解任されている人物”である」ということを強調しており、「さらなる資金がやってくる」とも語っています。
Let's explain the recent situation with the DAO @everyone
– Welly’s donated 37.5 ETH to the ShibArmy in 2022, sending it to a multisig wallet of DEFENSE BREED
– The wallet was managed by the Shib Defense Breed team (not SHIB DEVS) including Trophias, Stixil, UB, and others, to… pic.twitter.com/l5ODjjf2bD— SpecialK (@SpecialShib) September 4, 2024
DAOの最近の状況について皆さんにご説明します。
- Welly’sは2022年に37.5ETHをShibArmyに寄付し、その資金が「DEFENSE BREED」のマルチシグウォレットに送られました。
- このウォレットはShib Defense Breedチーム(SHIB開発者ではない)が管理しているもので、ShibコミュニティのDAOが資金の使い道を決定するまでの間、Trophias、Stixil、UBなどのメンバーが保管していました。
- 2023年に内部問題が深刻化した後、Shytoshi Kusama氏は「Breeds」を解散しました。
- しかし、Defense BreedのリーダーはDAOが決定を下すまで資金を返却することを拒否しました。
- Shytoshi氏は2024年に、コミュニティが資金の使い道を決定できるよう適切なDAOを組織しました。
- しかし、ウォレットの所有者はDAOが結論を出す前に資金を引き出し、事実上ShibArmyから資金を奪いました。
それにもかかわらず、DAOはSHIB開発者たちのリーダーシップと意思決定を支持することで、彼らへの信頼を明確に示しました。
感情的にならないように「これらの人物は信用できず危険だとみなされたため解任されたのだ」ということを思い出してください。Shytoshi氏が言ったことを心に留めておきましょう。さらなる資金がやってきます!!!!!
SHIB DAOの資金を盗んだ人物の本名などは明らかにされていないものの、ETHが送金された取引所の情報を調査すれば、犯人の詳細が特定できる可能性もあります。
今回のETH盗難は犯罪行為に該当すると考えられるため、今後は犯人に関する捜査がどこまで進められるかなどにも注目です。
SHIBのプロジェクト展開は順調
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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