ドバイ裁判所「仮想通貨給与」を認める判決|グローバルな動向に一石を投じる

2024年8月15日、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイの第一審裁判所が、雇用契約に基づく給与を仮想通貨で支払うことを認める画期的な判決を下しました。この判決は、仮想通貨が有効な報酬支払い手段として広く受け入れられ始めたことを示唆するものとして、専門家の間で注目を集めています。

この裁判は、ある会社の元従業員が未払い賃金や不当解雇補償を求めて起こしたものです。原告の雇用契約には、法定通貨での月給に加え、Ecowattトークン5,250枚の支給が規定されていましたが、企業側がこのトークン部分を6ヶ月間支払わなかったことが争点となりました。

注目すべきは、裁判所が仮想通貨現物での支払い請求を認めた点です。これは2023年の類似訴訟で、原告が仮想通貨の正確な評価額を提示できずに却下された事例とは対照的です。

法律事務所Wasel & Waselのマフムード・アブワセル氏は、この判決について「UAEが雇用契約における仮想通貨使用に関して進歩的な法的環境を持つことを示すものだ」とコメントしています。さらに、「さまざまな分野での仮想通貨導入を促す前向きな判例となるだろう」と、その影響力を評価しています。

仮想通貨での給与支払いは、世界各地で試みられています。2022年には米国ニューヨーク市のエリック・アダムス市長がビットコインで給与を受け取り、新興技術へのオープンな姿勢を示しました。同年、米仮想通貨投資企業NYDIGも、従業員が給与の一部をビットコインで受け取り、貯金できるサービスを開始。米大リーグのヤンキースなどが利用しています。

一方、日本では2022年にデジタルマネーによる給与支払いが解禁されましたが、仮想通貨は対象外となっています。

今回のドバイの判決は、仮想通貨を法的に有効な支払い手段として認めた点で画期的です。Ecowattトークンのような取引がほとんど行われていない仮想通貨でさえ、契約に基づく支払い手段として認められたことは注目に値します。

この判決は、仮想通貨の法的地位や実用性に関する議論を世界的に活性化させる可能性があります。特に、給与支払いという日常的な経済活動において仮想通貨の使用が認められたことは、他の国々の法制度や企業の方針にも影響を与える可能性があります。

今後、この判決を受けて、UAEや他の国々でどのような法的・経済的変化が起こるのか、業界関係者や専門家の間で注目が集まっています。仮想通貨を巡る法的環境の進化は、グローバルな金融システムの未来を形作る重要な要素となるかもしれません。

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Souce:lexology.com
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル画像:Freepikのライセンス許諾により使用

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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