リップル裁判に新たな動き、米SECがリップル社に20億ドルの罰金と罰則科すよう裁判所に要請
SECが20億ドルの罰金と罰則を要請
米証券取引委員会(SEC)が、米リップル(Ripple)社に20億ドル(約3027億円)の罰金及び罰則を科すよう、ニューヨークの裁判所に要請したようだ。リップル社の最高法務責任者スチュアート・アルデロティ(Stuart Alderoty)氏がXにて東部標準時(EST)の3月25日報告している。
同氏によれば、SECの申し立ては米国時間の3月26日に出される予定だ。リップル社としての回答は来月に出される予定だという。アルデロティ氏は、「私たちみんなが何度も目撃してきたように、この規制当局は虚偽の説明、誤った表現、誤解を招くような意図的な説明で取引を行っている」と述べ、「SECは法律を忠実に適用するどころか、リップル社、そして業界全体を罰し、脅すことに固執している」とSECの対応を批判した。
またリップル社CEOのブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)氏も「SECは、不正行為や無謀な行為について(所見はおろか)何の申し立てもない事件で、判事に20億ドルを要求する予定だ。こんな前例はどこにもない。私たちはこの件に対応する際、SECの正体を暴露し続けるつもりだ」とXにて報告している。
リップル対SECの経緯
SECは現在、リップル社と数年にわたる裁判を繰り広げている。
このいわゆる「リップル裁判」は、2020年12月23日にSECがリップル社及び同社CEOのブラッド・ガーリングハウス氏、共同創設者のクリス・ラーセン(Chris Larsen)氏を提訴したことから始まった裁判だ。SECはリップル社が2013年からの7年間で有価証券として未登録の暗号資産リップル(XRP)を販売し、約13億ドル(※当時のレートで1,300億円超)の資金を得たとして提訴。リップル社はXRPはクロスボーダー決済を促進させるために開発された通貨であると主張し、暗号資産業界と規制当局の間で大きな争点になっていた。
なおこの裁判は、7月13日判決が出ている。判決は「リップル社によるXRPの機関投資家向けの販売スキームは『ハウィーテスト』の条件を満たすため未登録証券募集にあたるが、個人向けに販売されるXRPは有価証券ではない」というもの。これはSECの「リップル社がこれらの機関投資家向け販売で約7億2890万ドル(当時約1,003億円)のXRPを販売した」という申し立てを一部認めた形となった。
同判決は、暗号資産取引所を通じて販売されたXRPは証券にあたらないことを決定づけるものとなったため、業界では「リップル社の勝利」として祝福の声が上がっていた。
この判決に対し、SECのゲイリー・ゲンスラー(GaryGensler)委員長は「失望している」と述べ、判決を不服とし、控訴を示唆。そのごSECは中間控訴を求めたが、米ニューヨーク連邦地裁のアナリサ・トレース(Analisa Torres)判事はこの申し立てを法的根拠が提示できていないとして10月3日に棄却している。
なおSECは昨年10月、ガーリングハウス氏とラーセン氏に対する提訴を取り下げている。
As you will see when the SEC’s brief is made public tomorrow, they ask the Judge for $2B in fines and penalties. 1/4 https://t.co/HM8dBbn7lp
— Stuart Alderoty (@s_alderoty) March 25, 2024
The SEC plans to ask the Judge for $2B in a case that involved no allegations (let alone findings) of fraud or recklessness. There is absolutely no precedent for this. We will continue to expose the SEC for what they are when we respond to this. pic.twitter.com/LdMQFQm70j
— Brad Garlinghouse (@bgarlinghouse) March 25, 2024
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参照元:ニュース – あたらしい経済