2024年の仮想通貨市場はどうなる?Bitwiseが「10の暗号資産予測」を発表
2024年に仮想通貨市場で起きる10のこと
米国の暗号資産管理会社である「Bitwise」は2023年12月13日に、2024年に仮想通貨市場で起きる10のことを予測する内容を記した『The Year Ahead: 10 Crypto Predictions for 2024』というレポートを公開しました。
Bitwiseは記事の冒頭で「これは現在の情報に基づいた最善の予測だが、これらの予測が実現するかどうかは多くの複雑な要因に依存する」と説明した上で、BTC・ETH・ETF・NFT・ステーブルコイン・仮想通貨などに関する様々な予想を語っています。
今回語られた予想の内容は以下の通りで「10の予測」に「ボーナス予測」を加えた合計11の予測が語られています。
- ビットコインは8万ドルを超えて市場最高値を更新する
- 現物ビットコインETFが承認され、歴史上最も成功したETFのローンチとなる
- Coinbaseの収益は2倍になり、ウォール街の予想を少なくとも10倍上回る
- ステーブルコインを使った決済がVISAよりも多くなる
- ウォール街が現実資産のトークン化に向けて準備を整える中、JPモルガンがファンドをトークン化してオンチェーン上でローンチする
- ユーザーが仮想通貨アプリケーションに殺到することによって、イーサリアムネットワーク上でユーザーによって支払われる手数料が2倍以上の50億ドルに達する
- テイラー・スウィフトが新しい方法でファンとつながるためにNFTを発行する
- AIアシスタントがオンライン決済で仮想通貨を使用し始め、仮想通貨が「インターネットのネイティブ通貨」として認められる
- 1億ドル以上が予測市場に投じられ、仮想通貨の新たな「キラーアプリ」として登場する
- イーサリアムブロックチェーンの大幅アップグレードによって、平均取引コストは0.01ドル未満になり、幅広く利用されるきっかけになる
- 2024年末までには、財務アドバイザーの4人に1人が顧客口座で仮想通貨に投資するようになる
BTC価格は8万ドルを超えると予想
ビットコイン価格が8万ドル(約1,134万円)を超えると予想する理由としては「現物ビットコインETFの承認」と「2024年4月頃に予定される半減期」が挙げられており、これによって個人投資家や機関投資家の資金が流入する一方で、BTCの供給量が半分になると指摘されています。
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現物ビットコインETFの承認
現物ビットコインETFについては、ブルームバーグのアナリストが「現物ビットコインETFが2024年初頭に承認される可能性は90%」と述べていることが挙げられており、自社調査の結果に基づいて「現物ビットコインETFは5年以内に720億ドル(約10兆円)を獲得する可能性がある」とも説明されています。
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ステーブルコインの成長
ステーブルコインについては「ステーブルコインは仮想通貨のキラーアプリの1つで、その市場は過去4年間で0ドルから1,370億ドルにまで成長している」と説明されています。
同社は仮想通貨市場に強気相場が到来し、ステーブルコインを用いた決済や送金が急速に拡大していることから「2024年はさらに大きな成長の年になる」との考えを示しており、「ステーブルコインの取引量はVISAを超える」と予測しています。
イーサリアムの取引活発化
イーサリアムに関しては「2024年に仮想通貨関連のアプリが主流になることで、イーサリアムネットワークにおける手数料の支払い額が少なくとも2倍になる」と予想されており、「イーサリアムは世界で最も急速に成長する大規模なテクノロジープラットフォームの1つになると考えられる」ともコメントされています。
イーサリアムに関しては、2024年に予定されるアップグレード「Dencun」に含まれる「EIP-4844」によって、Ethereumレイヤー2の平均トランザクション手数料が0.01ドル(約1.4円)を下回る可能性があるとも予想されています。
同社は「ネットワークの利用コストが90%以上削減されれば、個人が参加できるアクティビティの種類が大幅に増加する」と説明しており、少額決済・ソーシャルメディア・ゲームなどの主要製品アイデアが実現し、EIP-4844が仮想通貨関連主流アプリの道を開くことになると語っています。
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音楽業界におけるNFT活用
「テイラー・スウィフトがNFTを発行する」という予想は”音楽業界におけるNFTの主流化”を示すもので、NFTが「ライブや体験などへの独占アクセス」や「ロイヤリティを通じてファンに音楽の部分的な所有権を提供する」などファンと交流するための可能性を秘めていることが説明されています。
また、スヌープ・ドッグやエミネムなどといった有名アーティストが既にNFTを採用していることも説明されており、Spotifyが音楽を聴くために特定のNFTが必要となる「トークンゲート型プレイリスト」をテストしていることも説明されています。
Spotifyの取り組みはこちら
半自律型AIエージェントの仮想通貨採用
Bitwiseは「2024年以降には、フライト変更したり、ヘッドフォンが壊れた際に新しいヘッドフォンを注文したりなど、特定のタスクを直接実行できる”半自律型AIエージェント”の出現がテーマになる」と予想しています。
しかし、世界中で簡単に取引できる機能がなければAIエージェントの能力は限られてしまうため、そのためにBTCやステーブルコインなどの仮想通貨が活用され、2024年には小規模ながらもそれが起こり始めると予想されています。
BTCが「人工知能の通貨」に?
財務アドバイザーの仮想通貨採用
財務アドバイザーの仮想通貨採用は”ボーナス予想”として語られているもので、現時点では顧客口座に仮想通貨投資を含ませているアドバイザーは驚くほど少ないが、そのようなアドバイザーが仮想通貨を採用し始めるのは時間の問題だと予想されています。
現物ビットコインETFが正式にローンチされると、米国の財務アドバイザーは数回のクリックでBTCに資金を割り当てることができるようになるため、多くのアドバイザーが仮想通貨を投資先として採用し始め、2024年末までには少なくとも4人に1人の財務アドバイザーが仮想通貨を採用すると予想されています。
Bitwiseが公開したレポートの内容は「こちらのページ」で確認することが可能です。
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