令和6年度「税制改正大綱」公表、法人所有の他社発行暗号資産も課税対象外へ

JBAの要望叶うもいくつかは持ち越しへ

自由民主党総務会にて、来年度の税制改正に関する「令和6年度税制改正大綱」が12月14日了承された。

自民党によれば、同大綱では「賃金上昇は、コストでなく、投資である成長の原動力」と位置付け、賃上げ促進、国内投資促進を重点的に措置したという。

暗号資産(仮想通貨)に関しては、発行者以外の第三者が保有する法人所有の暗号資産(仮想通貨)については、一定の要件下で「期末時価評価課税」の対象外とする見直しを行うという。

これにより企業は、「譲渡についての制限やその他の条件が付されている暗号資産」の期末評価額を、原価法か時価法のいずれかで計上することができる。

なおこのうち自社で発行しているものについては原価で計上される。

また 「譲渡についての制限やその他の条件が付されている暗号資産」の条件としては、他者に移転できないようにする技術的措置がとられていることなど、該当の暗号資産の譲渡について一定の制限があること。また、こういった制限を受けていることを認定資金決済事業者協会のもと公表させるために、該当の暗号資産を有する企業が暗号資産交換業者に対してそのような制限を課されている旨の通知をしていることが挙げられている。

この見直しにより自民党は、Web3の推進に向けた環境整備が進み、ブロックチェーン技術を活用した起業等の促進が期待されるとしている。

なお、この動きは一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)が今年7月に政府へ提出した「暗号資産に関する税制改正要望」で挙げていた骨子の一つだ。

なおJBAが要望したのは、「第三者発行による暗号資産を保有する法人への期末含み益課税の撤廃」、「申告分離課税・損失の繰越控除の導入」、「暗号資産同士の交換時における課税の撤廃」の3つだった。

今回の「税制改正大綱」では、「申告分離課税・損失の繰越控除の導入」、「暗号資産同士の交換時における課税の撤廃」には触れられていないため、これらの課題は令和7年度以降に持ち越される形となっている。

6月には国税庁が、「法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)」を発出。これにより、法人が事業年度末において保有する暗号資産のうち、自社発行分については時価評価の対象から正式に除外されることとなっていた。

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参考:令和6年度税制改正大綱
images:iStocks/maybeiii

参照元:ニュース – あたらしい経済

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