HermèsがバーキンをモチーフとしたNFTをめぐる裁判を勝訴【NFTに関する法整備】

高級ブランドであるHermès(エルメス)と、デジタルアーティストMason Rothschild(メイソン・ロスチャイルド)氏が、NFTコレクションをめぐる裁判を開始し、NFTの歴史における大きな出来事が起きました。

2023年1月初旬、エルメスは、メゾンを象徴するバッグ Birkin(バーキン)の商標権を侵害したとして、Mason Rothschild氏に対して“Cease and desist letter(知的財産の侵害行為をやめるように警告する書面)”を送ったことで、事態が深刻化しました。

Rothschild氏は、自身の作品はアメリカ合衆国憲法修正第1条によって保護されていると主張し、両者の言い分は平行線を辿っていましたが、今週30日からアメリカ・ニューヨークにて裁判がスタートしました。

Mason Rothschild氏が、自身のMetaBirkin NFTコレクション(Birkinをモコモコの毛で覆ったNFTコレクション)の宣伝・販売する権利を守るため、この大きな裁判に注目が集まっています。

双方の対立する主張

MetaBirkin NFTコレクション
引用:https://metabirkins.com/

エルメスは、Mason Rothschild氏がNFTコレクションの商標権を侵害していると非難しており、MetaBirkin NFTコレクションはエルメスのバーキンの名前を使い、Rothschild氏がNFT上でバーキンを模倣していると主張しました。

エルメスの知的財産の侵害をめぐる裁判は今週30日マンハッタンで始まり、エルメスはNFTのコレクション名であるMetaBirkinが消費者を欺き、両者に提携関係があるかのように思わせて顧客を混乱させうると主張しています 。

一方、Rothschild氏は、自分の作品は表現の自由を保障する憲法修正第1条で保護されている「アート」だと主張しています。

裁判の影響は?

裁判所のイメージ

エルメス対Rothschild氏の裁判は、広範囲に影響を及ぼすとみられています。

エルメスはメタバースに投資しており、エルメスのバーキンブランドがデジタルアーティストによって不適切に使用されたとなればNFT界に激震をもたらすことでしょう。また、裁判が展開されるにつれ、現実世界の商標法がデジタル世界にどのような影響を及ぼすかという問題がより明確になると期待されています。

Rothschild氏が裁判に勝てば、デジタル空間での自由な表現の世界が広がると考えられます。一方で、この戦いに敗れた場合、デジタルアートの世界はNFTの取り組みをより慎重に進めることが求められるでしょう。

NFTに関する法整備について

裁判のイメージ

この訴訟は、今後私たちがどうNFTを扱うべきかについての指標を与えうるものになるでしょう。NFTのような現代の新技術に対しても、裁判所は既存の法律を適用し、何が有効かを見極めなければなりません。

アメリカの法律事務所Michael Best & Friedrich LLPのアソシエイトであるLaura Lamansky氏は、この件について、以下のように述べ、この裁判に注目しています。

“アートワークと既存の法律が消費財やNFTとどのように関わり、ブランドの商標や製品に関する権利がデジタル空間でどこまで及ぶのか、何らかの光を当ててくれることを期待しています。”

気になる訴訟の行方は

2023年2月8日、Rothschild氏はエルメスとの法廷闘争に敗訴しました。陪審員は、Rothschild氏のNFTコレクションが商標侵害、商標の希釈、そしてサイバースクワッティング(他の著名性を利用した悪質行為)の責任を負うと裁定しました。エルメスに13万3000ドルの損害賠償を命じられたRothschild氏ですが、彼は今日における司法制度の不備を指摘し、引き続き法廷で戦う意向を示しています。

Mason Rothschild氏 Twitter:


元記事:https://nftnewstoday.com/2023/02/01/hermes-takes-on-metabirkin-nfts-in-trial/

Hermès Claims Victory, Rothschild Defiant – NFT News Today

参照元:NFT Media

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