NFTクリエイター、コレクション運営者が思い描く買収、共同経営の未来の形とは?Skyland Ventures、イケハヤ氏が徹底議論!
初めに
最近、NFTコレクションをアーティスト一人ではなく、共同経営者と一緒に運営していく事例が増えています。
今回は、NFTアーティストのOhayaさんが共同経営者となったSkyland Venturesの方やイケハヤさんと、今後のNFTクリエイターの未来についてYouTube配信にて徹底議論しましたので、その内容を紹介します。
配信URL:https://www.youtube.com/watch?v=9e2ApphiBiE&t=1013s
NFTクリエイターの方にはプロジェクトを広げていく方法として参考になる内容となってきますので、ぜひ最後まで記事をご覧ください。
Skyland VenturesとOhaya氏による共同経営の始まり
引用:Skyland Ventures、NFTコレクション OhayaStudio/Cool Collection を買収し、クリエイターOhayaと共同運営体制によりNFTコレクション運営を開始
中村公哉:Skyland Venturesの中村です。
早速ですが、木下さんよりNFTコレクション事業の買収と共同運営に関してお話いただきたいと思います。
木下:はい、OhayaさんのNFTコレクション『OhayaStudio/Cool Collection』をベンチャーキャピタルであるSkyland Venturesが買収し、Ohayaさんと共同運営体制に移行しました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000074.000008324.html
共同運営体制開始に伴い、コレクション名を『Skyland Collection』にしていただきました。
Ohayaさんのコレクションを知ったのは、私自身がNFTコレクションを買おうとしていたとき。コレクション自体がかわいいと思い、購入しました。
引用:https://opensea.io/collection/the-double-face
Skyland Venturesの名前は「空に浮かぶ島」というイメージで付けていて、Ohayaさんの「Cool Collection」の近未来的なデザインと合うと思ったんです。
Ohayaさんがどんな人なのかにも興味が出て話したいと声をかけたところ、快諾いただいてZoomで何度かお話させていただきました。
その中で、Skyland VenturesではNFTコレクションを運営したい気持ちもあり、お話したのが始まりでした。
Ohaya:木下さんにお声掛けいただいたのが、ちょうど日本のNFTプロジェクトが盛んに動いている時期です。その中で、個人の活動というのは難しいと感じていました。
チームで行うことができれば、一人ではできない部分の広がりが生まれる、もっと面白いことができる、そう考え一緒に運営していくことにしました。
木下 :他の方からも共同運営などのお声がけはあったと思いますが、Skyland Venturesを選んでいただいたのには何か理由があったんですか?
Ohaya:確かに、他の方からもいろいろなお声がけをしていただきました。
しかし、具体的な話までは進まなかったというのと、既存のコレクションをそのまま使用させていただけるのは木下さんのところだけだったので、選ばせていただきました。
やはり、自分の描きたいものを描くというのが一番楽しいので、私のコレクションをそのまま持っていっていいというSkyland Venturesさんの提案は魅力的でした。
買収及び共同運営するNFTコレクションの契約内容は公開
引用:Skyland Ventures、NFTコレクション OhayaStudio/Cool Collection を買収し、クリエイターOhayaと共同運営体制によりNFTコレクション運営を開始
中村公哉:実は、今回の買収の条件や契約内容は公開しているんです。
この契約の内容を公開することを、私たちは重要視しています。
なぜかというと、NFTクリエイターの方達はお仕事をするときに意外と条件を決めていない場合が多かったんです。
きっと、何を決めたらいいのか分からないというケースが多いのではないかと思います。
そこでなるべく簡易に、重要なところだけを決める「基本合意書」を作りました。
ここで重要と考えているのは、担当業務、収益分配、著作権の3つです。
「Skyland Collection」の担当業務では、NFTコレクションのクリエイトに関してはOhayaさんが、マーケティングなどの付随業務に関してはSkyland Venturesが担当すると決めています。そして、NFTクリエイターとしての活動には口を出さないということにしています。
「収益分配」は、協議の上で決めることにさせていただいていますが、1次流通だけでなく、2次流通についてもどう設定するかを決める必要があります。
実際、2次流通について決めておかなかったために収益分配で揉めごとに発展した事例があるんです。
そして、「著作権」に関しては、Ohayaさんにあることを明記しています。
以上の3点については、後で揉めないようにしっかりと決めておく必要があると思います。
ですので、皆さんもこの契約を参考にして条件などを決めていただければ嬉しいです。
また、Skyland Venturesでは、VC(ベンチャーキャピタル)に寄りすぎないということ、ただ提示するのではなくOhayaさんとよく協議させていただいた上で決めること、も注意しました。
木下:新しいプロジェクトについても発表しています。チームでやっていくということで、OhayaさんがジェネラティブNFTを作りたいと言ってくださいました。
一人でジェネラティブのコレクションをやっていくのは大変ということで任せていただくのですが、その場合は収益分配の割合としてSkyland Venturesを多くするなど調整しています。
Ohaya:買収の際に驚いたのが、15ETHという金額でした。
こんなに高い値段で買ってもらえるんだと。これだけの金額を最初にもらっているにもかかわらず、収益分配に関しては私の方が70%ももらうことができる条件の良さに驚きました。
ジェネラティブ作品を出す際も、Skyland Venturesさんの力を借りて収益30%がもらえるというのは、非常に良心的な条件だと思います。
木下:これからのNFT界の基準になるというつもりで、クリエイター側の目線に立って条件を作成しました。
イケハヤ氏のプロジェクト運営方法とは
引用:https://www.ninja-dao.com/cnp
木下:イケハヤさんはすでに様々なプロジェクトをされていると思うのですが、契約書などは作ってらっしゃるんですか?
イケハヤ:契約書をきちんと作るかどうかはプロジェクトによります。
「Crypto Ninja NFT」のアニメについては法人もあり、きっちりと契約書を作っていますが、「Crypto Ninja Partners」(以下、CNP)については特に契約などは作り込んでいません。
匿名で集まったメンバーでやっていて、プロジェクトの代表に収益が集まるようになっています。そして、集まったお金を代表が分配してくれます。
契約などは特にないので、信頼関係で成り立っていますが、今のところ揉めごとなど、特に大きな問題はありません。
管理方法として、Discord内で公開で議論したものをGoogleスプレッドシートへ記録するなどは行っていますね。
イケハヤ氏が考える、今後の共同運営の盛り上がり
中村公哉:イケハヤさんにお伺いしたいのですが、今後共同運営という形態は盛り上がっていきますでしょうか?
イケハヤ:盛り上がっていくと思います。
私たちが運営しているCNPに関しても、総数が22,222個と非常に多くなっています。
総額も現在のレートで7億位です。この規模になると、一人でやるのはもう不可能だと思います。
ジェネラティブ作品なので、メインのデザイナーさん以外にも、パーツのデザイナーさん、マーケティング担当などが数名いる状態です。
チームを組まないとジェネラティブ作品はうまくいかないのではないかと思います。
ですので、今後共同経営はどんどん増えていくと思います。
木下:ジェネラティブ作品を運営する場合のメンバーというのはどのくらいの数必要なんですか?
イケハヤ:主要メンバーとしては5人くらい。
スタートアップの企業に近いものがあります。プロジェクトマネージャー、デザイナーチームがあって、デザイナーチームの中ではリードデザイナーを主軸にデザインが進められていきます。さらに、エンジニアやセールスチームがいる状態です。
主要メンバー以外にも、DAO内で議論に参加される方はたくさんいます。Discordのロール管理や議論のまとめなどをしてくれるメンバーによって成り立ちます。
CNPはDiscordメンバーが3万人いますが、書き込みをする人は少なく、活発に参加しているのは150人くらいだと思います。
木下:やはり、人を巻き込むというのが重要になってくるんですね。
イケハヤ:これからNFTコレクションを作る人は、起業という考え方になってくると思います。
だからこそ、木下のような経営の知見を持つ人による運営が必要になってくるんです。
まとめ
NFTの規模が大きくなると、共同経営の必要性が出てくる場合もあるでしょう。
一点もののNFTとは違った販売戦略も必要とされ、起業の視点を持った方との共同経営をすることでうまくいく可能性も高まるかもしれません。
ただ、その際は収益分配などの契約事項をしっかりと確認する必要があります。
その際は、アーティストとしての意見を受け入れてくれるかなど重要視する点を目的に沿って見極めましょう。
参照元:NFT Media