デリバティブ取引について解説
デリバティブ取引は株式よりも複雑な構造になっていました。しかし、Robin Hood(ロビンフッド)社による『金融の民主化』の努力によって、デリバティブと株式取引の両方がインターネットへのアクセス環境と銀行口座を持っている人にとって非常に身近なものになりました。仮想通貨デリバティブ・先物契約・スワップ・オプションに加えて、それらはすべて原資産から価値を引き出す投資商品を表しています。
デリバティブ取引とは?
1980年代に出現した比較的新しい金融市場であるデリバティブ市場は「コーヒーと小麦の取引」から始まりました。デリバティブ取引は主に「トレーダーがお互いの商品価格間で賭けをする際」にも行われてきました。同様に「農家が保険をかけやすくするために、作物を前もって売却していたこと」もありました。これらはすべて『原資産の価値に依存する投資』を意味しています。
デリバティブという言葉自体は、ラテン語で『~から得る』を意味する『diversideare』に由来しています。これはあなたが原資産の価格の変化に賭けるとき、それはあなたが他の当事者と契約を結んでいることを意味しています。
これらの契約の基礎となる原資産は「仮想通貨・債券・株式・学生ローン・住宅・商品・指数・金利」さらには「デリバティブそのもの」など多岐にわたります。
繰り返しになりますが、デリバティブ取引は、なにかしらの原資産の価値に基づいて、2つ以上の存在しているものの間で契約を形成しています。
これは「会社の経営権の一部を購入する”株式取引”」とは異なるものであり、デリバティブ取引では実際に資産自体を購入することなく市場に参加することが可能です。時にデリバティブは、金融機関やプロのトレーダーがリスクヘッジに使用して、二次的なポジションに対するリスクを軽減するために利用されています。
デリバティブ取引の例
簡単な例を挙げてデリバティブ取引について解説を行います。
例として、あなたの友人であるジェイクが『色が気に入らないので、新品のスマートフォンを600ドルで売りたい』と思っているとします。ただし彼は『4ヶ月後に祖父からより良いスマートフォンをプレゼントしてもらった後に、それを売ろう』と考えています。
- あなたは、4ヶ月後に600ドルで彼からそれを購入することに同意
- そして、彼はあなた以外の誰にも売らないことに同意しているので、あなたは契約書にサインする
あなたとジェイクが契約書にサインしたとき、あなたはデリバティブを作成したことになります。スマートフォンは「原資産」であり、その資産から引き出される契約は「デリバティブ」です。このデリバティブは将来実行されるため『先渡契約』と呼ばれます。
しかし、その後状況はより複雑になりました。ジェイクは契約から2ヶ月が経過した後にインターネットを閲覧し「工場のチップ不足が原因で持っているスマートフォンの価格が急騰していること」に気付きます。
スマートフォンの価格急騰によって価値が600ドル以上となり、実際750ドル以上で売却できるようになりました。これは『ジェイクが自分のスマートフォンを他の誰かに売った場合に、さらに150ドル貰えること』を意味します。
あなたは幸運なことに『ジェイクから4か月後にあなたにだけスマートフォンを売ることを義務付ける契約』に署名していて、契約が履行されるまで2カ月残っています。
一方、あなたは150ドルの契約で自分の立場に興味のある買い手を探すことができ、買い手を見つけた場合は、その新しい買い手が2ヶ月後に販売した契約の価格で「600ドル+150ドル」でスマートフォンを購入することになります。同時にジェイクは「4か月が経った後、新しい契約者に電話を600ドルで販売する義務」があります。
このたとえ話では、あなたは次のことを行うことになります。
- 初めに『4ヶ月後に600ドルでスマートフォンを購入する』という当初の契約を交わす
- あなた側の契約を新しい買い手に売って150ドルを受け取る
これがデリバティブ取引です。このタイプの契約(先渡契約)では、ジェイクはショート(売り)ポジションを保持しており、あなたはロング(買い)ポジションを保持していました。
これはゼロサムゲーム(*1)で、ショートかロングどちらか一方の側が勝者か敗者にならなければなりません。ジェイクはチップ工場の不手際で携帯電話の価格が急上昇したため、ショートポジションを持ったまま敗者になってしまいました。それが起こらなければ新しい安価な電話が市場に出て、彼が勝者になっていました。
(*1)ゼロサムゲーム:参加者の利益と損失の総和(サム)が「0(ゼロ)」になるゲームのこと。全体が上がるということはあり得ず、一方の為替レートが上がれば、もう一方のレートは必ず下がることになる。
このデリバティブ取引の例えを要約すると以下の通りです。
- スマートフォンは原資産
- 4ヶ月後の日付が満期
- 先渡契約の両側は「ショートポジション」と「ロングポジション」
- スマートフォンの価格が権利行使価格
どのような種類のデリバティブ契約を作ることができるか?
デリバティブ取引の最も一般的な方法は、仮想通貨が仮想通貨取引所で取引されているように『規制された取引所を介して取引を行うこと』です。
これらの取引所では、取引所が仲介役となり、リスクを軽減するために標準化された契約を提供しています。一方「店頭(OTC)デリバティブ取引」は、契約が非公開かつ当事者間で設定されている規制されていない市場で行われています。
デリバティブ契約はさまざまな目的に役立つように作成されています。デリバティブ契約の最も一般的な形式としては以下のようなものが挙げられます。
【オプション】
「特定の資産を、特定の期間内に、特定の価格で売買する権利」を取引
【CFD(差金決済取引)】
「Contract For Difference」の頭文字をとったもので「差金決済取引」と呼び、資産の価格差を支払うことに同意する2者間の差金決済契約
【先渡契約】
買い手と売り手の2者間による、将来の資産を取引するために現時点での価格に合意した契約。原資産の価格が変動すると、OTC市場で当事者の損益が確定する
リスク軽減としてのデリバティブ取引
スマートフォンの例からもわかるように、デリバティブ取引は非常に柔軟性に富んでいます。そのため、将来の不測の損失を防ぐために契約を結んだり、投資ポジションを開設するなどといったように『リスクヘッジ』として利用することが可能です。このようなリスクヘッジは保険の一種であると考えることができます。
例えば、架空のGPU製造会社である「Gpunia社」は「MemChip社」からメモリチップを安定的に購入する必要があるとします。この場合、将来メモリチップの価格が上昇すれば、Gpunia社の利益が脅かされる可能性があります。
そこで、Gpunia社はMemChip社との間で「デリバティブ取引」という契約を結び、一定期間保証された価格でメモリチップを安定的に供給できるようにします。この場合は「Gpunia社」と「メモリチップメーカー」の双方が証券を作成することになります。
Gpunia社は「メモリチップの価格が高騰する可能性」に対して、MemChipは「メモリチップの価格が低迷する可能性」に対してデリバティブ取引を結びました。設定された期間のあと、契約で負けた企業は原資産であるメモリチップのスポット価格を逃した企業となります。
この例からみるように、仮想通貨デリバティブ市場でのビットコインデリバティブ取引も同様に『各当事者が将来のビットコイン価格に賭ける』という形で行われることになります。つまり、収益性の高いデリバティブ取引の鍵は『原資産の軌道を正しく推測すること』です。
取引所ではこの目的のために「ローソク足チャート」から「RSIインジケーター」までといった様々なツールが提供されています。
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