ゴールド上昇で豪ドル/円は85円へ続伸中! テスラの購入発表でビットコインが暴騰

■1.9兆ドルの米経済対策成立期待で米国株は堅調 みなさん、こんにちは。
 今週(2月8日~)の米国株は、堅調。
NYダウ 日足(出所:IG証券)
 背景にあるのは、バイデン政権による1.9兆ドルの経済対策成立への期待。
 共和党との交渉により、半分程度に減額されるのではとの予想もあったのですが、バイデン政権は1.9兆ドルで押し通す見込みです。
 こうなると、再び1400ドルの給付金がどう使われるのかが話題となります。
 この1400ドルが再びロビンフッド経由で株式市場に流れて、株を押し上げるのではないか(?)という発想もあり、株が底堅く推移している模様。
 この1.9兆ドルが決まると、それ以上の景気対策はいったん期待できないため、「セル・ザ・ファクト」との見方もできるのですが、直近ではロビンフッダー(※)による株買いは無視できないといったところ。
(※編集部注:ロビンフッダー(Robinhooder)とは、米国のロビンフッド証券が提供するスマホの株式取引アプリ「ロビンフッド」で売買を行う個人投資家のこと。1人あたりの投資額は少額ながら、新型コロナウイルスの影響で在宅を余儀なくされた若者を中心に爆発的な増加を見せており、株価を動かす要因とされている)
 ロビンフッダーといえば、前回のコラムでご紹介させていただいた「reddit」でビル・ゲイツが興味深いコメントをしています。
【参考記事】
●対ユーロで上昇余地が拡大している豪ドル。豪ドル/円も85円に向けて上昇再開!(2月4日、西原宏一)
ビル・ゲイツ、2008年のような金融危機は「確実に起きる」
2月27日(現地時間)、ビル・ゲイツはレディット(Reddit)のAsk Me Anything(何でも聞いて)に登場。「近い将来、2008年の金融危機のような危機がまた起きますか?」という質問に対して、恐ろしい(だが、依然として楽観的な)回答を行った。
出所:Business insider
 タイトルは危機的な内容を連想させるものですが、「だがこうした予測にもかかわらず、私は極めて楽観的。イノベーションと資本主義があらゆる状況を改善すると考えている」と結論づけており、総じて楽観的な内容。
 redditはこうした「Ask Me Anything」というコンテンツも持っており、投資家の情報収集のツールとして米国ではかなり浸透している事を知った次第です。
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■テスラの巨額購入発表で、ビットコイン暴騰 そして、今週(2月8日~)のもうひとつの注目は、ビットコインの急騰。
 昨年(2020年)末から、このコラムでも何度か取り上げているビットコインですが、今週(2月8日~)の急騰はすさまじく、一時500万円台まで値を上げています。
ビットコイン/円(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 日足)
 その要因は、テスラ。
ビットコイン急騰 テスラが購入、関連銘柄にも買い波及
暗号資産(仮想通貨)ビットコインの価格が8日、急上昇した。一時は4万4800ドル(約470万円)程度と前日より15%近く上昇し、史上最高値を付けた。
電気自動車(EV)大手のテスラがビットコインを15億ドル(約1600億円)購入したと明らかにし、他の仮想通貨や関連株も軒並み急上昇した。
出所:日経新聞
 テスラがビットコインに15億ドル投入したと発表したことで、ビットコインは暴騰したわけですが、マーケット参加者の中には、15億ドルはテスラにとって大した金額ではないという意見もあります。
電気自動車(EV)大手のテスラがビットコインに15億ドル投入したと発表したことで、ビットコインは暴騰。ビットコイン/円は、一時500万円台まで上昇した。写真はイーロン・マスクCEO(最高経営責任者) (C)Getty Images
 ただ、テスラ製品の購入に関して、ビットコインでの支払いも近く可能となる方針を明らかにしたことがポイントのようです。
 これまで、マイクロストラテジーがバランスシート上で暗号資産を持つことを発表しています。
 これにテスラが続いたわけですが、マーケットがビットコインを買い上げた理由のひとつは、アップルの参入が連想された事も重要なポイントです。
アップルが仮想通貨に参入すれば、巨額の機会に-RBCアナリスト
米アップルは米テスラの例に倣うべきだと、RBCキャピタル・マーケッツは指摘した。ただし電気自動車ではなく、仮想通貨分野への参入で先例に続くべきだとしている。
出所:Bloomberg
 アップルの参入を米国当局が認めるのは、かなりハードルが高そうですが、アップル参入の可能性は否定できないため、ビットコインの上昇はまだ続きそう。
ビットコイン/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 日足)
 そして、テスラはビットコインだけではなく、地金や金に連動するETF(上場投資信託)も投資対象とすると発表した事が、豪ドルを押し上げる要因となっています。
豪ドル/米ドル 日足(出所:IG証券)
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■ゴールドの上昇は、豪ドルのポジティブ要因! 話題を為替に移すと、先週(2月1日~)までは、ユーロ/米ドル中心に、米ドルが堅調な流れでした。ユーロ/米ドルは時間がかかりましたが、やっと1.2000ドルを割り込み、一時1.1952ドルまで下落しました。
ユーロ/米ドル 日足(出所:IG証券)
 下記のように、ECB(欧州中央銀行)のレーン氏が、繰り返しユーロ高に注視しているとコメントしていたことが、やっと効果を表した展開です。
ECBレーン氏、物価押し上げに必要な全措置講じる用意-為替注視
出所:Bloomberg
 しかし、今週(2月8日~)に入ると、ユーロ/米ドルはセンチメントを一変させ、一時1.2122ドルまで反発しています。
 米ドル売りの先導役は、豪ドル/米ドル。. 
 豪ドル/米ドルは、今月(2月)2日(火)に、0.7564ドルの安値をつけた後、急反発しており、一時0.7743ドルまで反発しました。
 前回のコラムでご紹介させていただいたユーロ/豪ドルは1.5617豪ドルへ、豪ドル/円は81.19円へと豪ドルは値を上げています。
【参考記事】
●対ユーロで上昇余地が拡大している豪ドル。豪ドル/円も85円に向けて上昇再開!(2月4日、西原宏一)
ユーロ/豪ドル 日足(出所:IG証券)
豪ドル/円 日足(出所:IG証券)
 豪ドルを押し上げている要因は、テスラの、ビットコインだけではなく、地金や金に連動する上場投資信託(ETF)も投資対象とすると発表した事が金(ゴールド)の反発を誘引したため。
 金(ゴールド)の上昇は、豪ドルのポジティブ要因でもあります。
スポット金相場 日足(出所:IG証券)
 ユーロ/豪ドルは、今週(2月8日~)に入っても上値が重く、じわじわと値を下げる展開が続いています。
 そして、豪ドル/円は節目の81.00円をクリアに超えられず、81.00円レベルでもみ合っていますが、金(ゴールド)が底堅いこともあり、上昇トレンドは変わらず。
 テスラが資産の分散化で地金や金に連動するETFも投資対象としたこともあり、豪ドル/円の底堅さは変わらず。85円に向けて続伸している、豪ドル/円の行方に注目です。

参照元:ザイFX! 西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

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