米ドル/円、チャートからは天井の可能性。 ただし、IMMや長期金利の動向は注意!
2021-02-05
【参考コンテンツ】
●シカゴIMM通貨先物ポジションの推移
しかし、年初から、米国の長期金利が上昇傾向になったことから、米ドルショートのポジション調整が始まり、徐々に米ドルは強くなっていきました。
米長期金利(10年物国債利回り) 日足(出所:TradingView)
ドルインデックス 日足(出所:TradingView)
そして、その後、バイデン政権の財務長官となったイエレン前FRB(米連邦準備制度理事会)議長が、上院での承認公聴会で、「相場は市場を信じる。通貨安を追及するようなことはしない」などと発言した辺りから、いよいよ、米ドルの買い戻しの動きが本格化してきました。
【参考記事】
●米ドル押し目買い方針。ドル安を目指さないイエレン新財務長官の手腕にも注目!(1月19日、バカラ村)
■米ドル/円は、予想以上の上昇に そして、ユーロ/米ドルは1.2000ドルを割り込み、米ドル/円は上昇していきました。
ユーロ/米ドル 日足(出所:TradingView)
米ドル/円は、105.00円辺りで攻防が続いていましたが、昨日、2月4日(水)には、さらに上昇。今、このコラムを書いている段階では、105.55円辺りにいます。
米ドル/円 日足(出所:TradingView)
米ドル/円が、102円台を割り込んでいくことはないだろう、という確信はあったのですが、上サイドは正直に言って、ここまで急上昇するとは考えていませんでした。
■IMMと長期金利の動向に注目! さて、そこで、今後の展開を考えてみることにします。
その際に、週末(日本時間土曜日未明)に発表される、IMMのポジションがどうなっているかを、よくチェックする必要があります。
投機筋の米ドルの売り越しが、まったく減っていないような状態でしたら、まだ、米ドルが強い相場は続くかもしれません。
長期金利の動向も重要です。ここのところ高止まりしていますが、どちらかに動き出せば、米ドル相場に影響が出てくると考えられます。要チェックです。
米長期金利(10年物国債利回り) 日足(出所:TradingView)
■チャートで米ドル/円をチェックしてみると… 次に、米ドル/円のチャートを確認してみましょう。
まず、水準ですが、昨年(2020年)11月の高値が105.68円ですので、現在、ほぼ、そのあたりまで上昇してきていることになります。ですから、ここをさらに上に抜けていくには、それなりの材料が必要です。その材料となり得るものについては、先ほど述べたとおりです。
【参考記事】
●目先、米ドル/円は105.50円前後まで上昇か。押し目買いスタンスも、しばらくは維持(1月29日、陳満咲杜)
米ドル/円 日足(出所:TradingView)
次に値幅です。今回は、1月21日(木)の安値、103.33円から上昇してきていますので、2円以上、上昇してきています。最近の相場展開を見ると、せいぜい2.5円程度ですので、値幅で考えると、そろそろかな、と思えます。
【参考記事】
●米ドル/円は、今週も押し目買いでよさそう。103.20円水準から下がなさそうなワケは?(2月1日、西原宏一&大橋ひろこ)
米ドル/円 日足(出所:TradingView)
また、一目均衡表上での、雲との乖離も気になります。雲からあまり離れてくると、反転して雲の方に近づいていくことが多い点を考慮する必要があるかもしれません。
【参考記事】
●細かいトレードの繰り返しでも利益は出る。レンジが狭い相場でも、あきらめないで!(1月28日、今井雅人)
●バイデン大統領就任で米株はご祝儀相場に。一目均衡表で見たドルやユーロの戦略は?(1月21日、今井雅人)
米ドル/円 日足(出所:TradingView)
■米ドル/円の上昇は、そろそろ一服かも 次に、オシレーター系の指標を見てみましょう。
代表的なストキャスティクスを見ますと、明らかに買われすぎゾーンに入ってきています。
米ドル/円 日足(出所:TradingView)
さらにMACDを見ると、MACDとシグナルとの乖離が大きくなってきています。
米ドル/円 日足(出所:TradingView)
このように見ていくと、チャート上では、米ドル/円の上昇は、そろそろ一服するように見えます。
【参考コンテンツ】
●FX初心者のための基礎知識入門:一目均衡表
●FX初心者のための基礎知識入門:MACD
以上、今回は、米ドル/円の動向を考えてみました。チャート上では、そろそろ天井か、と見えるのですが、市場のポジション状況や米国の長期金利の動向によっては、まだ上昇するかもしれないということだと思います。そのあたりを、よく見ておきましょう。