米保険企業USAAとステートファーム、保険の処理にブロックチェーン活用へ
アメリカの金融・保険会社であるUSAAが1月26日、保険会社大手であるステートファーム(State Farm)との間で解決した自動車保険の処理を、ブロックチェーン技術を活用することを発表した。
時間の必要な処理をブロックチェーンで自動化
USAAとステートファームは2019年5月、保険業界の主要企業間では初となるブロックチェーン技術を使った代理ソリューションを発表。ブロックチェーン技術を使うことで、保険代の代位求償プロセスをどのように改善できるかというテストを行った。今回の発表は、このときのテストに関連する発表となる。
保険の処理は、手動でやると比較的時間のかかるプロセス。請求ごとに保険会社間で物理的な小切手を郵送しなければならないことも多い。2018年の代位求償プロセスの中で要求および発行された金額の合計は、全ての保険会社で96億ドル(約9,960億円)を超えた。
2019年にテストを開始した後、履歴データを使用した広範囲なテストを実施し、今回の発表でブロックチェーン技術を使った代理ソリューションの運用開始となった。
将来ほぼ完全に自動化され、時間とお金を節約
USAAのシャーン・バーゲス(Sean Burgess) 氏は、「請求の支払いは、将来ほぼ完全に自動化され時間とお金を節約できる」と述べた。また同氏は、「ブロックチェーンテクノロジーを利用することで、手動プロセスを安全に改善および自動化し、最終的にはメンバーと顧客に迅速にお金を返すことができる」と話している。
ステートファームのロバート・イー(Robert Yi)氏は、「私たちは、顧客に利益をもたらすために、より効率的に運用できる方法を常に模索している」とし、「このブロックチェーンソリューションは、代理請求のスピードアップに役立ち、迅速に返還することになる」ともコメントしている。USAAとステートファームの間では毎年約75,000の小切手をやりとりが行われている。
参考
・USAA Testing Blockchain Solution
・USAA and State Farm Work Together to Improve Claims Process with Blockchain
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文:かにたま
参照元:CoinChoice