クロスチェーンDeFiソリューションを開発しているRampDeFiがSolana（ソラナ）ブロックチェーンとの統合を発表しました。

盛り上がりと成長をみせるDeFi(分散型金融)

2019年にはDeFi（分散型金融）はほとんど知られていない概念であったにも関わらず、2020年に入りDeFiエコシステムの成長は目覚しく、DeFiのTVL（Total Locked Value）は半年足らず（2020年3月～9月）で5.5億ドルから87億ドル（1581％増）に急増しました。

出典：DEFI PULSE

イーサリアムネットワーク上でのDeFiの成長は非常にエキサイティングなものです。しかし、その一方でイーサリアムエコシステム外の暗号資産（ERC20以外の暗号資産）に投資しているユーザーは既存のポジションを終了して、ERC20ステーブルコイン （USDT、USDC、TUSD、DAIなど）にスワップするなどしなければイーサリアムベースのDeFiへアクセスが困難な状況です。

仮に上記の方法で実行するにしても、これらのユーザーが将来のキャピタルゲインやステークキング・ポートフォリオに発生する可能性のあるステークキング・リワードを断念するということを同時に意味するため最適な方法とは言えないでしょう。

RampDeFiはERC20以外の暗号資産をゲートウェイ・ブリッジを介してイーサリアムブロックチェーン上で発行されるステーブルコイン「rUSD」に担保することを提案しています。同様に、イーサリアムブロックチェーン上のユーザーは、ERC20ステーブルコインをRampのeUSD流動性プールに預けることで、「eUSD」を鋳造することができます。今回の記事ではソラナとの統合が発表されたRampDeFiを概説します。

ソラナについて基礎的な情報はこちらの「Solanaとは？秒間5万トランザクションを処理できるブロックチェーン」で紹介しています。

RampDeFi概要

出典：RampDefi

RampDeFiは非ERC20のデジタル資産をイーサリアムDeFiエコシステムに接続することを目的としたプロジェクトです。執筆時点でサポートを発表しているのはソラナ（Solana）の他、IOST、ELROND、MOONSTAKE、NULTSの5つのブロックチェーンです。

上図表では今後開発が予定されているRampDeFiプロジェクトを概説しています。冒頭で示したように、サポートしているブロックチェーンのネイティブトークン（例えばSOLトークン）を担保に、ERC20規格のステーブルコイン「rUSD」を鋳造することができます。

しかし、rUSDで直接イーサリアムDeFiへのアクセスが約束されているわけではないので、rUSDからUSDTやUSDC、DAIといったDeFiで流通するステーブルコインに交換する必要があります。この課題を解消するためにRampDeFiは「rSwap」という非ERC20とERC20を交換するプロダクトを計画しています。

このrSwapを実現するにはrSwapのコントラクトプールに非ERC20、及びERC20トークンが預けられている必要があるため、その流動性提供のインセンティブとして「rFarm」と呼ばれるDeFiファーミング（流動性提供の報酬としてRampトークンが付与される）の仕組みとそれを支えるeUSD（ERC20ステーブルコイン を担保に鋳造）が存在します。これは非ERC20に対しても同様であり、それをサポートするために「rStake」というサービスが存在します。

大まかには上記の仕組みにより、非ERC20のデジタル資産をイーサリアムDeFiエコシステムへの接続を可能にしています。この仕組みで重要なことは、非ERC20のデジタルアセットを保有していたユーザーが、イーサリアムDeFiエコシステムへアクセスしてはいるものの、保有していた非ERC20から得られるキャピタルゲインの機会を失っていないということです。つまり、今回のソラナとRampDeFiの統合が意味するところは、保有するSOLを売却することなく、SOLを担保にERC20のステーブルコインを借り入れ、各種イーサリアムDeFiサービスへのアクセスが可能になるということです。RampDeFiプロジェクトは現在開発中であり、2020年末から2021年前半にかけて徐々に各サービスが開始される予定です。

RampDeFi
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参照元：CoinChoice