ユニセフとStaTwig(スタ・トゥイグ)がブロックチェーンを活用したコロナウイルスワクチンのサプライチェーン管理システムの構築・テスト実施とWEFが発表
ユニセフとStaTwig(スタ・トゥイグ)がブロックチェーンを活用したコロナウイルスワクチンのサプライチェーン管理システムの構築・テスト実施とWEFが発表
World Economic Forum(WEF:世界経済フォーラム)が、コロナウイルスのワクチンを世界で流通させるためにブロックチェーンが有用であることをレポート「How the massive plan to deliver the COVID-19 vaccine could make history – and leverage blockchain like never before」で発表した。レポートによるとユニセフ・イノベーション・ファンドとブロックチェーン開発企業StaTwig(スタ・トゥイグ)がブロックチェーンベースでコロナウイルスのワクチン・サプライチェーン管理プラットフォームを構築しているとのこと。この目的は、国、州、地区レベル、そしてサプライチェーンのさまざまな段階で、すべての利害関係者がすべてのワクチンを完全に可視化できるようにするためとのことだ。
WEFはコロナウイルスのワクチンを開発することと同様に、世界規模でワクチンを流通させる方法を見つけることも重要であると伝えている。コロナウイルスのワクチンを世界規模で流通させるためには、これまで以上に大規模な製造とサプライチェーンの能力を構築する必要があるとのこと。
レポートではワクチンの輸送中や保管中に20~30%の損失が発生することを仮定すると、サプライチェーン上では100億回近くのワクチン投与が必要になると伝えている。さらにワクチンの投与に1人あたり2回分の投与量が必要な場合、190億以上の試験びんが必要になるとのこと。
そしてレポートではコロナウイルスワクチンのサプライチェーンで最も大切なのは公平さであると記載されている。誰が先にワクチンを手に入れるべきか、誰が先に買えるかではなく、世界的なコンセンサスが必要とのこと。
ワクチンの廃棄率を計算するために、コロナウイルスワクチンのサプライチェーン情報システムは、ワクチンの保管レベル、温度管理、在庫切れ、付属品(希釈剤、注射器、注射針、ガラス瓶、ゴム栓、プランジャー、芯、冷蔵庫用灯油など)の量などのパラメータをリアルタイムで追跡し、更新する機能を備えていなければならないとのこと。
レポートでは、コロナウイルスワクチンのサプライチェーンシステムに必要な要件を定義していった結果、ブロックチェーンと分散型台帳技術が不可欠であると考えられたと結論づけられている。 国、州、地区レベル、そしてサプライチェーンのさまざまな段階で、すべての利害関係者がすべてのワクチンを完全に可視化できるようにするためのワクチン・サプライチェーン管理プラットフォームを構築し、テストしているとのこと。
編集部のコメント
コロナウイルスワクチンのサプライチェーン管理プラットフォーム構築には、WEFが発表した「Blockchain Deployment Toolkit」がとても役に立ったとのことです。「Blockchain Deployment Toolkit」はWEFの第4次産業革命センターによって開発されたこのツールキットは、信頼性、透明性、完全性に基づいたサプライチェーンの技術的に検証済みなファクトを構築するのに役立ち、新しいユースケースの展開を示唆しています。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)
(images::iStock/NatalyaBurova・Who_I_am・RRice1981)
参照元:ニュース – あたらしい経済