WTI原油暴落の背景にあったロックダウン。 買われ続けるスイスフランに介入の可能性!?
2020-04-23
今週(4月20日~)のマーケットの注目は、なんといってもWTI原油の動向。
4月20日(月)のWTI原油の5月限は、1バレル当たり、初のマイナス37.63ドルに急降下!!
WTI原油先物5月限 週足(出所:Bloomberg)
このマイナスとは、いったいどういうことなのか?
WTI原油は、現在「需要」が大幅に低迷。
在庫があふれかえっており、備蓄できるところがない状態で、原油の貯蔵スペース不足が深刻になっています。
【参考記事】
●原油価格暴落で逆オイルショックに!! トルコリラは対米ドル・対円で下落継続へ(4月22日、エミン・ユルマズ)
ところが、生産が止まらない状態。
引き取り手がいなければ、置き場所がないから捨てるのか(?)ということになります。
それが、20ドルで売るよ、10ドルで売るよ……といった形で市場は急速に悪化します。
結局、マイナス圏内に突入し、「37ドル支払うから引き取ってくれ!」という混乱に発展。
そして、事実上の中心限月となった6月限は20.43ドル。5月限と6月限の差は過去最大となりました!
■WTI原油暴落の背景にあった「ロックダウン」 この、WTI原油がマイナス圏に落ち込むという事態は投資家心理を冷やすのに十分でした。
WTI原油の混乱を受け、米国株は再び急反落します。
NYダウ 日足(出所:Trading View)
一方、私が情報交換させていただいている何人かのシニアトレーダーの中には、WTI原油がマイナスにまで落ちこむ可能性があると懸念している人もいました。
なぜなら現在、世界的に「需要」が急激に落ちこんでいるからです。
その要因は、「ロックダウン(都市封鎖)」。
現在、NY州を筆頭にロックダウンされている都市が多数あります。
ロックダウンされるということは、「人と物の移動が制限」されることを意味し、当然、経済活動は急激に停滞。
こうした環境下では、WTI原油の急落は必然ともいえます。
ただし、こうしたWTI原油の混乱も「新型コロナショック」の余波として一部の市場関係者の間で危惧されていたことのひとつであるとすれば、株や為替への影響は長期化しないともいえます。
そうしたこともあり、急速に値を下げていた株も少しずつ沈静化しています。
そして…