4月以降、国内は円安材料満載。それでも ドル/円が105円へ下落する展開はある?

■2016年前半の為替相場を振り返ると… みなさん、こんにちは。
 ここでは、今年(2016年)のこれまでの為替の動向をチェックしてみたいと思います。
 今年(2016年)は、米ドル/円と英ポンド/円の急落がコンセンサスとなっていました。
【参考記事】
●イースターに向けて調整相場入り。通貨高牽制など売り材料多い豪ドルは急落警戒!(3月24日、西原宏一)
 まず、以前もご紹介させていただいたとおり、米ドル/円の今年(2016年)の目標値は、110円程度でした。
【参考記事】
●2016年のドル/円は110円程度まで下落も。Brexit巡る国民投票に向け英ポンドは…!?(西原宏一&松崎美子)
 その米ドル/円ですが、2月11日(木)のSQ(※)ショック時に目標値に早々に到達。
(※編集部注:「SQ」とは日経225先物などの株価指数先物や株価指数オプションといった取引の最終決済を行なうための価格のこと。株価指数先物は3月、6月、9月、12月の第2金曜日、オプション取引は毎月第2金曜日がSQ算出日となっている)
【参考記事】
●行き詰まったアベノミクス。ヘッド&ショルダー完成のドル/円は105円台へ下落の公算(2月12日、西原宏一)
●日銀マイナス金利導入が円高・株安誘引!? ドル/円急落の裏で何が起こっていたのか?(2月18日、西原宏一)
米ドル/円 日足 (リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
 次にBrexit(英国のEU離脱)を背景に英ポンド/米ドルの暴落というのもテーマになっていました。
【参考記事】
●月足終値で1.40ドル割れなら31年ぶり! 英ポンドを暴落させたボリスショックとは?(2月25日、西原宏一)
●NYダウ崩れずリスクオフは徐々に沈静化。英ポンド下落の背景には中東と中国あり(3月3日、西原宏一)
 通貨ペアとしては、円高予想も相まって、英ポンド/円の急落が取り上げられていました。その英ポンド/円ですが、昨年(2015年)末から続落し、2月後半には154.73円という安値まで急落しました。
英ポンド/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 日足)
 つまり、今年(2016年)注目された米ドル/円と英ポンド/円は、2月早々に目標値まで到達してしまったのです。
 そして、その後は調整で、方向感なく乱高下する展開が続いています…。こうした動きは昨年(2015年)も同様でした。
 昨年(2015年)はユーロ/米ドルと豪ドル/米ドルの下落がテーマとなっていましたが、第1四半期にどちらも目標値へ早々に到達しています。
【参考記事】
●ザイFX!で2015年を振り返ろう!(1)2つのショックの背後に大きなテーマあり
●ザイFX!で2015年を振り返ろう!(2)「黒田ライン」意識で伸び悩んだ米ドル/円
■4月以降はNYダウと原油が相場を見極めるカギに 前述のように、今年(2016年)のテーマである米ドル/円と英ポンド/円が第1四半期で早々に目標値に到達した今、4月以降のマーケットは新たなテーマを探ることになります。
 そのテーマ探しですが、注目されるプロダクツ(Products)は2つあります。
 まず、ひとつは原油相場。
 原油下落がリスクオフマーケットを演出し、米ドル/円と英ポンド/円の下落を誘引した側面もあるため、重要となります。
 その原油ですが、3月に入って反発しています。
WTI原油先物 日足(出所:CQG)
 この原油の反発は大きく、Brexitの報道が目立ち、続落していた英ポンドは原油の反発とともに大きく値を戻しています。
英ポンド/米ドル 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 日足)
 今年(2016年)前半、原油相場は200日移動平均線にずっと上値を抑えられて続落してきました。
 現在も200日移動平均線に上値を抑えられていますが、仮に200日移動平均線を上抜くと、株高、そして、リスクオンのマーケットを誘引することになります。よって、原油相場の動きに注目です。
WTI原油先物 日足(出所:CQG)
 次に注目すべきなのがNYダウの動向。 2月のSQショック時は…

参照元:ザイFX! 西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

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