NZ中銀のハト派への転換は何を意味する? 混迷するブレグジットの行方が今後の鍵に
2019-03-28
過去のコラムでも何度かご紹介させていただいていますが、豪州のRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])は徐々に緩和方向にシフト。
【参考記事】
●利上げ予測が霧散した豪ドルは反落開始! 呼応して、米ドル/円もじわじわと下落か(2月7日、西原宏一)
2月21日(木)には、豪州の大手銀行、ウェストパックが「RBAは8月と11月に利下げ予想」と発表したこともあり、RBAの年内の利下げ圧力が高まっています。
よって、注目が集まっていたのが、お隣の国のニュージーランドの金融政策。
その、ニュージーランドのRBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])の金融政策決定会合が、3月27日(水)に開催されました。
声明において、RBNZのオア総裁は「次の金融政策は利下げの可能性が高い」と極めてハト派なスタンスに変更。
呼応して、8月7日(水)に開催される金融政策決定会合の利下げ確率は71.6%まで一気に上昇。
RBNZが、いきなり金融政策を緩和方向に舵を切ってきたのは、RBAの緩和スタンスが影響しています。以下は、豪ドル/NZドルの週足チャートです。
豪ドル/NZドル 週足(出所:Bloomberg)
豪ドル/NZドルはRBAの緩和スタンスに呼応して、じり安で推移。
RBAの緩和スタンスに対して、RBNZが何もアクションを起こさなければ、豪ドル/NZドルは、パリティ(=1.0000NZドル)を目指して続落する可能性が高まっていました。
それに歯止めをかける意味で、今回、RBNZは緩和スタンスに変更してきたものと思われます。
RBNZの緩和スタンスにより、NZドルは主要通貨に対して軟調な動きになると想定しています。
■多くの中央銀行がハト派に変更! 景気後退は来る? このところ、多くの中央銀行がハト派スタンスに変更する傾向があります。
前述のRBA、ECB(欧州中央銀行)、FRB(米連邦準備制度理事会)、そして、今回のRBNZ。
RBAやRBNZは自国の経済規模が大きいわけではないため、景気後退のサインに敏感に反応する傾向があります。
特にRBNZは、金融政策の変更に遅れを取ると、経済に致命的な影響を与えるため、そうしたサインに敏感に反応し過ぎる傾向もあります。
今回、RBNZが金融政策をハト派へと変更したことが、炭鉱のカナリアとなり、リスクオフマーケットに移行するのか?それとも、杞憂で終わるのか?は、Brexit(英国のEU離脱)の行方が鍵を握っていると想定しています。
昨年(2018年)後半は…