ハト派は米国だけじゃない! 米ドル安より 円高を警戒。ユーロ/円の売り戦略を検討へ

■ハト派なのは米国だけではない! 前回のコラムで、FOMC(米連邦公開市場委員会)での金融引き締めから中立への政策変更を受けて、一時的に米ドル安になっていることに対し、「米国だけがハト派的な政策になっているわけではなく、その他の主要国でも事情は同じ」という話をしました。
【参考記事】
●超ハト派でサプライズを与えたFOMC! 政策金利見通し下方修正。米ドル/円は…!?(3月22日、今井雅人)
 その後の1週間の流れを見てみると、まさに、米国以外の国においても、金融政策のスタンスが変ってくるという展開になってきています。
■ECBは金融緩和のスタンスを変更!? まず、3月22日(金)のロンドン市場では、ドイツ、フランスおよびユーロ圏の3月製造業PMI(購買担当者景気指数)・速報値が、いずれも予想以上に落ち込んだことを受けて、ユーロ圏に金利低下圧力がかかり、その影響でユーロも下落しました。
ユーロ/米ドル 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
ユーロ/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 4時間足)
 こうした結果を受けて、ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁は、「必要なら利上げをさらに遅らせる用意がある」と発言しています。この発言は、実質的な金融緩和へのスタンス変更とも、取れなくはありません。
【参考記事】
●超ハト派FOMCでも株価頭打ち。景気後退? 円高傾向だが、特にユーロ/円は戻り売りか(3月26日、バカラ村)
●ドイツ発の世界景気減速懸念から株価急落! 米国債は「逆イールド」で景気後退の前兆か(3月25日、西原宏一&大橋ひろこ)
■RBNZも政策スタンスを180度、転換! また、3月27日(水)には、RBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])が、「景気見通しの下振れリスクが増したため、次の政策変更は利下げの可能性が高い」との見方を示しました。
 これまで、RBNZは、次回の動きはどちらかというと利上げ方向との見方を示していたので、180度、方向転換をしたということになります。
NZドル/米ドル 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/米ドル 1時間足)
NZドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/円 1時間足)
 実は、ニュージーランドに先行する形で、オーストラリアでも先月(2月)6日(水)、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])のロウ総裁が「次の動きが上下方向どちらにもなる可能性がある」ことを示唆し、長く続いてきた引き締めバイアスから転換しています。
 このように、現在は、世界経済全体が…

参照元:ザイFX! 今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

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