英ポンド急落! メイ首相に不信任案も!? 日銀の関係者がマイナス金利撤廃を提言?
2018-11-16
現在、英国はEU(欧州連合)離脱に向けた交渉などを続けてきていますが、ここに来て、いよいよ混迷を極めています。
メイ英首相は11月14日(水)、事務レベルで合意した協定案を、臨時閣議で「了承した」と発表しました。
これで、離脱交渉は前進するかと思われましたが、ラーブ英・EU離脱担当大臣が、メイ英首相の対応を不満として辞任しました。
ラーブ氏の辞任後すぐに、マクベイ雇用・年金相も辞任しました。さらに、EU離脱強硬派は、メイ英首相の進めるEUとの妥協案では、英国の自由度が制限されるとして、メイ英首相の不信任案を求める動きを開始しました。
メイ英首相の対応に納得いかず辞任したラーブEU離脱担当大臣(写真左)。その後も主要閣僚が相次いで辞任を表明し、与党議員の強硬派からは不信任案を求める声が聞かれている。協定案を半ば強引にまとめた代償が出てきているというのが今井氏の考え方。いったいこの先、どうなってしまうのか… (C)Thierry Monasse/Getty Images News
メイ英首相は、閣議での了解を取り付けたものの、実態は反対がある中で、半ば強引にまとめてしまったのかもしれません。その代償が、出てきているということでしょう。
■議会通過も困難…!? しばらくは混迷を続けそう しかし、問題はこれに留まりません。閣議を通したからといって、これで終わりではないからです。
メイ英首相は、この案を議会で承認してもらう必要があります。英国の下院は定数が650ですが、与党・保守党は過半数を持っておらず、北アイルランドの少数政党との閣外協力で、過半数を保っている状態です。北アイルランドの少数政党が同意しなれば、下院を通過させることは難しくなります。今後も、しばらくは混迷を続けるでしょう。
主要閣僚の辞任が相次ぎ、不信任案が提出されるかもしれないメイ英首相。ようやく閣議で了承を取り付けた協定案の議会通過も、少数政党の同意が得られなければ難しい状況。今後も離脱問題は混迷を続けそうだ (C)Matt Cardy/Getty Images News
■英ポンド/米ドルは年初来安値が視野に! さて、こうした動きを受けて、英ポンドが急落しています。
対米ドルで見ると、11月に入って一時、1.32ドル台を伺う強さを見せていましたが、一連の混乱で急落。現在は、1.27ドル台となっています。
英ポンド/米ドル 日足(出所:Bloomberg)
今年(2018年)の年初来安値である、8月15日(水)の1.2662ドルが視野に入ってきています。
英ポンド/円は、年初来安値までは、まだかなりあるものの、下落傾向は鮮明になってきています。
英ポンド/円 日足(出所:Bloomberg)
英ポンド相場は、この問題が解決するまで、不安定な動きをするでしょう。
ユーロ/米ドルですが、これまでなかなか抜けなかった…