景気の先行きに不透明感が広がってきたが 米ドル/円は112円台まで下押しなら買い

■世界経済の成長は今がピーク!? 米経済に弱気な見方も 先週(11月12日~)から金融市場を取り巻く環境に、特段、変化はありません。
 若干、変化があるとすれば、世界経済や米国経済に対する見方が、やや厳しくなってきたという点でしょう。
 今週(11月19日~)、OECD(経済協力開発機構)が世界の経済見通しを若干ではありますが、下方修正しました。OECDによれば、「世界経済の成長は今がピーク」で、「今後成長は鈍化する可能性が高い」ということです。
 また、先週末の11月16日(金)には、クラリダFRB(米連邦準備制度理事会)副議長やカプラン米ダラス連銀総裁が揃って、「他国の成長減速が米国経済に影響を与える」などとハト派的な見解を示しました。
【参考記事】
●反発するゴールドと逆相関の米ドル/円は戻り売り方針! 米ドル高相場は終焉へ!?(11月19日、西原宏一&大橋ひろこ)
●米ドルは早晩ピークアウトする!? 2019年にかけて、米ドル弱気派が急増するワケは?(11月22日、西原宏一)
 さらに、11月21日(水)の海外市場では、市場参加者から「当局と関係が近い」と認識されている欧州系の情報ベンダーが、「FRBは早ければ来春にも利上げサイクルを一旦休止する可能性ある」との観測を伝えました。
 こうした弱気の見方が広がったことで、米国の長期金利は低下。10年物国債の利回りは3.10%を割り込み、一時3.0337%まで低下しました。こうした金利動向の影響を受けて、米ドルもやや軟調に推移しています。
米10年国債利回り 日足(出所:Bloomberg)
■株も為替も方向感見出しにくいが…米ドルは押し目買いで 株価の方は、これまで予想をしてきたとおり、方向感のない乱高下を繰り返すようになってきました。
 景気の先行きに不透明感が広がることで、今後も株式市場は方向感を見出すことができず、上げ下げを繰り返す可能性がより高くなってきたと考えています。
【参考記事】
●世界的株安でも米ドル/円はなぜしっかり? 米ドル高鮮明に。111円台は買い方針で!(10月26日、今井雅人)
●111円台に機関投資家の大量の買いが!? 日銀展望レポートでなぜ円高懸念は低下?(11月1日、今井雅人)
NYダウ 日足(出所:Bloomberg)
 そうなると、為替相場も方向感を見出すことが、なかなか難しいのが現状です。
 米ドルに関して言えば、米ドル/円、ユーロ/米ドル、英ポンド/米ドルなど主要通貨に対しては、米ドルのロングポジションが溜まっている状況を考えると、若干、米ドルが緩む局面もあるかもしれませんが、それも限定的でしょう。
 今後も方向感が出ない中ではありますが、やはり、基本的には米ドルを買う方向で考えていきたいと思います。米ドルの押し目買いです。
 米ドル/円は112円台まで下押したところは、徐々に買っていっても良いのではないかと考えています。
米ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
 また、1つ注目しておきたいのは…

参照元:ザイFX! 今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

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