西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

円高終焉でドル/円急反発! 続伸のカギを 握るのは160円に向けて上昇するポンド/円 ブログ

円高終焉でドル/円急反発! 続伸のカギを 握るのは160円に向けて上昇するポンド/円

■タカ派のFOMCで米ドル/円は112円台半ばへ上昇 みなさん、こんにちは。

 9月8日(金)に一時的に108円割れを示現した米ドル/円ですが、「ベアトラップ」(※1) そして「アイランドリバーサル」(※2)となり、急反発しました。

(※編集部注1:「ベアトラップ」とは、安値を更新して下落トレンド継続になると思われたのに、それが反転上昇すること)

(※編集部注2:「アイランドリバーサル」とは、窓を開けた後に相場が反転し、再び窓を開けて元の水準へ戻った際に形成される「離れ小島」の様な形のこと)

【参考記事】

●ドル/円下げ止まりを示唆するサインとは? ユーロ/円は中期的に140円を目指す動きに(9月14日、西原宏一)

 本稿執筆時点で、米ドル/円は112円台ミドルで推移。

 日本時間9月21日(木)未明に結果が公表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)がタカ派な結果に終わり、米国債利回りが上昇。

米長期金利(10年物国債利回り) 1時間足(出所:Bloomberg)

 呼応して米ドル/円は、重要なレジスタンスであった200日移動平均線が位置している112.20円を上抜けて堅調に推移しました。

米ドル/円 日足(出所:Bloomberg)

 ただ、今年(2017年)の米ドル/円を振り返ってみれば、1月3日(火)の118.60円を高値に急落。

【参考記事】

●円高終焉…。ドル/円は上昇トレンド回帰か。ユーロ/円130円台半ば突破の意味とは…!?(8月31日、西原宏一)

 その後、何度もトライするのですが、115円を抜けない状態が続いており、200日移動平均線を超え大きく上放れするにはクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の上昇が不可欠。

■円高終焉でユーロ/円は一時134円台へ急伸 前回のコラムで取り上げたユーロ/円は、200週移動平均線を2カ月かけて超えたことから上放れしており、一時134円台に急伸。

【参考記事】

●ドル/円下げ止まりを示唆するサインとは? ユーロ/円は中期的に140円を目指す動きに(9月14日、西原宏一)

ユーロ/円 週足(出所:Bloomberg)

 ただ、先週(9月11日~)後半からユーロ/米ドル自体は1.2000ドル台を攻めあぐねている状態です。その要因は、ユーロ/英ポンドの急落にあります。

ユーロ/米ドル 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)

 今月(9月)初旬からじわじわと値を下げていた…
ドル/円下げ止まりを示唆するサインとは? ユーロ/円は中期的に140円を目指す動きに ブログ

ドル/円下げ止まりを示唆するサインとは? ユーロ/円は中期的に140円を目指す動きに

■先週までのマーケットはリスクオフ一色だった みなさん、こんにちは。

 先週、9月8(金)までのマーケットはリスクオフ一色。

・9月9日(土)は北朝鮮の建国記念日

・9月11日(月)は米国の同時多発テロがあった日

・9月11日(月)は国連安保理で北朝鮮への制裁決議

 そのため、9月8日(金)はリスクオフ一色となりました。

 米ドル/円は、節目の108.00円を抜けて一時107.32円まで急落し、警戒モード一色で週末を迎えます。

米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)

■週明け以降も北朝鮮は動かず…。ドル/円は110円台後半へ しかし、週を明けても北朝鮮からのアクションはなし。

 9月11日(月)も何も起こらず…。そうした中、国連安保理で北朝鮮への制裁決議案は全会一致で採決されました。

 内容は中国、ロシアに譲歩したことでかなり融和的になっており、骨抜きという見方もありますが、全会一致で採決されたことは大きな進歩。

 これで北朝鮮が何か起こせば、制裁をもっと強化する流れになるのでしょう。

 結果、米ドル/円の108.00円割れは「陰の極」となり、107円台は9月8日(金)の欧米市場のみで示現したものとなりました。

 そして、今週(9月11日~)の東京市場ではギャップアップとなり、東京市場の参加者は107円台を見ることなく反発。

米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)

 その後の米ドル/円は、押し目らしい押し目もなく続伸し、一時110.73円まで急伸しています。

■米ドル/円が下げ止まったことを示唆する2つの理由 この一連の流れは、米ドル/円の下落トレンドのいったんの終焉を意味します。

 まず、(1)ベアトラップ(※)です。

(※編集部注:「ベアトラップ」とは、安値を更新して下落トレンド継続になると思われたのに、それが反転上昇すること)

 米ドル/円は、2017年を通してマーケットが何度トライしても割り込めなかった108.00円という重要な節目をいったん割り込んだのですが、週超えではギャップアップして108円台でスタート。

 これがベアトラップとなり、米ドル/円は下げ止まったことを意味します。

米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)

 次に、(2)アイランドリバーサル(※)です。

(※編集部注:アイランドリバーサルとは、窓を開けた後に相場が反転し、再び窓を開けて元の水準へ戻った際に形成される「離れ小島」の様な形のこと)

 前述のように、9月8日(金)の欧米市場でのみ示現した米ドル/円の107円台ですが、週明け(9月11日)のマーケットが108円台で始まったため、107円台は「離れ小島」に。典型的なアイランドリバーサルとなり、ボトムアウトを示唆しています。

米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)

 この2点から、米ドル/円は108.00円レベルで当面ボトムアウト。

 米ドル/円は米税制改革の行方が好転していることからも…
円高終焉…。ドル/円は上昇トレンド回帰か。 ユーロ/円130円台半ば突破の意味とは…!? ブログ

円高終焉…。ドル/円は上昇トレンド回帰か。 ユーロ/円130円台半ば突破の意味とは…!?

■今年の為替相場を振り返ると… みなさん、こんにちは。

 今年(2017年)の相場を振り返ってみると、年初から対円、対ユーロでは、米ドルがほぼ一方的に下落した相場となります。

 まず、米ドル/円。

 1月3日(火)に118.60円を高値に反落しました。

 そして、前回のコラムでご紹介させていただいたように、3月からは狭いレンジでの往来相場に終始。

【参考記事】

●衝撃のバノン解任。ヒンデンブルグ・オーメン点灯で米株急落、ドル/円は108円下抜けも!?(8月24日、西原宏一)

米ドル/円 週足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)

■北朝鮮ミサイル発射でも、ドル/円は108円割れず反発 北朝鮮情勢は依然不透明。

 9月5日(火)から米国議会が再開。

 米国の債務上限問題などで、トランプ政権の政策遂行能力の有無が試されるような状況が多く、9月に向けてリスクオフの材料が満載です。

 結果、米ドル/円は重要な節目である108.00円を下回る可能性が高いと想定していました。

 それが今週(8月28日~)、マーケットの耐性を試す報道がマーケットに流れてリスクオフに。

 このところ、大きな動きがなかった北朝鮮がミサイルを発射し、日本上空を通過しました。

 マーケットは即座に反応し、米ドル/円は一時108.27円、ユーロ円は130円割れまで急落します。

ユーロ/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 1時間足)

 ただ、その局面では、生保を中心とした本邦機関投資家の米ドル買いが断続的にマーケットに大量に持ち込まれ、結果として米ドル/円は、108.00円を割り込めず反発。

米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)

 北朝鮮の報道は「ヘッドラインリスク」に近いため、個人的にはそのリスクオフ局面では、米ドル/円のショートを買い戻していましたが、戻りは限定的だと想定していました。

 ところが、本稿執筆時点では、110円台ミドルまで反発しています。

■9月から円安相場回帰の公算高まる? この報道には、2つの重要な意味があります。

 まず、リスクオフ局面での円高相場を待っている相場参加者が依然として多数いることを意味します。

 もう1つは、テクニカルな観点から。

 以下は、米ドル/円の日足チャートです。

米ドル/円 日足(出所:Bloomberg)

 米ドル/円は昨年(2016年)8月16日(火)に99.54円という安値に到達しています。

 正確には、6月のBrexit(英国のEU離脱)時の99.02円ですが、これは特殊要因での円高ですので、サイクル的にはカウントしません。

 その後、118円台まで高騰し、約1年でもう一度安値に到達して、反発しています。

 これは、1年サイクルでの安値到達というタイミングでもあり、サイクル的には9月から円安相場回帰の公算を高めます。

 米ドル/円での米ドル反発の可能性は…
円高終焉…。ドル/円は上昇トレンド回帰か。 ユーロ/円130円台半ば突破の意味とは…!? ブログ

円高終焉…。ドル/円は上昇トレンド回帰か。 ユーロ/円130円台半ば突破の意味とは…!?

■今年の為替相場を振り返ると… みなさん、こんにちは。

 今年(2017年)の相場を振り返ってみると、年初から対円、対ユーロでは、米ドルがほぼ一方的に下落した相場となります。

 まず、米ドル/円。

 1月3日(火)に118.60円を高値に反落しました。

 そして、前回のコラムでご紹介させていただいたように、3月からは狭いレンジでの往来相場に終始。

【参考記事】

●衝撃のバノン解任。ヒンデンブルグ・オーメン点灯で米株急落、ドル/円は108円下抜けも!?(8月24日、西原宏一)

米ドル/円 週足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)

■北朝鮮ミサイル発射でも、ドル/円は108円割れず反発 北朝鮮情勢は依然不透明。

 9月5日(火)から米国議会が再開。

 米国の債務上限問題などで、トランプ政権の政策遂行能力の有無が試されるような状況が多く、9月に向けてリスクオフの材料が満載です。

 結果、米ドル/円は重要な節目である108.00円を下回る可能性が高いと想定していました。

 それが今週(8月28日~)、マーケットの耐性を試す報道がマーケットに流れてリスクオフに。

 このところ、大きな動きがなかった北朝鮮がミサイルを発射し、日本上空を通過しました。

 マーケットは即座に反応し、米ドル/円は一時108.27円、ユーロ円は130円割れまで急落します。

ユーロ/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 1時間足)

 ただ、その局面では、生保を中心とした本邦機関投資家の米ドル買いが断続的にマーケットに大量に持ち込まれ、結果として米ドル/円は、108.00円を割り込めず反発。

米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)

 北朝鮮の報道は「ヘッドラインリスク」に近いため、個人的にはそのリスクオフ局面では、米ドル/円のショートを買い戻していましたが、戻りは限定的だと想定していました。

 ところが、本稿執筆時点では、110円台ミドルまで反発しています。

■9月から円安相場回帰の公算高まる? この報道には、2つの重要な意味があります。

 まず、リスクオフ局面での円高相場を待っている相場参加者が依然として多数いることを意味します。

 もう1つは、テクニカルな観点から。

 以下は、米ドル/円の日足チャートです。

米ドル/円 日足(出所:Bloomberg)

 米ドル/円は昨年(2016年)8月16日(火)に99.54円という安値に到達しています。

 正確には、6月のBrexit(英国のEU離脱)時の99.02円ですが、これは特殊要因での円高ですので、サイクル的にはカウントしません。

 その後、118円台まで高騰したあと、約1年でもう一度安値に到達して、反発しています。

 これは、1年サイクルでの安値到達というタイミングでもあり、サイクル的には9月から円安相場回帰の公算を高めます。

 米ドル/円での米ドル反発の可能性は…
衝撃のバノン解任。ヒンデンブルグ・オーメン 点灯で米株急落、ドル/円は108円下抜けも!? ブログ

衝撃のバノン解任。ヒンデンブルグ・オーメン 点灯で米株急落、ドル/円は108円下抜けも!?

■スティーブ・バノン主席戦略官解任の衝撃 みなさん、こんにちは。

 今週(8月21日~)は、ジャクソンホールでの経済シンポジウムを控えているため、それまで大きな動きはないだろうというのがコンセンサスでしたが、米国株が神経質な動きを繰り返しています。

 その要因のひとつが、先週末、8月18日(金)に飛び込んできたスティーブ・バノン主席戦略官の解任報道。

 彼は、生粋のエスタブリッシュメントの経歴でありながら、保守派のブライトバートニュースを運営し、トランプ大統領の選挙戦において重要な役割を果たしてきました。

写真は主席戦略官を解任されたスティーブ・バノン氏。バノン氏はトランプ大統領の選挙戦において重要な役割を果たしてきたのだが… (C)NurPhoto/Getty Images

 マーケットの一部では、バノン氏がいなければ、トランプ大統領は誕生しなかったと言っても過言ではないという意見も…。

 その彼が解任されます。

 マーケットの最初の反応は、米国株の上昇でした。

NYダウ 1時間足(出所:Bloomberg)

 バノン氏の存在がトランプ政権の不安定要素と考える参加者が多数いたためです。

 ただ、解任、辞任が続くトランプ政権ですが、バノン氏も解任されると、当初からトランプ大統領を支えているのはケリーアン・コンウェイ大統領顧問他、数名ということになり、トランプ政権の不透明感が増しています。

 まず、ジョン・マケイン議員らが反対に回り、オバマケア廃止案が否決。

 次の重要課題である「減税」というテーマをうまく乗り切れればいいのですが、これも難航するようだと、トランプ政権の政策遂行能力に疑問符がつきます。


重要課題である「減税」というテーマを乗り切れればいいが、難航するようだと、トランプ政権の政策遂行能力に疑問符がつく (C)Mark Wilson/Getty Images

 本来、トランプ政権が掲げる政策の効果を織り込みつつ、続伸を続けていた米国株ですが、トランプ政権の混迷を反映して上値が徐々に重くなってきています。

NYダウ 日足(出所:Bloomberg)

 上値が徐々に重くなった米国株ですが、5月、6月に続いて…
衝撃のバノン解任。ヒンデンブルグ・オーメン 点灯で米株急落、ドル/円は108円下抜けも!? ブログ

衝撃のバノン解任。ヒンデンブルグ・オーメン 点灯で米株急落、ドル/円は108円下抜けも!?

■スティーブ・バノン主席戦略官解任の衝撃 みなさん、こんにちは。

 今週(8月21日~)は、ジャクソンホールでの経済シンポジウムを控えているため、それまで大きな動きはないだろうというのがコンセンサスでしたが、米国株が神経質な動きを繰り返しています。

 その要因のひとつが、先週末、8月18日(金)に飛び込んできたスティーブ・バノン主席戦略官の解任報道。

 彼は、生粋のエスタブリッシュメントの経歴でありながら、保守派のブライトバートニュースを運営し、トランプ大統領の選挙戦において重要な役割を果たしてきました。

写真は主席戦略官を解任されたスティーブ・バノン氏。バノン氏はトランプ大統領の選挙戦において重要な役割を果たしてきたのだが… (C)NurPhoto/Getty Images

 マーケットの一部では、バノン氏がいなければ、トランプ大統領は誕生しなかったと言っても過言ではないという意見も…。

 その彼が解任されます。

 マーケットの最初の反応は、米国株の上昇でした。

NYダウ 1時間足(出所:Bloomberg)

 バノン氏の存在がトランプ政権の不安定要素と考える参加者が多数いたためです。

 ただ、解任、辞任が続くトランプ政権ですが、バノン氏も解任されると、当初からトランプ大統領を支えているのはケリーアン・コンウェイ大統領顧問他、数名ということになり、トランプ政権の不透明感が増しています。

 まず、ジョン・マケイン議員らが反対に回り、オバマケア廃止案が否決。

 次の重要課題である「減税」というテーマをうまく乗り切れればいいのですが、これも難航するようだと、トランプ政権の政策遂行能力に疑問符がつきます。


重要課題である「減税」というテーマを乗り切れればいいが、難航するようだと、トランプ政権の政策遂行能力に疑問符がつく (C)Mark Wilson/Getty Images

 本来、トランプ政権が掲げる政策の効果を織り込みつつ、続伸を続けていた米国株ですが、トランプ政権の混迷を反映して上値が徐々に重くなってきています。

NYダウ 日足(出所:Bloomberg)

 上値が徐々に重くなった米国株ですが、5月、6月に続いて…
ジャクソンホールを前にドラギECB総裁講演 への期待後退。ユーロ/円は調整局面入り ブログ

ジャクソンホールを前にドラギECB総裁講演 への期待後退。ユーロ/円は調整局面入り

■ユーロ/円はレジスタンス超えられず… みなさん、こんにちは。

 当コラムで注目してきたユーロ/円ですが、一時131.40円まで急伸するも、その後、値を伸ばせず130.00円±100pipsの高値圏での推移が続いています。

【参考記事】

●ドラギ総裁は、ややハト派会見でもユーロの上昇トレンド不変! ユーロ/円は135円へ(7月27日、西原宏一)

 過去2週間、当コラムでご紹介させていただいた、下記のユーロ/円のレジスタンスを終値ベースで超えられない状態が続いていることになります。

【参考記事】

●メルケル発言よりも本邦勢の欧州投資がユーロに追い風! 130円突破なら135円へ(5月25日、西原宏一)

(1)200週移動平均線の130.62円。

(2)149.78円からの50%戻しの129.68円

(3)141.06円からの61.8%戻しの129.03円

ユーロ/円 週足(出所:Bloomberg)

 そして、2016年6月24日(金)安値109.57円からのフィボナッチ・エクスパンションが129.38円。

ユーロ/円 週足(出所:Bloomberg)

 つまりラフにいうと、130.00円±100pipsが極めて重要なレジスタントと重なっており、今月(8月)何度もトライしたのですが、これまで、このレベルを終値ベースで超えられず…。

 このレジスタンスを超えられない状態で、時間だけが経過する中、日足ベースのTDシーケンシャルでは反落を示唆するカウントダウンが点灯。

(※編集部注:「TDシーケンシャル」とは、トーマス・R・デマーク氏が開発したテクニカル指標の1つ)

 結果、今年(2017年)2月に当コラムで注目していた、ユーロ/円の上昇ですが、131円台から上値を伸ばせず。

【参考記事】

●日米首脳会談成功で円高リスクが後退。 「暗黙のドイツマルク」のような存在とは?(2月16日、西原宏一)

■ユーロの調整色を濃くしたドルインデックスの動き そして、ユーロの調整色を濃くしてきたのが、ドルインデックスの動き。

 以下は、ドルインデックスの日足チャートです。

ドルインデックス 日足(出所:Bloomberg)

 過去半年、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げにも関わらず、トランプ政権の不安定さも反映し、下落を続けてきたドルインデックスですが、92.54をサポートとして反発。TDシーケンシャルも反騰を示唆しています。

 ドルインデックスが反発するということは、ユーロ/米ドルの反落を意味します。

ユーロ/米ドル 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)

 そして、ユーロ/米ドルはこれまで、ユーロ/円を筆頭とするユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)が押し上げてきたため、調整するということは、「ドルインデックスの反発=ユーロ/米ドルの反落=米ドル高・円高=ユーロ/円の調整」という流れになります。

【参考記事】

●ECB緩和解除の思惑でスイスフラン安。ユーロ/スイスフランは、1.20フラン回復へ(8月10日、西原宏一)

●今週はSQ絡みの「円高・株安」にご用心!ドル/円よりユーロ/円を買うべき理由とは?(8月7日、西原宏一&大橋ひろこ)

ユーロ/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)

 つまり、ドルインデックスが反発するときは、米ドル/円は下落することになります。

米ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)

 そのユーロ/米ドル、ユーロ/円を筆頭とするユーロクロスの調整色を濃くしたのが、8月16日(水)の欧米市場でマーケットに流れた報道でした。

 高値圏でもみあっていたユーロクロスですが…
ジャクソンホールを前にドラギECB総裁講演 への期待後退。ユーロ/円は調整局面入り ブログ

ジャクソンホールを前にドラギECB総裁講演 への期待後退。ユーロ/円は調整局面入り

■ユーロ/円はレジスタンス超えられず… みなさん、こんにちは。

 当コラムで注目してきたユーロ/円ですが、一時131.40円まで急伸するも、その後、値を伸ばせず130.00円±100pipsの高値圏での推移が続いています。

【参考記事】

●ドラギ総裁は、ややハト派会見でもユーロの上昇トレンド不変! ユーロ/円は135円へ(7月27日、西原宏一)

 過去2週間、当コラムでご紹介させていただいた、下記のユーロ/円のレジスタンスを終値ベースで超えられない状態が続いていることになります。

【参考記事】

●メルケル発言よりも本邦勢の欧州投資がユーロに追い風! 130円突破なら135円へ(5月25日、西原宏一)

(1)200週移動平均線の130.62円。

(2)149.78円からの50%戻しの129.68円

(3)141.06円からの61.8%戻しの129.03円

ユーロ/円 週足(出所:Bloomberg)

 そして、2016年6月24日(金)安値109.57円からのフィボナッチ・エクスパンションが129.38円。

ユーロ/円 週足(出所:Bloomberg)

 つまりラフにいうと、130.00円±100pipsが極めて重要なレジスタントと重なっており、今月(8月)何度もトライしたのですが、これまで、このレベルを終値ベースで超えられず…。

 このレジスタンスを超えられない状態で、時間だけが経過する中、日足ベースのTDシーケンシャルでは反落を示唆するカウントダウンが点灯。

(※編集部注:「TDシーケンシャル」とは、トーマス・R・デマーク氏が開発したテクニカル指標の1つ)

 結果、今年(2017年)2月に当コラムで注目していた、ユーロ/円の上昇ですが、131円台から上値を伸ばせず。

【参考記事】

●日米首脳会談成功で円高リスクが後退。 「暗黙のドイツマルク」のような存在とは?(2月16日、西原宏一)

■ユーロの調整色を濃くしたドルインデックスの動き そして、ユーロの調整色を濃くしてきたのが、ドルインデックスの動き。

 以下は、ドルインデックスの日足チャートです。

ドルインデックス 日足(出所:Bloomberg)

 過去半年、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げにも関わらず、トランプ政権の不安定さも反映し、下落を続けてきたドルインデックスですが、92.54をサポートとして反発。TDシーケンシャルも反騰を示唆しています。

 ドルインデックスが反発するということは、ユーロ/米ドルの反落を意味します。

ユーロ/米ドル 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)

 そして、ユーロ/米ドルはこれまで、ユーロ/円を筆頭とするユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)が押し上げてきたため、調整するということは、「ドルインデックスの反発=ユーロ/米ドルの反落=米ドル高・円高=ユーロ/円の調整」という流れになります。

【参考記事】

●ECB緩和解除の思惑でスイスフラン安。ユーロ/スイスフランは、1.20フラン回復へ(8月10日、西原宏一)

●今週はSQ絡みの「円高・株安」にご用心!ドル/円よりユーロ/円を買うべき理由とは?(8月7日、西原宏一&大橋ひろこ)

ユーロ/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)

 つまり、ドルインデックスが反発するときは、米ドル/円は下落することになります。

米ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)

 そのユーロ/米ドル、ユーロ/円を筆頭とするユーロクロスの調整色を濃くしたのが、8月16日(水)の欧米市場でマーケットに流れた報道でした。

 高値圏でもみあっていたユーロクロスですが…
ECB緩和解除の思惑でスイスフラン安。 ユーロ/スイスフランは、1.20フラン回復へ ブログ

ECB緩和解除の思惑でスイスフラン安。 ユーロ/スイスフランは、1.20フラン回復へ

 休暇を終えてマーケットに戻ってきました。

 また、よろしくお願いします。

■日本の連休とSQを控えて、懸念されたリスクオフが勃発 シントラショック以降、マーケットの主役はユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)。

 ユーロ/米ドルは一時1.1910ドル、ユーロ/円は131.40円、ユーロ/スイスフランは1.1538フランまで上昇しました。

【参考記事】

●ドラギ総裁はハト派でも買われたユーロ! 「シントラショック」以降、ユーロは新局面へ(7月24日、西原宏一&大橋ひろこ)

ユーロVS世界の通貨 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 日足)

 ただ、今週(8月7日~)は日本の3連休とSQ(※)を控えていました。

(※編集部注:「SQ」とは日経225先物などの株価指数先物や株価指数オプションといった取引の最終決済を行なうための価格のこと)

 8月7日(月)の「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」でもご紹介させていただきましたが、この「日本の3連休とSQ」というのは、米系短期筋の仕掛けが入りやすく、今週(8月7日~)は「株安・円高」、そしてマーケットの主役であったユーロクロスの調整も危惧されていました。

 昨年(2016年)2月のSQで米ドル/円が急落した相場について、当コラムでも紹介していますので、ご参考まで。

【参考記事】

●日銀マイナス金利導入が円高・株安誘引!? ドル/円急落の裏で何が起こっていたのか?(2016年2月18日、西原宏一)

 8月8日(火)までは夏枯れで静かなマーケットでしたが、SQ前日の9日(水)に懸念された調整相場がいきなりスタート。

 リスクオフマーケットのきっかけとなったのが北朝鮮情勢の悪化。

トランプ大統領は9日朝ツイッターで、「大統領としての私の最初の命令は米国の核兵器を革新し最新化することだった。いまではかつてないほど強力だ」とコメント。その上で「この力を決して使う必要がないことを望む。しかし、米国が世界で最も強力な国家でなくなる日は決して来ない」と続けた。

これに先立ち大統領は北朝鮮を巡る緊張についてのFOXニュースの報道を幾つかリツイート。「米空軍の戦闘機は『今夜にも戦える』ようにグアムから飛び立ち演習している」とコメントした。

出所:Bloomberg

 「日本の3連休とSQ」というタイミングに、北朝鮮情勢の悪化という材料を得た米系短期筋がリスクオフマーケットを演出。

 米ドル/円、豪ドル/円、そして日本株といったリスクオフに感応するプロダクツは軒並み急落。

米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)

豪ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 1時間足)

日経平均 日足(出所:Bloomberg)

 加えて、リスクオフという意味は本来、「リスクを抑える」という意味になるため、先週(7月31日~)までマーケットの主役であり、多くの参加者がリスクを傾けていたユーロクロスは軒並み下落しました。

 ユーロ/米ドル、ユーロ/円、ユーロ/スイスフランと、先週(7月31日~)まで上昇していたユーロ絡みの通貨ペアは一気に調整へ。

ユーロVS世界の通貨 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 1時間足)

 ただ、リスクオフマーケットになっても、調整が続かないと…
ECB緩和解除の思惑でスイスフラン安。 ユーロ/スイスフランは、1.20フラン回復へ ブログ

ECB緩和解除の思惑でスイスフラン安。 ユーロ/スイスフランは、1.20フラン回復へ

 休暇を終えてマーケットに戻ってきました。

 また、よろしくお願いします。

■日本の連休とSQを控えて、懸念されたリスクオフが勃発 シントラショック以降、マーケットの主役はユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)。

 ユーロ/米ドルは一時1.1910ドル、ユーロ/円は131.40円、ユーロ/スイスフランは1.1538フランまで上昇しました。

【参考記事】

●ドラギ総裁はハト派でも買われたユーロ! 「シントラショック」以降、ユーロは新局面へ(7月24日、西原宏一&大橋ひろこ)

ユーロVS世界の通貨 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 日足)

 ただ、今週(8月7日~)は日本の3連休とSQ(※)を控えていました。

(※編集部注:「SQ」とは日経225先物などの株価指数先物や株価指数オプションといった取引の最終決済を行なうための価格のこと)

 8月7日(月)の「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」でもご紹介させていただきましたが、この「日本の3連休とSQ」というのは、米系短期筋の仕掛けが入りやすく、今週(8月7日~)は「株安・円高」、そしてマーケットの主役であったユーロクロスの調整も危惧されていました。

 昨年(2016年)2月のSQで米ドル/円が急落した相場について、当コラムでも紹介していますので、ご参考まで。

【参考記事】

●日銀マイナス金利導入が円高・株安誘引!? ドル/円急落の裏で何が起こっていたのか?(2016年2月18日、西原宏一)

 8月8日(火)までは夏枯れで静かなマーケットでしたが、SQ前日の9日(水)に懸念された調整相場がいきなりスタート。

 リスクオフマーケットのきっかけとなったのが北朝鮮情勢の悪化。

トランプ大統領は9日朝ツイッターで、「大統領としての私の最初の命令は米国の核兵器を革新し最新化することだった。いまではかつてないほど強力だ」とコメント。その上で「この力を決して使う必要がないことを望む。しかし、米国が世界で最も強力な国家でなくなる日は決して来ない」と続けた。

これに先立ち大統領は北朝鮮を巡る緊張についてのFOXニュースの報道を幾つかリツイート。「米空軍の戦闘機は『今夜にも戦える』ようにグアムから飛び立ち演習している」とコメントした。

出所:Bloomberg

 「日本の3連休とSQ」というタイミングに、北朝鮮情勢の悪化という材料を得た米系短期筋がリスクオフマーケットを演出。

 米ドル/円、豪ドル/円、そして日本株といったリスクオフに感応するプロダクツは軒並み急落。

米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)

豪ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 1時間足)

日経平均 日足(出所:Bloomberg)

 加えて、リスクオフという意味は本来、「リスクを抑える」という意味になるため、先週(7月31日~)までマーケットの主役であり、多くの参加者がリスクを傾けていたユーロクロスは軒並み下落しました。

 ユーロ/米ドル、ユーロ/円、ユーロ/スイスフランと、先週(7月31日~)まで上昇していたユーロ絡みの通貨ペアは一気に調整へ。

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 ただ、リスクオフマーケットになっても、調整が続かないと…