今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

日本株上げ相場の終焉は、どう予測する? ギリシャ問題決着の市場への影響は軽微 ブログ

日本株上げ相場の終焉は、どう予測する? ギリシャ問題決着の市場への影響は軽微

■玉切れになるまで日本株の堅調は続くだろう 日本の株式市場は、非常に好調を維持しています。日経平均も、もうすっかり2万円台が定着してしまった感が出てきました。

日経平均 日足(出所:株マップ.com)

 やはり、一番の理由は、公的年金などの買いや日銀によるETF(上場投資信託)の買いが、依然として継続的に出てきていることが大きいです。

 こうした買いが玉切れになるまで、日本株の堅調は続くと考えています。そのとき、日経平均がどれぐらいまで上がっているか、そのメドはわかりませんが、市場で需給動向をよく見ていれば、上げ相場の終焉は予測できるのではないかと思っています。

【参考記事】

●驚きのGPIF資産残高構成。もう、玉切れで株高・円安の流れが変わる可能性も…(4月2日、今井雅人)

■黒田総裁発言で市場に警戒感が残ってしまった… 一方、為替市場でありますが、こちらはすっかりお休みモードに入ってしまっています。

 米ドル/円も123円台~124円台のレンジに入り込んでいます。

 その背景にあるのは、まず1点目は、この円安相場に水を差すことになった黒田日銀総裁の発言です。

【参考記事】

●本音ポロリ!? 黒田総裁発言の真意とは?一時的な影響で再びドル高・円安に戻るか(6月11日、今井雅人)

 いまだに、どういう意図で発言したのか、わかってはいませんが、これで市場に警戒感が残ってしまったのは事実。

 ちなみに、黒田総裁がその発言をしたときの米ドル/円の水準は、124.60円近辺だったので、どうやらそこで、心理的に上値が抑えられてしまっているようです。

米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)

■投機の円売り急増! 公的マネーも以前ほど積極性はない さらには、最近、投機の円売りが増えてしまっていたことも上値を重くしている要因だと思います。

 IMM(国際通貨先物市場)のポジション動向を見ると、ここ2~3週間で円売りが急増しました。先週は少し減ってはいますが、それでもまだ円売りポジションは溜まっています。

IMMのポジション動向(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)

 その一方で、公的マネーなどによる円売りが、以前ほどには積極的に出てきていないようです。

 現在でも、122円台などには買い注文があるようですが、今の水準で積極的に米ドルを買う動きはあまり見られていません。

 こんな状況が続いているために、相場がこう着状態に入っているのではないかと思います。当面はこんな相場につきあわなければならないのかなと感じています。

 一方のユーロ/米ドルですが…
米政策金利予想チャートに珍しい形出現!? 中期的に円安でも、しばらくはレンジ相場か ブログ

米政策金利予想チャートに珍しい形出現!? 中期的に円安でも、しばらくはレンジ相場か

■今後の利上げに関して、前回より後退した内容のFOMC 6月16日(火)~17日(水)に、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されましたが、今後の利上げに関して、前回より後退した内容となりました。

 少し、内容を見ていくことにします。

 まず、金融政策の判断材料となる経済見通しですが、2015年第4四半期は、前年同期比で1.8‐2.0%となっていて、前回予想の2.3‐2.7%から下方修正されています。

 失業率に関しては、2015年第4四半期で、5.2‐5.3%、2016年は、4.9‐5.1%としています。

 ちなみに前回は、それぞれ、5.0‐5.2%と4.9‐5.1%でしたから、こちらも少し下方修正していると言って良いと思います。

■思惑で買われていた米ドルの失望売りは大きかった その上で、金利の見通しについてでありますが、四半期ごとに発表されるFOMC参加者の予想中央値によると、2015年末のFF金利(※)は、0.625%で3月時と同水準。

(※編集部注:「FF金利」とは、フェデラルファンド金利のことで、FFレートとも呼ばれる。米国の政策金利)

 つまり、年内には最低でも2度、0.25%の利上げを実施することが示唆されているということです。

 これは前回と同じでしたが、2016年末に関しては、1.625%と前回の1.875%から下方修正されています。2017年末についても、3.125%から2.875%に引き下げられました。

 また、FOMCのメンバーは、全部で17名ですが、そのうち年内に利上げを開始するべきと考えている人が15名、2016年以降にすべきという人が2名ということも判明しています。

 こうした発表を受けて、米ドルは、当然のことながら下落しました。

米ドルVS世界の通貨 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足)

 FOMC結果発表直前までの期待感、つまり、「イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が、以前の講演で年内利上げを示唆していたこともあり、何か指針となることを言ってくれるだろう」との思惑が高まったことにより、米長期金利の急上昇とともに米ドルが買われていたこともあって、市場の失望売りは、大きかったと言えます。

 そして、2015年末のFF金利予想は…
本音ポロリ!? 黒田総裁発言の真意とは? 一時的な影響で再びドル高・円安に戻るか ブログ

本音ポロリ!? 黒田総裁発言の真意とは? 一時的な影響で再びドル高・円安に戻るか

■強い雇用統計で早期利上げ期待高まるも、調整入りへ 6月5日(金)、米国で発表された雇用統計5月分に関して、NFP(非農業部門就業者数変化)が前月比28万人の増加と、予想値を大きく上回ったことで、米国の利上げ時期が早まるのではないか? との観測が広がりました。

 その結果、米ドル全面高の展開となり、米ドル/円も、一時125.86円まで米ドル高・円安が進行しました。

 そして週明け(6月8日~)、一部マスコミが、フランスの当局者が、「オバマ米大統領が米ドル高は問題であると発言していたと話していた」と報じると、さすがに米ドル高のスピードが速かったこともあり、調整が入りました。

米ドルVS世界の通貨4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨4時間足)

■市場に衝撃! 6月10日の黒田日銀総裁発言 その後、6月10日(水)には、市場に衝撃が走りました。

 衆議院の財務金融委員会で、民主党の前原誠司委員からの質疑で、日銀の黒田総裁が、「ここからさらに実質実効為替レートが円安に振れていくことは普通に考えると、なかなかありそうにない」という発言をしました。

 これを受けて、一気に円高が進み、米ドル/円も122円台半ばまで急落する展開となりました。

米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)

■黒田日銀総裁の発言が極めて異例な理由 ここでひとつ、確認しておきたいのですが、もともと日本では為替政策は政府が所管することになっています。具体的に言えば、財務大臣です。

 そのため、たとえば、為替介入をするときも財務省が方針を決め、その執行を日銀に委託するという形で行われます。

 つまり、日銀には為替政策を決める決定権がないということです。

 ちなみに、米国も日本と同じ体系になっていますが、欧州やオセアニア諸国では、中央銀行が為替政策の決定権を持っており、制度に違いがあります。

 今、お話ししたように、日本では為替政策の決定は、財務大臣の権限であるので、「日銀は為替レートに関して発言しない」というのが一般的な慣習となっています。

 つまり、今回、黒田日銀総裁が為替レートに関して発言したのは極めて異例だということです。

為替レートについて、日銀総裁としては異例の踏み込んだ発言をした黒田総裁。果たして、その真意とは…? 写真は、2015年4月30日に行われた日銀金融政策決定会合後の記者会見時のもの(C)Kiyoshi Ota/Bloomberg via Getty Images

 さて、そこで黒田日銀総裁の…
95年の榊原ブルドーザー介入と似ている? ドル/円は史上最安値から60円の円安も! ブログ

95年の榊原ブルドーザー介入と似ている? ドル/円は史上最安値から60円の円安も!

■一時、125円台に達した米ドル/円! その後は… 前回のコラム執筆時から見ても、米ドル/円はさらに上昇(米ドル高・円安に)。

 一時的ではありましたが、とうとう125円台に達しています。

米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)

 その後は、達成感が出たことや、ユーロ/米ドルでユーロ高・米ドル安が進んだことの影響を受け、少し落ち着いています。

■米ドル/円上昇の背景は「米ドル高」よりも「円安」 今回の米ドル/円の上昇は、確かに、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が年内に利上げを示唆するような発言をしたことで、米ドルが買われ、米ドル/円も米ドル高・円安になった局面もありましたが、その後の動きを見ていると、どうも「米ドル高」ではなく「円安」という要因で動いています。

 それはユーロ/米ドルの動きを見ればよくわかります。ユーロ/米ドルでは、EU(欧州連合)諸国の景気が予想以上に良さそうだということなどから、むしろユーロ高・米ドル安が進んでいます。

ユーロ/米ドル 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)

 当コラムでよく例に挙げている、IMM(国際通貨先物市場)ポジションを見ても、かなりユーロ/米ドルのショートポジションが積み上がったままの状態だったので、その巻き返しが起きています。

IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)

 その結果として、ユーロ/円でユーロ高・円安が進み、6月に入ってとうとう140円の大台に乗ってきました。少し、局面が変わってきたなという印象です。

■米ドル/円の次の目標は、135.20円水準か さて、今度の相場ですが、30年ぐらいの長期のチャートを見てみると、2007年の高値124.14円を上抜けてきているので、そうなると次の目標は2002年の高値である135.20円という水準が視野に入ってきます。

【参考記事】

●買いが買いを呼び、ドル/円は125円目前! 相場上昇の裏に外国人投資家の存在あり(5月27日、今井雅人)

 もし、そんなことが起きれば、2011年につけた史上最安値の75.311円から始まっている上昇相場であるので、60円も円安が進むことになり、それはないだろうと思われる方がいるかもしれません。

米ドル/円 月足(出所:米国FXCM)

 しかし、かつてそのようなことが実際にありました。

 それは、1995年に79.75円の安値をつけてから、1998年に147.64円の高値をつけるまで、実に68円近く円安が進行した局面です。

 このときも、米ドル/円は1米ドル=50円ぐらいまで円高になってしまうのではないかという声が高まっていた時、当時、国際金融局長だった榊原英資さんが、ブルドーザー介入と言われた大量の米ドル買い介入をしながら、国内の機関投資家の海外への投資規制を緩和して、どんどん海外に投資するように仕向けるとともに、海外のヘッジファンド、国家ファンドなども巻き込んで円安相場への大転換をさせました。

当時、国際金融局長だった「ミスター円」こと、榊原英資氏。財務官その後、財務官などを歴任

(C)Haruyoshi Yamaguchi/Bloomberg via Getty Images

 今回はどうでしょう…
買いが買いを呼び、ドル/円は125円目前! 相場上昇の裏に外国人投資家の存在あり ブログ

買いが買いを呼び、ドル/円は125円目前! 相場上昇の裏に外国人投資家の存在あり

■予想以上のスピードで米ドル/円はレンジを上抜け! 変化は突然やってくるものです。そういう実感を持った1週間でした。

 私は、米ドル/円の先行きに関して、「当面はレンジ相場が続いて、その後、米ドル高に向かっていく」というイメージを持っていました。

【参考記事】

●ECB理事が一部ヘッジファンドを優遇!?今回のユーロ急落の裏にあった真相とは?(5月21日、今井雅人)

 しかし、予想以上のスピードで米ドル/円は、レンジを上に抜けてしまいました。何が起きたのでしょうか?

 これまでの動きを見ていると、日本の公的年金だけではなく、機関投資家なども120円台に買い注文を入れていました。その一部は成立したのですが、結果的には、そういう買い注文が支えとなって、反転していったようです。

米ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)

 思ったより、買いたい人が多くいたということになります。

■米ドル/円上昇の裏に外国人投資家の存在も… それに加えて、外国人の動きも見受けられました。

 日経平均が上昇していく中で、外国人投資家も積極的に日本株に投資をしてきているのは周知の事実ですが、外国人の中には、円を借りて日本株を買っている人もいます。

日経平均 日足(出所:株マップ.com)

 そういう形であれば、為替レートの影響を受けないので、株が上昇したことによるキャピタルゲインを丸々受け取れることになります。

 一方で、自国の通貨を円に換えて日本株を買っている外国人投資家もいました。こういう人は、円安になると為替で損をしてしまい、せっかく株で儲けても為替の損でかなり利益を失ってしまうということが起きていました。

 こういう人たちも、これ以上の為替での損を防ぐためにヘッジ取引をしてきています。つまり、米ドル/円を買っているということです。

 こうした動きが、相場をジリジリ上げていきました。

■米ドル/円は、「買いが買いを呼ぶ」状況に! そんな中、先週末5月22日(金)の講演で米国のイエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が、「年内に利上げを始めるのが適切」との発言をしたことによって、「2015年は利上げがないのではないか」という一部の意見が否定され、これも米ドルを買う材料となりました。

 このような状況の中で、米ドル/円はさらに上値を試す動きとなったのですが、5月26日(火)に、年初来高値として重要な目先のメドとなっていた3月10日(火)の122.04円を上抜けてしまうと、一気に「買いが買いを呼ぶ」状況になってしまいました。

米ドル/円 週足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)

 また、同時に1990年4月17日の高値160.27円と1998年8月11日の高値147.64円を結んだかなり長期のレジスタンスラインが位置していた122円台半ばの水準も一気に上抜ける動きになると、本日5月28日(木)には、これもまた長期チャートでの戻りメドとなっていた2007年6月22日の高値124.14円までも突破。

 一時、124.30円まで米ドル高・円安が進むという展開になっています。

米ドル/円 月足(出所:米国FXCM)

 さて、ここからの展開が問題となって…
ECB理事が一部ヘッジファンドを優遇!? 今回のユーロ急落の裏にあった真相とは? ブログ

ECB理事が一部ヘッジファンドを優遇!? 今回のユーロ急落の裏にあった真相とは?

■クーレECB理事の発言でユーロ/米ドルが急落! 今週(5月18日~)は、ポジション調整がまだまだ終わっていないユーロ/米ドルが5月19日(火)の欧州時間に急落。市場参加者をあわてさせることになりました。

 事の発端は、クーレECB(欧州中央銀行)理事の発言。

 「ECBは、夏の閑散なマーケットになる前に、現在の量的緩和(QE)のペースを加速させる」とのヘッドラインは、ユーロ/米ドルを200ポイント以上急落させることになりました。

 アジア時間のユーロ/米ドルの高値が1.1326ドル。翌5月20日(水)には、一時1.1062ドルまで売り込まれる事態となっています。

ユーロ/米ドル 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 1時間足)

■ごく限られたパーティ参加者がユーロを売り込んだ!? ところで、この発言。

 実は、前日の5月18日(月)に英バークレイホテルで行われたディナーパーティーでのものでした。

 今や為替市場の方向性を作るとまで言われている英大手ヘッジファンドのブレバン・ハワードが主催したものでしたが、招待されたのは大手ファンドマネージャーなど、いわゆる「ごく限られた面々」。

 その場で発言されたクーレECB理事の「QE加速宣言」は、何と12時間以上経った翌日の朝9時に、ECBから公式に公表されたわけです。

 ブレバン・ハワードをはじめとする「ごく限られた」市場参加者がユーロ/米ドルを売り込んだのは言うまでもなく、一部からは、「発言が公になった後も、畳み掛けるように大量のユーロ/米ドルを売り浴びせた」との声も聞かれています。

 ECBからは、発言の公表が遅れた理由として「内部処理上のエラー」とのアナウンスが出てはいるものの、言葉通りに受け止める向きが少ないのは言うまでもないでしょう。

公式発表が出るかなり前に、一部の大手ファンドマネージャーなどに対してだけ「QE加速宣言」をしていたクーレECB理事。何の目的があって、そのようなことをしたのだろうか? (C)Bloomberg

■ポジションの整理が一巡しない限り、再び上値を試す動きに この一件で、ECB関係者による市場とのコミュニケーション手段の整合性を問われることになってはいますが、市場が大きく動いてしまったことも紛れもない事実。

 こういった不測のリスクとも常に面合わせしていることを認識しておきたいものです。

 ただ、冷静になって考えてみると、クーレECB理事の発言の意図は、「QEそのものを拡大する」ことではなく、あくまでも、夏休みの間のオペレーション的な問題として買取額を減額せざるを得ない中で、その分を5月、6月に前倒しするということに他ならず、結局は同じことになると考えるのが妥当でしょう。

 ユーロ/米ドルは、一時的な急落となりましたが、私としては、まだまだポジションの整理が一巡しない限りは、再び上値を試す動きとなるのではないかと考えています。

【参考記事】

●株価の「5月急落説」が考えにくいワケは?ユーロ/ドルはなぜ、まだ上昇余地がある?(5月14日、今井雅人)

ユーロ/米ドル 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)

 目先は乱高下となってはいるものの、市場に与えたプチショックが終われば、再び底堅くなってくるでしょう。

 一方、米ドル/円ですが…
株価の「5月急落説」が考えにくいワケは? ユーロ/ドルはなぜ、まだ上昇余地がある? ブログ

株価の「5月急落説」が考えにくいワケは? ユーロ/ドルはなぜ、まだ上昇余地がある?

■ユーロ/米ドルはもう少し上昇余地があると考えたい 前回のコラムの中で、米ドル/円は、ポジションがあまり溜まっていないので、下落リスク(米ドル安・円高)はそれほどないが、ユーロ/米ドルはポジションが、まだかなりショートなので、もう少し上昇(ユーロ高・米ドル安)するかもしれないという予想をしました。

【参考記事】

●日経平均2万円達成で官製相場も終盤に!? 調整済みのドル/円よりユーロ/ドルに注意(5月7日、今井雅人)

 直近の動きを見てみると、大体そのような動きになっていると思います。

米ドル/円 日足 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)

ユーロ/米ドル 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)

 直近のIMM(国際通貨先物市場)のポジションの様子を見ても、あまりショートポジションが減っていません。

IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)

 であれば、もう少し上昇の余地はあると考えておいた方が良いのではないかと考えています。

■GPIFなどが米ドル/円の利益確定売りを飲み込んだか そこで、1つ疑問があります。

 IMMの米ドル/円ポジションを見ると、2015年に入って米ドル買い・円売りポジションが、段階的に減ってきていたにもかかわらず、相場は崩れませんでした。

IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)

米ドル/円 週足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)

 つまり、投機筋が、米ドル/円の買いポジションを減らすために米ドル/円を売っても、米ドル/円は下がらなかったということになります。

 それは、どうしてでしょうか?

 おそらく、米ドル/円が120円を達成したことで、投機筋の中に高値警戒感が出てきて、1回利益を確定しようという動きが出たのでしょうが、その間も、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のような公的資金から断続的に米ドル買い・円売りが出てきたので、利益確定の米ドル売りを飲み込んでしまったのだと思います。

■ユーロ/米ドルはショートカバーの影響で上昇 一方、ユーロ/米ドルは、売り材料が満載だったため、投機筋は全力で売りを仕掛けてきたのですが、どうも分が悪くなってきました。

 そのため、ユーロ/米ドルの買い戻しを少しずつ出しているのですが、米ドル/円であったような実需の米ドル買いが出てこないため、相場もショートカバーの影響で上がってしまうという状態になっています。

ユーロ/米ドル 週足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)

 おそらく、市場では、このようなことが起きてきたのではないかと私は考えています。

 そう考えれば、ユーロ/米ドルは、まだ上昇する余地があるという見方もできるということではないでしょうか。

 さて、金融市場全体に目を…
日経平均2万円達成で官製相場も終盤に!? 調整済みのドル/円よりユーロ/ドルに注意 ブログ

日経平均2万円達成で官製相場も終盤に!? 調整済みのドル/円よりユーロ/ドルに注意

■米国の早期利上げ期待低下で米ドル高に変化 GW(ゴールデンウィーク)も終わり、日本も、また本格的な活動が始まります。日本がお休みであった1週間の間に、世界の金融市場ではこれまでのトレンドを調整する動きが出てきています。

 まず、その1つの要因となっているのは、前回のコラムでもご紹介したとおり、米国の利上げが先に伸びる可能性が高まったことで、利上げを前提とした米ドル高という期待感が低下してきたことがあると思います。

【参考記事】

●大義名分なき追加緩和を見送った日銀!米FOMC利上げは6月ではなく9月頃か(4月30日、今井雅人)

米ドルVS世界の通貨 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)

■まずは、米雇用統計に注目したい! 最近の米国の経済指標は、まだら模様で、そのことが早期利上げ期待を低下させています。ですから、今後も、これからの米国の経済指標をよく見ておく必要があるでしょう。

 目先の注目は、明日5月8日(金)に発表される米国の雇用統計4月分。非農業部門雇用者数変化が前月比23万人増加、失業率5.4%となると予想されています。

 この動向をよく見ておきたいと思います。

米雇用統計(失業率&非農業部門雇用者数変化の推移)(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)

■イエレン発言で米国株下落&長期金利上昇 一方で、それとは少し違った観点ですが、FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長が興味深いことを発言しています。

 昨日、5月6日(水)の講演での発言ですが、「現時点で株式市場のバリュエーションが、総じてかなり高くなっていることに留意してほしい」と警告を発したほか、「債券の安全資産のリターンに比べれば、株式のリターンはさほど高くない。債券のリターンも非常に低い。しかし、ここに危険性が潜んでいる可能性がある」との懸念を表明。

 また、「債券利回りは、FOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げが始まったところで、急激に上昇する可能性がある」ことにも言及しました。

 つまり今の米国の株価は高過ぎるし、長期金利は低過ぎるという警告をしたワケです。

 この発言を受けて、米国の長期金利が急上昇、株価も軟調に推移しています。

米国10年債利回り(長期金利) 1時間足(出所:CQG)

米国株(US30) 4時間足(出所:米国FXCM)

 利上げの時期が先送りになったのに、こういう動きになるのは、一見逆の動きのように見えますが、それだけ、市場が一方向に歪み過ぎているので、実際に利上げが始まる前に調整しておきたいというイエレンFRB議長の意思表示に反応しているということだと思います。

 また、ドイツを始め、欧州の長期金利も…
大義名分なき追加緩和を見送った日銀! 米FOMC利上げは6月ではなく9月頃か ブログ

大義名分なき追加緩和を見送った日銀! 米FOMC利上げは6月ではなく9月頃か

■かなり下方修正された米FOMC 米国では、4月28日(火)~29日(水)にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されました。

 今回は、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の定例記者会見などが予定されていなかったこともあり、声明文のみの判断となりましたが、経済の現状認識が、「冬季の経済成長は鈍化した」などと、かなりの下方修正となりました。

 その理由として、「一過性の要因を一部反映している」と断ってはいますが、29日(水)に発表された1-3月期米GDP速報値が、年率換算0.2%と市場予想の1.0%を大幅に下回る弱い数字となったことからしても、そう簡単に回復の軌道に乗るとも思えず、どうしても時間がかかってしまうことは否めません。

■6月FOMCでの利上げ可能性への言及はなし 今回の声明文では、フォワードガイダンスを「委員会はさらに労働市場の改善が見られ、インフレが中期的に目標の2%に向かうとの合理的な確信が持てた時、金利引き上げが適切であると予想している」と、前回と同じ文言としましたが、同時にカレンダー的な言及を削除しています。

 前回は、「4月FOMCでの利上げの可能性は低い」と、次回FOMCでの利上げ可能性に言及。今回も、6月FOMCでの利上げ可能性への言及に注目が集まっていたのですが、あえて言及しないという判断となりました。

 前回の議事要旨からも明らかなように、数名のタカ派メンバーからは、6月FOMCでの利上げの議論がなされていたわけですが、今回もそういった意見なども尊重した形となりました。

【参考記事】

●FOMC議事録公表で6月利上げ説に暗雲。猫の目みたいなユーロも最終的には下落(2月19日、今井雅人)

●「辛抱強く(patient)」削除は予想どおり!ならばなぜFOMC後にドルは売られたか?(3月19日、今井雅人)

 雇用統計も、6月会合までに4月、5月と2回の数字を見極める必要があり、現状では決断することができなかったのかもしれません。

米雇用統計(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)

■米利上げ開始の想定時期は2015年9月か!? ただ、前回のコラムでもお伝えしているとおり、たとえ今回の声明文から「6月FOMCでの利上げの可能性が排除されなかった」としても、それは、かなり可能性が低いことだと思っています。

【参考記事】

●ギリシャの苦しい台所事情に危機感増大。国債が売られ、長期金利は約14%へ上昇!(4月23日、今井雅人)

 今後の想定としては、2015年9月頃に利上げがあるという認識となってくるのではないでしょうか。

■日銀黒田総裁は、大義名分がない追加緩和を見送った また、4月30日(木)には、日銀が金融政策決定会合を開催。金融政策の維持を決定しました。

 海外勢中心に直前まで「追加緩和期待」の憶測が台頭していましたが、やはり大方の予想どおり、追加緩和は見送られました。

 一部からは「10兆円の資産買入れ増額」などが取り沙汰されてはいたものの、これも前回のコラムからお伝えしているように、最近の黒田日銀総裁の発言からは、追加緩和の兆しは感じられませんでした。

【参考記事】

●ギリシャの苦しい台所事情に危機感増大。国債が売られ、長期金利は約14%へ上昇!(4月23日、今井雅人)

●4月日銀追加緩和説は、なぜ盛り上がる?しかし、その可能性は低いとみる理由は?(4月16日、今井雅人)

 一貫して「足元のインフレ率は低いままだが、インフレ基調自体は着実に上昇してきている」との認識を崩していません。

 黒田日銀総裁自身に、追加緩和に対する大義名分がない以上、選択肢にはなかったような気がしています。

 ところで、為替市場ですが…
ギリシャの苦しい台所事情に危機感増大。 国債が売られ、長期金利は約14%へ上昇! ブログ

ギリシャの苦しい台所事情に危機感増大。 国債が売られ、長期金利は約14%へ上昇!

■2万円突破した日経平均! 一方で方向感出ない為替市場 日経平均は、とうとう2万円を突破して好調さを維持しています。

日経平均株価 日足(出所:株マップ.com)

 市場関係者に聞いてみると、ここのところ外国人の買いが目立つようです。

 その一方で、為替市場は、方向感が出てきていません。米ドル/円、ユーロ/米ドルなどの米ドル相場ですが、相変わらず、もみ合いが続いています。

米ドルVS世界の通貨 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)

■米6月利上げ開始の可能性は低い。今後の想定は9月頃か 米国の利上げが、今度いつになるのか、まだはっきりしないということが方向感を出せない原因ではないかと思います。

 依然として、2015年6月利上げに期待を持っている人もいるようでありますが、それはかなり可能性が低いと思っています。今後の想定としては、9月頃に利上げがあるか、という点になってくるのではないでしょうか。

 米ドル/円に関しては、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の買いも、一時期よりは少なくなってきたようで、いよいよ玉切れの段階に入るかもしれないな、という観測も出てきています。

【参考記事】

●驚きのGPIF資産残高構成。もう、玉切れで株高・円安の流れが変わる可能性も…(4月2日、今井雅人)

■4月30日、日銀追加緩和の可能性が低い理由は? そんな中、4月30日(木)に注目の日銀金融政策決定会合が開催されます。

 その場で、追加緩和策が決定されるかどうかに注目が集まっていますが、日銀が追加緩和を実施する可能性は低いと、引き続き、私は考えています。

【参考記事】

●かなり弱い数字が出た雇用統計だったのにさほど悪くないと解釈されている理由とは?(4月9日、今井雅人)

●4月日銀追加緩和説は、なぜ盛り上がる?しかし、その可能性は低いとみる理由は?(4月16日、今井雅人)

 同時に発表される展望レポートでは、2015年の物価見通しは、おそらく下方修正されることになると思いますが、そうであれば、2014年10月のように、合わせて追加緩和があるのではないかという期待が広がることは理解できます。

 しかし、最近の黒田総裁の発言は、一貫しています。

 「労働市場が逼迫してきていて、賃金も上昇傾向になってきている。これがあとで影響して、物価はいずれ上がってくる」という見解です。そうであれば、今回追加緩和をする正当性がないということになります。

 いずれにしても、4月30日(木)には、はっきりするので、結果を待ちたいと思います。

■米ドル/円が下がるようなら、しっかり買いを入れておきたい IMM(国際通貨先物市場)のポジションを見ると、米ドル/円の買いポジションは、かなり減ってきているので、下振れリスクもそれほど大きくはならないでしょう。

IMM(国債通貨先物市場)のポジション状況(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)

 米ドル/円が下がるようであれば、しっかり買いを入れておきたいところです。

米ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)

 ところで、今回は…