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フランスがユーロ圏・EU離脱(Frexit)!? <i style=”font-style:normal;font-size: 97%;”>ユーロ/ドルが1000pips下落するとの予想も</i>
■米ドル/円は122円台での攻防に注目 みなさん、こんにちは。
米ドル/円は6月5日(金)の米雇用統計の好結果を受け、125.86円まで急騰。その後、6月10日(水)の黒田総裁の円安けん制コメントをきっかけに、一転、122.48円まで急落しました。
【参考記事】
●ドル/円は一時、122円台半ばへ急反落! ドル高をけん制した米当局の目的とは?(6月11日、西原宏一)
過去2年間の米ドル/円は、突然、ボラティリティが上昇し、短期間で急騰した後、急速にもみ合いに入る傾向があります。
米ドル/円 週足(出所:米国FXCM)
今回も、118円で底入れした米ドル/円は、わずか3週間で7円もの急騰を演じた後、122~125円のもみ合い相場となっています。
米ドル/円 日足(出所:米国FXCM)
日経平均が続伸していることから、現状、米ドル/円も122円台での底堅さを維持。でも、仮に122.00円を割り込むと、時間ではなく、値幅での調整幅が深くなります。
米ドル/円は、122円台での攻防に注目です。
■ギリシャ政府の選択肢はあまり多くない ギリシャ政府が6月22日(月)に提出した改革案が前向きであったことをマーケットは好感し、独DAXを筆頭に、グローバルに株が反発。
ただ、リスクオンとなっても、通貨であるユーロは買い進まれるどころか反落しています。
ユーロ/米ドル 1時間足(出所:米国FXCM)
これは、ギリシャ問題に対するマーケットのコンセンサスが背景にあります。
ギリシャのチプラス首相がいろいろと発言していますが、ギリシャ政府の選択肢はあまり多くありません。
結局は、ギリシャ側が譲歩して、最終的に事態が収束に向かう可能性が高いというのがマーケット参加者のコンセンサスとなりつつあります。
【参考記事】
●ギリシャ破綻か、今週が本当のヤマ場!支援合意でユーロ下落のシナリオも…(西原宏一&松崎美子)
そのため、リスクオフを想定したユーロショートのポジションがじわじわと縮小しています。
IMMユーロポジション(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
上の画像でもわかるように、ユーロショートは大幅に縮小しています。
しかし、結果として、マーケットの思惑に反して、仮にデフォルトや、「Grexit」(ギリシャのユーロ離脱)のような、強い負荷がマーケットにかかると、多くの参加者はヘッジとしてのユーロを再びショートにせざるを得ない環境に陥ってきてしまうのです。
■マーケットで話題の「Frexit」とは? ギリシャは、まだデフォルト懸念が色濃く残っていますが、本日(6月25日)のマーケットで話題となったのが「Frexit」(フランスのユーロ圏とEU離脱)というワード。
「マダムFrexit」の世界観-フランスもギリシャ後に離脱
2017年のフランス大統領選挙の有力候補であるマリーヌ・ルペン氏は、ギリシャのユーロ圏離脱(Grexit)は不可避だと考えている。そして、自分が決めてよいものならフランスもあまり後れを取ることなく、ギリシャに続くと言う。
極右の国民戦線(FN)を率いる同氏はパリ近郊にある同党本部で23日インタビューに応じ、ギリシャについて「数カ月の猶予を得たが、問題は戻ってくるだろう」とした上で、「今日私たちはGrexitについて話しているが、明日はBrexit(英国の欧州連合=EU離脱)、そしてあさってはFrexitだ」とフランスのユーロ圏離脱に言及した。
出所:Bloomberg
このルペン氏の意見は極端であり、そもそも彼女の当選の可能性は低いのですが、「Grexit」はまだしも、「Frexit」なる言葉も飛び出し、マーケットはさらに神経質な展開に。
加えて、可能性としての話ですが、ギリシャがデフォルトしたとすると…
米ドル/円は6月5日(金)の米雇用統計の好結果を受け、125.86円まで急騰。その後、6月10日(水)の黒田総裁の円安けん制コメントをきっかけに、一転、122.48円まで急落しました。
【参考記事】
●ドル/円は一時、122円台半ばへ急反落! ドル高をけん制した米当局の目的とは?(6月11日、西原宏一)
過去2年間の米ドル/円は、突然、ボラティリティが上昇し、短期間で急騰した後、急速にもみ合いに入る傾向があります。
米ドル/円 週足(出所:米国FXCM)
今回も、118円で底入れした米ドル/円は、わずか3週間で7円もの急騰を演じた後、122~125円のもみ合い相場となっています。
米ドル/円 日足(出所:米国FXCM)
日経平均が続伸していることから、現状、米ドル/円も122円台での底堅さを維持。でも、仮に122.00円を割り込むと、時間ではなく、値幅での調整幅が深くなります。
米ドル/円は、122円台での攻防に注目です。
■ギリシャ政府の選択肢はあまり多くない ギリシャ政府が6月22日(月)に提出した改革案が前向きであったことをマーケットは好感し、独DAXを筆頭に、グローバルに株が反発。
ただ、リスクオンとなっても、通貨であるユーロは買い進まれるどころか反落しています。
ユーロ/米ドル 1時間足(出所:米国FXCM)
これは、ギリシャ問題に対するマーケットのコンセンサスが背景にあります。
ギリシャのチプラス首相がいろいろと発言していますが、ギリシャ政府の選択肢はあまり多くありません。
結局は、ギリシャ側が譲歩して、最終的に事態が収束に向かう可能性が高いというのがマーケット参加者のコンセンサスとなりつつあります。
【参考記事】
●ギリシャ破綻か、今週が本当のヤマ場!支援合意でユーロ下落のシナリオも…(西原宏一&松崎美子)
そのため、リスクオフを想定したユーロショートのポジションがじわじわと縮小しています。
IMMユーロポジション(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
上の画像でもわかるように、ユーロショートは大幅に縮小しています。
しかし、結果として、マーケットの思惑に反して、仮にデフォルトや、「Grexit」(ギリシャのユーロ離脱)のような、強い負荷がマーケットにかかると、多くの参加者はヘッジとしてのユーロを再びショートにせざるを得ない環境に陥ってきてしまうのです。
■マーケットで話題の「Frexit」とは? ギリシャは、まだデフォルト懸念が色濃く残っていますが、本日(6月25日)のマーケットで話題となったのが「Frexit」(フランスのユーロ圏とEU離脱)というワード。
「マダムFrexit」の世界観-フランスもギリシャ後に離脱
2017年のフランス大統領選挙の有力候補であるマリーヌ・ルペン氏は、ギリシャのユーロ圏離脱(Grexit)は不可避だと考えている。そして、自分が決めてよいものならフランスもあまり後れを取ることなく、ギリシャに続くと言う。
極右の国民戦線(FN)を率いる同氏はパリ近郊にある同党本部で23日インタビューに応じ、ギリシャについて「数カ月の猶予を得たが、問題は戻ってくるだろう」とした上で、「今日私たちはGrexitについて話しているが、明日はBrexit(英国の欧州連合=EU離脱)、そしてあさってはFrexitだ」とフランスのユーロ圏離脱に言及した。
出所:Bloomberg
このルペン氏の意見は極端であり、そもそも彼女の当選の可能性は低いのですが、「Grexit」はまだしも、「Frexit」なる言葉も飛び出し、マーケットはさらに神経質な展開に。
加えて、可能性としての話ですが、ギリシャがデフォルトしたとすると…
日本株上げ相場の終焉は、どう予測する? ギリシャ問題決着の市場への影響は軽微
■玉切れになるまで日本株の堅調は続くだろう 日本の株式市場は、非常に好調を維持しています。日経平均も、もうすっかり2万円台が定着してしまった感が出てきました。
日経平均 日足(出所:株マップ.com)
やはり、一番の理由は、公的年金などの買いや日銀によるETF(上場投資信託)の買いが、依然として継続的に出てきていることが大きいです。
こうした買いが玉切れになるまで、日本株の堅調は続くと考えています。そのとき、日経平均がどれぐらいまで上がっているか、そのメドはわかりませんが、市場で需給動向をよく見ていれば、上げ相場の終焉は予測できるのではないかと思っています。
【参考記事】
●驚きのGPIF資産残高構成。もう、玉切れで株高・円安の流れが変わる可能性も…(4月2日、今井雅人)
■黒田総裁発言で市場に警戒感が残ってしまった… 一方、為替市場でありますが、こちらはすっかりお休みモードに入ってしまっています。
米ドル/円も123円台~124円台のレンジに入り込んでいます。
その背景にあるのは、まず1点目は、この円安相場に水を差すことになった黒田日銀総裁の発言です。
【参考記事】
●本音ポロリ!? 黒田総裁発言の真意とは?一時的な影響で再びドル高・円安に戻るか(6月11日、今井雅人)
いまだに、どういう意図で発言したのか、わかってはいませんが、これで市場に警戒感が残ってしまったのは事実。
ちなみに、黒田総裁がその発言をしたときの米ドル/円の水準は、124.60円近辺だったので、どうやらそこで、心理的に上値が抑えられてしまっているようです。
米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
■投機の円売り急増! 公的マネーも以前ほど積極性はない さらには、最近、投機の円売りが増えてしまっていたことも上値を重くしている要因だと思います。
IMM(国際通貨先物市場)のポジション動向を見ると、ここ2~3週間で円売りが急増しました。先週は少し減ってはいますが、それでもまだ円売りポジションは溜まっています。
IMMのポジション動向(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
その一方で、公的マネーなどによる円売りが、以前ほどには積極的に出てきていないようです。
現在でも、122円台などには買い注文があるようですが、今の水準で積極的に米ドルを買う動きはあまり見られていません。
こんな状況が続いているために、相場がこう着状態に入っているのではないかと思います。当面はこんな相場につきあわなければならないのかなと感じています。
一方のユーロ/米ドルですが…
日経平均 日足(出所:株マップ.com)
やはり、一番の理由は、公的年金などの買いや日銀によるETF(上場投資信託)の買いが、依然として継続的に出てきていることが大きいです。
こうした買いが玉切れになるまで、日本株の堅調は続くと考えています。そのとき、日経平均がどれぐらいまで上がっているか、そのメドはわかりませんが、市場で需給動向をよく見ていれば、上げ相場の終焉は予測できるのではないかと思っています。
【参考記事】
●驚きのGPIF資産残高構成。もう、玉切れで株高・円安の流れが変わる可能性も…(4月2日、今井雅人)
■黒田総裁発言で市場に警戒感が残ってしまった… 一方、為替市場でありますが、こちらはすっかりお休みモードに入ってしまっています。
米ドル/円も123円台~124円台のレンジに入り込んでいます。
その背景にあるのは、まず1点目は、この円安相場に水を差すことになった黒田日銀総裁の発言です。
【参考記事】
●本音ポロリ!? 黒田総裁発言の真意とは?一時的な影響で再びドル高・円安に戻るか(6月11日、今井雅人)
いまだに、どういう意図で発言したのか、わかってはいませんが、これで市場に警戒感が残ってしまったのは事実。
ちなみに、黒田総裁がその発言をしたときの米ドル/円の水準は、124.60円近辺だったので、どうやらそこで、心理的に上値が抑えられてしまっているようです。
米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
■投機の円売り急増! 公的マネーも以前ほど積極性はない さらには、最近、投機の円売りが増えてしまっていたことも上値を重くしている要因だと思います。
IMM(国際通貨先物市場)のポジション動向を見ると、ここ2~3週間で円売りが急増しました。先週は少し減ってはいますが、それでもまだ円売りポジションは溜まっています。
IMMのポジション動向(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
その一方で、公的マネーなどによる円売りが、以前ほどには積極的に出てきていないようです。
現在でも、122円台などには買い注文があるようですが、今の水準で積極的に米ドルを買う動きはあまり見られていません。
こんな状況が続いているために、相場がこう着状態に入っているのではないかと思います。当面はこんな相場につきあわなければならないのかなと感じています。
一方のユーロ/米ドルですが…
1.2ドルを上抜けなければユーロ/米ドルは 下落トレンド継続! 目先の正攻法は?
■ユーロ/米ドルは月足で高値圏での乱高下だったが… 今回は、ユーロ/米ドルの分析を行なう。まずは月足チャートをご覧いただきたい。
ユーロ/米ドル 月足1(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
月足チャートで見ると、ユーロ/米ドルは、0.8500ドル近辺(安値は、0.8200ドル近辺)から、1.6000ドル近辺まで大きく上昇している。
1.6000ドルの高値をつけて以降は、安値1.2000ドル程度-高値1.6000ドル程度のゾーンで大きく上下動を繰り返した。
この「安値1.2000ドル程度-高値1.6000ドル程度のゾーンでの大きな上下動」は、個人的には、「高値圏での乱高下」だと、判断している。
いつもではないのだが(必ずではないのだが)、一般的に、「高値圏での乱高下」は、「売りのシグナル」である。
つまり、この大きな上下動は、いずれネック・ライン(下限)を下に割り込むことを示唆しているのだろう、と推測していた。
このネック・ライン(下限)は、1.2000ドル近辺のことで、ネック・ライン(下限)を割り込む場合は、その後で、大きく下落する、と考える。
上述のように考えていたところ、1.2000ドルを割り込んだ。
重要な節目(=チャート・ポイント)である1.2000ドルを割り込んだことで、「売りシグナル」を発した、と考える。
サポート・ライン「緑の破線」は、その傾きを緩やかにして、2013年7月の安値1.27ドル台ミドルに合わせている。
月足チャートを見てのとおりに、ユーロ/米ドルは、このサポート・ライン「緑の破線」を割り込んでいる。
ユーロ/米ドル 月足1(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
このサポート・ライン「緑の破線」を割り込んだ時点で、まず「売りシグナル」を発した、と考える。
月足チャートに長期のサポート・ライン「赤の破線」を表示した。
見てのとおり、ユーロ/米ドルはこの長期のサポート・ライン「赤の破線」を割り込み、その時点でさらなる「売りシグナル」を発した、と考える。
高値1.4000ドル近辺からの下落に合わせて、レジスタンス・ライン「緑の破線」を加筆した。
中長期のチャート(この月足チャート)で判断するならば、「赤の破線」を割り込んで発せられたこの「売りシグナル」のターゲットは、「紫の破線」で表示した1.18ドル台の水平線と考える。
そして、月足チャートを見てのとおりに、上述のターゲット(1.18ドル台ミドル)は達成した、と考える。
■月足のウェッジを下抜けし、さらなる売りシグナル点灯 チャートに、長期のレジスタンス・ライン「紫の破線」を表示した。2008年以降のユーロ/米ドルが、下落トレンド(下落傾向)にあることを示している、と考える。
ユーロ/米ドル 月足1(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
また、1.18ドル台に「紫の破線」で水平線を表示した。
これらの2本の「紫の破線」に注目すると、ユーロ/米ドルは、「三角保ち合い(ウェッジ)」を形成した、と考える。
2015年年初の値動きで、重要なチャート・ポイント1.2000ドルを割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
そして、1.18ドル台の水平線「紫の破線」を、割り込み、「三角保ち合い(ウェッジ)」を下に抜けて、さらなる「売りシグナル」を発した、と考える。
■下落のターゲットは1.0000ドル近辺か 続いて、もう1つ別の月足チャートをご覧いただきたい。このチャートには、長期のレジスタンス・ライン「紫の破線」の平行線を表示した。
ユーロ/米ドル 月足2(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
そして、長期のレジスタンス・ライン「紫の破線」とその平行線「紫の破線」の値幅を示すために、「緑の破線(両端矢印)」を表示した。
この月足チャートを俯瞰すると、中長期のサポート・ライン「赤の破線」を割り込んで「売りシグナル」を発し、1.18ドル台の水平線「紫の破線」を割り込んでさらに「売りシグナル」を発した、と考える。これらの「売りシグナル」のターゲットは、パリティ(1.0000ドル)近辺と考えることができる。
■「ヘッド&ショルダー」のターゲットも1.0000ドル 続いて、3つ目の月足チャートをご覧いただきたい。
ユーロ/米ドルの中長期のチャートの形状から、「ヘッド&ショルダー(※)」の可能性を考えていた。
(※編集部注:「ヘッド&ショルダー」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされてい る。典型的なものは3つの山がある形で、これを人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼び、仏像が3体並んでいるように見えるため「三尊」と呼 ぶこともある)
ユーロ/米ドル 月足3(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
当初は、3つの山で「ヘッド&ショルダー」を想定したのだが、3つの山では「ヘッド&ショルダー」を完成せずに、1.20ドル台から1.4000ドル近辺まで上昇した。
しかし、1.4000ドル近辺から反転下落し、4つ目の山を作った、と考ええる。
そして、1.2000ドル近辺(正確には、1.18ドル台ミドル)のネック・ラインを下に抜けて、4つの山の「ヘッド&ショルダー」を完成した、と考える。
ネック・ライン(1.18ドル台ミドルの水平線)「紫の破線」を割り込んだ時点で、「ヘッド&ショルダー」を完成させて、「売りシグナル」を発した、と考える。
この「ヘッド&ショルダー」のターゲットは、すでに述べたとおりに、パリティ(1.0000ドル)近辺、と考える。
続いて、週足チャートをご覧いただき…
ユーロ/米ドル 月足1(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
月足チャートで見ると、ユーロ/米ドルは、0.8500ドル近辺(安値は、0.8200ドル近辺)から、1.6000ドル近辺まで大きく上昇している。
1.6000ドルの高値をつけて以降は、安値1.2000ドル程度-高値1.6000ドル程度のゾーンで大きく上下動を繰り返した。
この「安値1.2000ドル程度-高値1.6000ドル程度のゾーンでの大きな上下動」は、個人的には、「高値圏での乱高下」だと、判断している。
いつもではないのだが(必ずではないのだが)、一般的に、「高値圏での乱高下」は、「売りのシグナル」である。
つまり、この大きな上下動は、いずれネック・ライン(下限)を下に割り込むことを示唆しているのだろう、と推測していた。
このネック・ライン(下限)は、1.2000ドル近辺のことで、ネック・ライン(下限)を割り込む場合は、その後で、大きく下落する、と考える。
上述のように考えていたところ、1.2000ドルを割り込んだ。
重要な節目(=チャート・ポイント)である1.2000ドルを割り込んだことで、「売りシグナル」を発した、と考える。
サポート・ライン「緑の破線」は、その傾きを緩やかにして、2013年7月の安値1.27ドル台ミドルに合わせている。
月足チャートを見てのとおりに、ユーロ/米ドルは、このサポート・ライン「緑の破線」を割り込んでいる。
ユーロ/米ドル 月足1(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
このサポート・ライン「緑の破線」を割り込んだ時点で、まず「売りシグナル」を発した、と考える。
月足チャートに長期のサポート・ライン「赤の破線」を表示した。
見てのとおり、ユーロ/米ドルはこの長期のサポート・ライン「赤の破線」を割り込み、その時点でさらなる「売りシグナル」を発した、と考える。
高値1.4000ドル近辺からの下落に合わせて、レジスタンス・ライン「緑の破線」を加筆した。
中長期のチャート(この月足チャート)で判断するならば、「赤の破線」を割り込んで発せられたこの「売りシグナル」のターゲットは、「紫の破線」で表示した1.18ドル台の水平線と考える。
そして、月足チャートを見てのとおりに、上述のターゲット(1.18ドル台ミドル)は達成した、と考える。
■月足のウェッジを下抜けし、さらなる売りシグナル点灯 チャートに、長期のレジスタンス・ライン「紫の破線」を表示した。2008年以降のユーロ/米ドルが、下落トレンド(下落傾向)にあることを示している、と考える。
ユーロ/米ドル 月足1(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
また、1.18ドル台に「紫の破線」で水平線を表示した。
これらの2本の「紫の破線」に注目すると、ユーロ/米ドルは、「三角保ち合い(ウェッジ)」を形成した、と考える。
2015年年初の値動きで、重要なチャート・ポイント1.2000ドルを割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
そして、1.18ドル台の水平線「紫の破線」を、割り込み、「三角保ち合い(ウェッジ)」を下に抜けて、さらなる「売りシグナル」を発した、と考える。
■下落のターゲットは1.0000ドル近辺か 続いて、もう1つ別の月足チャートをご覧いただきたい。このチャートには、長期のレジスタンス・ライン「紫の破線」の平行線を表示した。
ユーロ/米ドル 月足2(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
そして、長期のレジスタンス・ライン「紫の破線」とその平行線「紫の破線」の値幅を示すために、「緑の破線(両端矢印)」を表示した。
この月足チャートを俯瞰すると、中長期のサポート・ライン「赤の破線」を割り込んで「売りシグナル」を発し、1.18ドル台の水平線「紫の破線」を割り込んでさらに「売りシグナル」を発した、と考える。これらの「売りシグナル」のターゲットは、パリティ(1.0000ドル)近辺と考えることができる。
■「ヘッド&ショルダー」のターゲットも1.0000ドル 続いて、3つ目の月足チャートをご覧いただきたい。
ユーロ/米ドルの中長期のチャートの形状から、「ヘッド&ショルダー(※)」の可能性を考えていた。
(※編集部注:「ヘッド&ショルダー」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされてい る。典型的なものは3つの山がある形で、これを人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼び、仏像が3体並んでいるように見えるため「三尊」と呼 ぶこともある)
ユーロ/米ドル 月足3(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
当初は、3つの山で「ヘッド&ショルダー」を想定したのだが、3つの山では「ヘッド&ショルダー」を完成せずに、1.20ドル台から1.4000ドル近辺まで上昇した。
しかし、1.4000ドル近辺から反転下落し、4つ目の山を作った、と考ええる。
そして、1.2000ドル近辺(正確には、1.18ドル台ミドル)のネック・ラインを下に抜けて、4つの山の「ヘッド&ショルダー」を完成した、と考える。
ネック・ライン(1.18ドル台ミドルの水平線)「紫の破線」を割り込んだ時点で、「ヘッド&ショルダー」を完成させて、「売りシグナル」を発した、と考える。
この「ヘッド&ショルダー」のターゲットは、すでに述べたとおりに、パリティ(1.0000ドル)近辺、と考える。
続いて、週足チャートをご覧いただき…
黒田ショックでミセス・ワタナベ往復ビンタ! 身軽になった米ドル/円は再び高値トライか
■米ドル続落もドルインデックスのスピード調整はもう終焉か 米ドル全体が続落している。今回(2015年6月18日)のFOMC(米連邦公開市場委員会)は、市場コンセンサスよりハト派とされ、米ドルロング筋の手仕舞いを一段と促した格好だ。
米ドル VS 世界の通貨(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
マーケットでは早くも9月利上げに懐疑的な見方が浮上、ウォール街に君臨する某投資銀行は、2015年内利上げなしといった過激な見通しを示したほどだ。
ところで、FRB(米連邦準備制度理事会)理事らの投票に変化はあったものの、投票結果自体は2015年内2回の利上げを示唆している。
米利上げ時期の不透明感は増加したが、米利上げ自体は規定路線で早晩行われるものであれば、目先の米ドル全体の軟調は、なおスピード調整の領域に留まるだろう。FRBの慎重姿勢が米ドルを買わない根拠になっても、米ドル売りの根拠にはならない。
したがって、米ドル全体の反落は、なおポジション調整の段階にあり、また、いつものように、調整があったほうがこれからのトレンドがより健全化するから、ドルインデックスを見る限りでは、5月安値に接近しているドルインデックスのスピード調整もそろそろ終焉を迎えるだろう。
ドルインデックス 日足(出所:米国FXCM)
■英ポンド/円の高値更新が円安トレンドの継続を示唆 米ドル軟調のなか、英ポンドの強さが目立ってきた。
英国インフレ指標の改善やBOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])のタカ派スタンスが英ポンドを支え、対米ドルでは5月高値を更新、対円では2008年9月以来の高値を再更新した。
特に英ポンド/円は、事実上、2011年安値を起点とした大型ブル(上昇)トレンドの延長を果たし、ほかの主要クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)と異なる構造が一段と浮き彫りになった。
英ポンド/円 月足(出所:米国FXCM)
英ポンド/円の構造については、5月29日(金)の本コラムで説明しており、また先週(6月10日)の「黒田ショック」により上昇トレンドがかえって加速したことを、昨日(6月18日)、筆者のブログにて解釈したので、ここでは重複して説明しないが、英ポンド/円の高値更新自体、円安トレンドの継続を示唆していることは強調しておきたい。
【参考記事】
●上放れ後の逆張りは無謀。ドル/円で踏み上げられて、血祭りとなったミセスワタナベ(2015年5月29日、陳満咲杜)
もちろん、クロス円としての英ポンド/円の急伸は、今月(6月)から円安の側面よりも英ポンド高の側面が強かったことは事実である。しかし、クロス円であるゆえに、米ドル/円がベア(下落)トレンドへ転換すれば高値更新が続くわけがないから、英ポンド/円の上昇ぶりは、円安トレンド自体の維持に依存していると言える。
したがって、メインの米ドル/円が今月に入ってから、たび重なる打撃を受けたものの、上昇波自体が否定されたといった判断は性急だと思う。
■黒田ショックの安値を割り込んでいない米ドル/円は… 実際、米ドル/円は2014年12月高値から形成されてきた大型「上昇トライアングル」型保ち合いを5月末に上放れしたばかりで、保ち合いのスパンに比例した上昇幅をもう達成したとは言いにくい。
その上、現執筆時点で、米ドル/円は6月10日(水)のいわゆる「黒田ショック」日の安値を割り込んでいないから、現時点で円安トレンドの終焉を認定するのは、何と言っても性急すぎるであろう。
米ドル/円 日足(出所:米国FXCM)
黒田総裁発言の真意はいまいちつかみにくいところだが、話がちょっとつたなかったと総裁自身も気づいたか、自らも釈明していた。しかし、マーケットは単に失言と受け取らず、米ドル全般の軟調と相俟って米ドルロングポジションの削減に動いている。米ドル/円がいっそう「身軽」になっていることは確かだ。
ちなみに、くりっく365の統計を見る限り…
米ドル VS 世界の通貨(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
マーケットでは早くも9月利上げに懐疑的な見方が浮上、ウォール街に君臨する某投資銀行は、2015年内利上げなしといった過激な見通しを示したほどだ。
ところで、FRB(米連邦準備制度理事会)理事らの投票に変化はあったものの、投票結果自体は2015年内2回の利上げを示唆している。
米利上げ時期の不透明感は増加したが、米利上げ自体は規定路線で早晩行われるものであれば、目先の米ドル全体の軟調は、なおスピード調整の領域に留まるだろう。FRBの慎重姿勢が米ドルを買わない根拠になっても、米ドル売りの根拠にはならない。
したがって、米ドル全体の反落は、なおポジション調整の段階にあり、また、いつものように、調整があったほうがこれからのトレンドがより健全化するから、ドルインデックスを見る限りでは、5月安値に接近しているドルインデックスのスピード調整もそろそろ終焉を迎えるだろう。
ドルインデックス 日足(出所:米国FXCM)
■英ポンド/円の高値更新が円安トレンドの継続を示唆 米ドル軟調のなか、英ポンドの強さが目立ってきた。
英国インフレ指標の改善やBOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])のタカ派スタンスが英ポンドを支え、対米ドルでは5月高値を更新、対円では2008年9月以来の高値を再更新した。
特に英ポンド/円は、事実上、2011年安値を起点とした大型ブル(上昇)トレンドの延長を果たし、ほかの主要クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)と異なる構造が一段と浮き彫りになった。
英ポンド/円 月足(出所:米国FXCM)
英ポンド/円の構造については、5月29日(金)の本コラムで説明しており、また先週(6月10日)の「黒田ショック」により上昇トレンドがかえって加速したことを、昨日(6月18日)、筆者のブログにて解釈したので、ここでは重複して説明しないが、英ポンド/円の高値更新自体、円安トレンドの継続を示唆していることは強調しておきたい。
【参考記事】
●上放れ後の逆張りは無謀。ドル/円で踏み上げられて、血祭りとなったミセスワタナベ(2015年5月29日、陳満咲杜)
もちろん、クロス円としての英ポンド/円の急伸は、今月(6月)から円安の側面よりも英ポンド高の側面が強かったことは事実である。しかし、クロス円であるゆえに、米ドル/円がベア(下落)トレンドへ転換すれば高値更新が続くわけがないから、英ポンド/円の上昇ぶりは、円安トレンド自体の維持に依存していると言える。
したがって、メインの米ドル/円が今月に入ってから、たび重なる打撃を受けたものの、上昇波自体が否定されたといった判断は性急だと思う。
■黒田ショックの安値を割り込んでいない米ドル/円は… 実際、米ドル/円は2014年12月高値から形成されてきた大型「上昇トライアングル」型保ち合いを5月末に上放れしたばかりで、保ち合いのスパンに比例した上昇幅をもう達成したとは言いにくい。
その上、現執筆時点で、米ドル/円は6月10日(水)のいわゆる「黒田ショック」日の安値を割り込んでいないから、現時点で円安トレンドの終焉を認定するのは、何と言っても性急すぎるであろう。
米ドル/円 日足(出所:米国FXCM)
黒田総裁発言の真意はいまいちつかみにくいところだが、話がちょっとつたなかったと総裁自身も気づいたか、自らも釈明していた。しかし、マーケットは単に失言と受け取らず、米ドル全般の軟調と相俟って米ドルロングポジションの削減に動いている。米ドル/円がいっそう「身軽」になっていることは確かだ。
ちなみに、くりっく365の統計を見る限り…
米政策金利予想チャートに珍しい形出現!? 中期的に円安でも、しばらくはレンジ相場か
■今後の利上げに関して、前回より後退した内容のFOMC 6月16日(火)~17日(水)に、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されましたが、今後の利上げに関して、前回より後退した内容となりました。
少し、内容を見ていくことにします。
まず、金融政策の判断材料となる経済見通しですが、2015年第4四半期は、前年同期比で1.8‐2.0%となっていて、前回予想の2.3‐2.7%から下方修正されています。
失業率に関しては、2015年第4四半期で、5.2‐5.3%、2016年は、4.9‐5.1%としています。
ちなみに前回は、それぞれ、5.0‐5.2%と4.9‐5.1%でしたから、こちらも少し下方修正していると言って良いと思います。
■思惑で買われていた米ドルの失望売りは大きかった その上で、金利の見通しについてでありますが、四半期ごとに発表されるFOMC参加者の予想中央値によると、2015年末のFF金利(※)は、0.625%で3月時と同水準。
(※編集部注:「FF金利」とは、フェデラルファンド金利のことで、FFレートとも呼ばれる。米国の政策金利)
つまり、年内には最低でも2度、0.25%の利上げを実施することが示唆されているということです。
これは前回と同じでしたが、2016年末に関しては、1.625%と前回の1.875%から下方修正されています。2017年末についても、3.125%から2.875%に引き下げられました。
また、FOMCのメンバーは、全部で17名ですが、そのうち年内に利上げを開始するべきと考えている人が15名、2016年以降にすべきという人が2名ということも判明しています。
こうした発表を受けて、米ドルは、当然のことながら下落しました。
米ドルVS世界の通貨 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足)
FOMC結果発表直前までの期待感、つまり、「イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が、以前の講演で年内利上げを示唆していたこともあり、何か指針となることを言ってくれるだろう」との思惑が高まったことにより、米長期金利の急上昇とともに米ドルが買われていたこともあって、市場の失望売りは、大きかったと言えます。
そして、2015年末のFF金利予想は…
少し、内容を見ていくことにします。
まず、金融政策の判断材料となる経済見通しですが、2015年第4四半期は、前年同期比で1.8‐2.0%となっていて、前回予想の2.3‐2.7%から下方修正されています。
失業率に関しては、2015年第4四半期で、5.2‐5.3%、2016年は、4.9‐5.1%としています。
ちなみに前回は、それぞれ、5.0‐5.2%と4.9‐5.1%でしたから、こちらも少し下方修正していると言って良いと思います。
■思惑で買われていた米ドルの失望売りは大きかった その上で、金利の見通しについてでありますが、四半期ごとに発表されるFOMC参加者の予想中央値によると、2015年末のFF金利(※)は、0.625%で3月時と同水準。
(※編集部注:「FF金利」とは、フェデラルファンド金利のことで、FFレートとも呼ばれる。米国の政策金利)
つまり、年内には最低でも2度、0.25%の利上げを実施することが示唆されているということです。
これは前回と同じでしたが、2016年末に関しては、1.625%と前回の1.875%から下方修正されています。2017年末についても、3.125%から2.875%に引き下げられました。
また、FOMCのメンバーは、全部で17名ですが、そのうち年内に利上げを開始するべきと考えている人が15名、2016年以降にすべきという人が2名ということも判明しています。
こうした発表を受けて、米ドルは、当然のことながら下落しました。
米ドルVS世界の通貨 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足)
FOMC結果発表直前までの期待感、つまり、「イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が、以前の講演で年内利上げを示唆していたこともあり、何か指針となることを言ってくれるだろう」との思惑が高まったことにより、米長期金利の急上昇とともに米ドルが買われていたこともあって、市場の失望売りは、大きかったと言えます。
そして、2015年末のFF金利予想は…
ハト派的な米FOMCで米ドル/円急反落! NZドル/円が80円割れ濃厚な理由とは?
■FOMCの結果公表後、米ドル/円は急反落 みなさん、こんにちは。
今週(6月15日~)は、重要イベントが目白押しで、マーケットは神経質な動きに。
それは、6月16日(火)~17日(水)に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)、18日(木)のユーロ圏財務相会合、そして、19日(金)の黒田日銀総裁の記者会見と続きます。
本日(18日)未明、まずFOMCの結果が公表され、米ドル/円は急反落しました。
米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
■米ドル/円は122円台で下げ渋るも、125円台は重い FOMCの結果公表前は、タカ派的な内容を期待する市場参加者が多く、マーケットでは米ドルが買い進まれて、米ドル/円は124円台を回復しました。
しかし、マーケットの思惑とは裏腹に、FOMCの結果はハト派的なトーンに。
結果、一時、124.45円まで上昇していた米ドル/円は、何事もなかったかのように、123.50円まで反落。
そして、本日(18日)の東京市場では、CTA(コモディティ・トレーディング・アドバイザー)が日本株を売っていることもあり、日経平均は2万円の大台割れとなりました。
日経平均 日足(出所:株マップ.com)
連れて、米ドル/円は123円を割り込む展開。
米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
米ドル/円の122円台は、米ドルを買い遅れている本邦年金が断続的に米ドル買いを持ち込んでいることもあり、下げ渋っています。
一方、先週のコラムでご紹介したオバマ大統領の米ドル高けん制コメント、そして黒田日銀総裁の円安けん制コメントが米ドル/円の上値を抑えており、125円台でキャップされている展開。
【参考記事】
●ドル/円は一時、122円台半ばへ急反落!ドル高をけん制した米当局の目的とは?(6月11日、西原宏一)
繰り返しになりますが、仮に122円台前半の長期トレンドラインが崩れると、米ドル高トレンドの調整幅が深くなり、米ドル/円は120~125円のレンジでの米ドル高調整相場へ。
米ドル/円 月足(出所:米国FXCM)
クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)に目を向けると…
今週(6月15日~)は、重要イベントが目白押しで、マーケットは神経質な動きに。
それは、6月16日(火)~17日(水)に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)、18日(木)のユーロ圏財務相会合、そして、19日(金)の黒田日銀総裁の記者会見と続きます。
本日(18日)未明、まずFOMCの結果が公表され、米ドル/円は急反落しました。
米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
■米ドル/円は122円台で下げ渋るも、125円台は重い FOMCの結果公表前は、タカ派的な内容を期待する市場参加者が多く、マーケットでは米ドルが買い進まれて、米ドル/円は124円台を回復しました。
しかし、マーケットの思惑とは裏腹に、FOMCの結果はハト派的なトーンに。
結果、一時、124.45円まで上昇していた米ドル/円は、何事もなかったかのように、123.50円まで反落。
そして、本日(18日)の東京市場では、CTA(コモディティ・トレーディング・アドバイザー)が日本株を売っていることもあり、日経平均は2万円の大台割れとなりました。
日経平均 日足(出所:株マップ.com)
連れて、米ドル/円は123円を割り込む展開。
米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
米ドル/円の122円台は、米ドルを買い遅れている本邦年金が断続的に米ドル買いを持ち込んでいることもあり、下げ渋っています。
一方、先週のコラムでご紹介したオバマ大統領の米ドル高けん制コメント、そして黒田日銀総裁の円安けん制コメントが米ドル/円の上値を抑えており、125円台でキャップされている展開。
【参考記事】
●ドル/円は一時、122円台半ばへ急反落!ドル高をけん制した米当局の目的とは?(6月11日、西原宏一)
繰り返しになりますが、仮に122円台前半の長期トレンドラインが崩れると、米ドル高トレンドの調整幅が深くなり、米ドル/円は120~125円のレンジでの米ドル高調整相場へ。
米ドル/円 月足(出所:米国FXCM)
クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)に目を向けると…
豪ドル/円は目先反発中だが大局で下落は 変わらず、97円台前半程度で売る作戦で!
■豪ドル/円は月足でボックス相場を形成中 今回は豪ドル/円の分析を行なう。まずは、月足チャートをご覧いただきたい。
月足チャートを見ると、右端のサポート・ライン「緑の破線」に沿った上昇が続いた結果、「紫の破線」で示した「下値72円-上値90円のボックス相場」を上に抜けて、「買いシグナル」を点灯させて上昇したことがわかる。
豪ドル/円 月足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
この「買いシグナル」で、豪ドル/円は、105円台の高値をつけているが、105円台から86円台にまで大きく急落している。
86円台からは、再び大きく反発(上昇)して、今のところ、102円台後半の高値をつけている。
俯瞰すると、豪ドル/円は、「赤の破線」で示したボックス相場を形成中と考える。
現在の豪ドル/円は、このボックス相場「赤の破線」に注目するべき、と考えている。
直近の値動きで、右端のサポート・ライン「緑の破線」を割り込んだようにも見えた。
しかし、明確に割り込む場合は「売りシグナル」だが、現時点では微妙で、「売りシグナル」とは判断できない状況だ。相場が、このまま反転上昇する場合は、右端のサポート・ライン「緑の破線」の傾きを緩やかにして、修正することになるからだ。
この月足チャートでは、右端のサポート・ライン「緑の破線」の傾きを少し緩やかにして、修正している。
■最近の動きは2007年、2008年ごろの値動きに似ている 参考に、2007年、2008年ころの値動きに「ピンクの破線」でボックス相場を表示した。
豪ドル/円 月足(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
この頃は、ボックス相場「ピンクの破線」の内側で、サポート・ライン「緑の破線」を下に抜けて、「売りシグナル」を何回か発したのだが、その都度、反発(上昇)している。
そして、最終的には、ボックス相場「ピンクの破線」を下に抜けて、「売りシグナル」を発した。
最近の値動きが、この頃に似ている、と感じている。つまり、時間が経過すると、現在のボックス相場「赤の破線」を割り込むことで明確な「売りシグナル」を発することになるのではないか、と考えている。
■フラッグを形成し、ターゲットを達成したとも考えられる 続いて、別のラインなどを書き込んだ下の月足チャートをご覧いただきたい。
豪ドル/円 月足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
月足チャートに、「ピンクの破線」で補助線を描くと、豪ドル/円は、大きな「フラッグ」を形成したことが読み取れる。
「フラッグ」と考えると、豪ドル/円の上昇は105円台をつけた時点で、すでにターゲットを達成した、と考える。
繰り返しになるが、現在の豪ドル/円は、この月足チャートにも示したボックス相場「赤の破線」を形成中で、このボックス相場「赤の破線」に注目するべき、と考えている。
■週足では2009年半ばから2012年までボックス相場 続いて、週足チャートをご覧いただきたい。豪ドル/円は2009年半ばから2012年までの期間、「緑の破線」で示した「下値72円-上値90円の18円幅のボックス相場」を作った。
豪ドル/円 週足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
2013年の初めに、このボックス相場を上に抜けたことで「買いシグナル」を発して、上昇を始めた。
ボックス相場のセオリーに従うならば、ボックス相場上抜けの場合は、上限からボックス相場の値幅分上昇したところがターゲットになる。
このケースでは、上限が90.00円、ボックス相場の値幅が18円だから、ターゲットは、108円になる。
しかし、すでにターゲットを達成した可能性があることに留意する必要がある。
この時点での高値は、105円台半ば(105.40-50円)程度だ。
ターゲットは108円程度なので、まだ2円ほど余地がある、と考える人もいることだろう。
しかし、チャート分析でのターゲットは、そのような厳密なものではなく、「だいたいこのくらい」といった「いいかげんなもの、大まかなもの」だ。
豪ドル/円は105円台の高値から下落に転じ、「紫の破線」で示したボックス相場を形成していた、と考える。
豪ドル/円 週足(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
そして、ボックス相場「紫の破線」の上限を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
月足チャートに表示したボックス相場「赤の破線」を、週足チャートにも、同じように、「赤の破線」で表示した。
何度も繰り返しになるが、現在は、「赤の破線」で示した大きなボックス相場を形成中であり、このボックス相場「赤の破線」に注目するべき、と考えている。
直近の値動きで、サポート・ライン「青の破線」を割り込んだようにも見えた。しかしその時点では微妙で、「売りシグナル」とは判断できない、と考える。それで、サポート・ライン「青の破線」の傾きを、少し緩やかにして、修正した。
次に、日足チャートをご覧いただき…
月足チャートを見ると、右端のサポート・ライン「緑の破線」に沿った上昇が続いた結果、「紫の破線」で示した「下値72円-上値90円のボックス相場」を上に抜けて、「買いシグナル」を点灯させて上昇したことがわかる。
豪ドル/円 月足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
この「買いシグナル」で、豪ドル/円は、105円台の高値をつけているが、105円台から86円台にまで大きく急落している。
86円台からは、再び大きく反発(上昇)して、今のところ、102円台後半の高値をつけている。
俯瞰すると、豪ドル/円は、「赤の破線」で示したボックス相場を形成中と考える。
現在の豪ドル/円は、このボックス相場「赤の破線」に注目するべき、と考えている。
直近の値動きで、右端のサポート・ライン「緑の破線」を割り込んだようにも見えた。
しかし、明確に割り込む場合は「売りシグナル」だが、現時点では微妙で、「売りシグナル」とは判断できない状況だ。相場が、このまま反転上昇する場合は、右端のサポート・ライン「緑の破線」の傾きを緩やかにして、修正することになるからだ。
この月足チャートでは、右端のサポート・ライン「緑の破線」の傾きを少し緩やかにして、修正している。
■最近の動きは2007年、2008年ごろの値動きに似ている 参考に、2007年、2008年ころの値動きに「ピンクの破線」でボックス相場を表示した。
豪ドル/円 月足(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
この頃は、ボックス相場「ピンクの破線」の内側で、サポート・ライン「緑の破線」を下に抜けて、「売りシグナル」を何回か発したのだが、その都度、反発(上昇)している。
そして、最終的には、ボックス相場「ピンクの破線」を下に抜けて、「売りシグナル」を発した。
最近の値動きが、この頃に似ている、と感じている。つまり、時間が経過すると、現在のボックス相場「赤の破線」を割り込むことで明確な「売りシグナル」を発することになるのではないか、と考えている。
■フラッグを形成し、ターゲットを達成したとも考えられる 続いて、別のラインなどを書き込んだ下の月足チャートをご覧いただきたい。
豪ドル/円 月足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
月足チャートに、「ピンクの破線」で補助線を描くと、豪ドル/円は、大きな「フラッグ」を形成したことが読み取れる。
「フラッグ」と考えると、豪ドル/円の上昇は105円台をつけた時点で、すでにターゲットを達成した、と考える。
繰り返しになるが、現在の豪ドル/円は、この月足チャートにも示したボックス相場「赤の破線」を形成中で、このボックス相場「赤の破線」に注目するべき、と考えている。
■週足では2009年半ばから2012年までボックス相場 続いて、週足チャートをご覧いただきたい。豪ドル/円は2009年半ばから2012年までの期間、「緑の破線」で示した「下値72円-上値90円の18円幅のボックス相場」を作った。
豪ドル/円 週足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
2013年の初めに、このボックス相場を上に抜けたことで「買いシグナル」を発して、上昇を始めた。
ボックス相場のセオリーに従うならば、ボックス相場上抜けの場合は、上限からボックス相場の値幅分上昇したところがターゲットになる。
このケースでは、上限が90.00円、ボックス相場の値幅が18円だから、ターゲットは、108円になる。
しかし、すでにターゲットを達成した可能性があることに留意する必要がある。
この時点での高値は、105円台半ば(105.40-50円)程度だ。
ターゲットは108円程度なので、まだ2円ほど余地がある、と考える人もいることだろう。
しかし、チャート分析でのターゲットは、そのような厳密なものではなく、「だいたいこのくらい」といった「いいかげんなもの、大まかなもの」だ。
豪ドル/円は105円台の高値から下落に転じ、「紫の破線」で示したボックス相場を形成していた、と考える。
豪ドル/円 週足(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
そして、ボックス相場「紫の破線」の上限を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
月足チャートに表示したボックス相場「赤の破線」を、週足チャートにも、同じように、「赤の破線」で表示した。
何度も繰り返しになるが、現在は、「赤の破線」で示した大きなボックス相場を形成中であり、このボックス相場「赤の破線」に注目するべき、と考えている。
直近の値動きで、サポート・ライン「青の破線」を割り込んだようにも見えた。しかしその時点では微妙で、「売りシグナル」とは判断できない、と考える。それで、サポート・ライン「青の破線」の傾きを、少し緩やかにして、修正した。
次に、日足チャートをご覧いただき…
黒田総裁発言はピーターパンが「疲れた、 飛び過ぎた」と言っているようなものだ!
米ドル全体が軟調な推移に留まっている。
先週末(6月5日)の米雇用統計は、米国の2015年内利上げを示唆する内容となったが、ドルインデックスの上昇は短命に終わり、先週末(6月5日)の上昇幅は今週(6月8日~)の週初の下落ですべて帳消しとなった。
結果として、5月高値を起点とした反落が継続された形となり、米ドルのロング筋をがっかりさせた。
ドルインデックス 4時間足(出所:米国FXCM)
■ユーロの意外な堅調を支えたのは苦い「スイスショック」 米ドルの軟調は、その対極にあるユーロの「意外」な堅調によって「浮き彫り」となっているが、ユーロの堅調はギリシャ問題に関する思惑やドイツ国債利回りの上昇に支えられた以外に、マーケットの苦い記憶に起因していたところが大きいと思う。それは他ならぬ、あのスイスショックだ。
スイス当局の政策変更で、ユーロ/スイスフランが1日どころか、わずか20分で41%もの前代未聞の大暴落を演じたことは記憶に新しい。
【参考記事】
●9.11に匹敵する衝撃の「スイスショック」!円相場がその二の舞となる可能性も!?(2015年1月16日、陳満咲杜)
●ユーロ/スイスフランが約3800pips大暴落! スイス中銀が防衛ラインの撤廃を発表!
ユーロ/スイスフラン 日足(出所:米国FXCM)
金融マーケットに大混乱をもたらしたあのスイスショックは、偏った相場がもたらした大惨事とも言え、その特徴として、極端な流動性低下があったと指摘される。
周知のように、「レッドライン」を引いたスイス当局を信じ、マーケットはもっぱらユーロロング・スイスフランショートのポジションを積み上げ、当局に対抗して、わざとスイスフランのロングポジションを作る者は極端に少なかった。
このような流動性が極端に低下した偏った市場になっていたから、それがいったん崩れると、皆が一方向に積み上げられたポジションの処理に迫られ、買い手が見つからず、いまだに信じられないほどの大暴落相場につながったというわけだ。
■オバマ大統領の米ドル高牽制発言が市場の不安を喚起 こういった記憶や教訓が、市場関係者の頭にあまりにも鮮明に残っているから、あるウワサにビビり、米ドルロングポジションの処理に走ったわけだ。そのウワサとは、今回、ドイツで開催されたG7(先進7カ国首脳会議)にて、オバマ大統領が米ドル高を牽制する発言をした、というものだ。
このウワサは、ホワイトハウスにたちまち否定されたが、マーケットは疑心暗鬼に陥り、あのスイスショックへの連想から、米ドルロングポジションの削除に走ったわけだ。
ユーロの売りポジションに偏った相場の構造は、何となくスイスショック前の状況を思い出させ、また、米ドルロングポジションの決済で一層流動性が低下するのでは…といった恐怖心に支配された側面も大きいと思う。
ギリシャ問題になお最終結果が出ない中、ユーロはこういった市場心理に支えられ、「意外に」堅調になったわけだ。
ユーロ以外の主要通貨では、円の急上昇がもっとも目立ち…
先週末(6月5日)の米雇用統計は、米国の2015年内利上げを示唆する内容となったが、ドルインデックスの上昇は短命に終わり、先週末(6月5日)の上昇幅は今週(6月8日~)の週初の下落ですべて帳消しとなった。
結果として、5月高値を起点とした反落が継続された形となり、米ドルのロング筋をがっかりさせた。
ドルインデックス 4時間足(出所:米国FXCM)
■ユーロの意外な堅調を支えたのは苦い「スイスショック」 米ドルの軟調は、その対極にあるユーロの「意外」な堅調によって「浮き彫り」となっているが、ユーロの堅調はギリシャ問題に関する思惑やドイツ国債利回りの上昇に支えられた以外に、マーケットの苦い記憶に起因していたところが大きいと思う。それは他ならぬ、あのスイスショックだ。
スイス当局の政策変更で、ユーロ/スイスフランが1日どころか、わずか20分で41%もの前代未聞の大暴落を演じたことは記憶に新しい。
【参考記事】
●9.11に匹敵する衝撃の「スイスショック」!円相場がその二の舞となる可能性も!?(2015年1月16日、陳満咲杜)
●ユーロ/スイスフランが約3800pips大暴落! スイス中銀が防衛ラインの撤廃を発表!
ユーロ/スイスフラン 日足(出所:米国FXCM)
金融マーケットに大混乱をもたらしたあのスイスショックは、偏った相場がもたらした大惨事とも言え、その特徴として、極端な流動性低下があったと指摘される。
周知のように、「レッドライン」を引いたスイス当局を信じ、マーケットはもっぱらユーロロング・スイスフランショートのポジションを積み上げ、当局に対抗して、わざとスイスフランのロングポジションを作る者は極端に少なかった。
このような流動性が極端に低下した偏った市場になっていたから、それがいったん崩れると、皆が一方向に積み上げられたポジションの処理に迫られ、買い手が見つからず、いまだに信じられないほどの大暴落相場につながったというわけだ。
■オバマ大統領の米ドル高牽制発言が市場の不安を喚起 こういった記憶や教訓が、市場関係者の頭にあまりにも鮮明に残っているから、あるウワサにビビり、米ドルロングポジションの処理に走ったわけだ。そのウワサとは、今回、ドイツで開催されたG7(先進7カ国首脳会議)にて、オバマ大統領が米ドル高を牽制する発言をした、というものだ。
このウワサは、ホワイトハウスにたちまち否定されたが、マーケットは疑心暗鬼に陥り、あのスイスショックへの連想から、米ドルロングポジションの削除に走ったわけだ。
ユーロの売りポジションに偏った相場の構造は、何となくスイスショック前の状況を思い出させ、また、米ドルロングポジションの決済で一層流動性が低下するのでは…といった恐怖心に支配された側面も大きいと思う。
ギリシャ問題になお最終結果が出ない中、ユーロはこういった市場心理に支えられ、「意外に」堅調になったわけだ。
ユーロ以外の主要通貨では、円の急上昇がもっとも目立ち…