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焦点:ユーロに冷めるイタリア人、通貨存続の新たな「断層」に

[ロンドン 12日 ロイター] - ユーロ圏の存続を脅かす最大の要因はもはや、ギリシャやポルトガルといった小規模な周縁国ではなく、圏内第3の経済大国であるイタリアがユーロに背を向ける可能性かもしれない。実際に同国が脱退するリスクは小さいが、想像を絶する出来事というわけではない。
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北朝鮮有事への懸念と米ドル安政策表明で ドル/円は105円程度まで下落の可能性十分

■米国のシリア攻撃と北朝鮮への強硬姿勢について ここのところ、トランプ政権の一連の言動に市場が混乱しています。
 まず、最初のきっかけはシリアへの爆撃でした。シリアのアサド政権が化学兵器を使ったのではないかということに対して、米国軍がシリアを爆撃しました。国連決議も経ない、いきなりの攻撃であり、世界中に衝撃が走りました。
 さらに、北朝鮮に対しても強硬な姿勢を示しています。こちらは、具体的な案件があったわけではないですが、最近も行われているミサイルの発射などをきっかけに、トランプ政権は北朝鮮に対して、強硬姿勢を見せているのです。
 まず、朝鮮半島近海に原子力空母、カール・ビンソンを派遣。その上で、中国に対して、中国が具体的な行動に出なければ、単独で北朝鮮を攻撃することも辞さないことを伝えました。
 シリアに対して電撃攻撃を行ったことで、トランプ政権の北朝鮮に対する武力攻撃が現実味を帯びてきているため、市場も敏感に反応しています。
北朝鮮に対して、強硬姿勢を見せている米トランプ政権は、朝鮮半島近海に原子力空母、カール・ビンソンを派遣。有事への緊張が高まる (C)U.S. Navy/Getty Images
■北朝鮮有事への懸念から、市場は円買いの反応 かつては、近隣の北朝鮮への有事ということであれば、円安・米ドル高になるところでしたが、最近は、逆の反応をするようになっています。
 すなわち、有事になると経常収支黒字国の通貨が買われるという相関です。そのため、円買いという反応になっています。
米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
 トランプ政権のマティス国防長官やティラーソン国務長官は、かなりの強硬派であることが最近の言動で明らかになっており、シリアへの攻撃に反対したバノン主席戦略官を更迭する動きも出てきています。
 この問題は、深刻に捉えておいた方が良いでしょう。
シリアへの攻撃に反対したとされるバノン主席戦略官。更迭の動きもあるとか…。トランプ政権で重要なポストを担ってきたが、これでお役御免となるのかどうか… (C)Bloomberg/Getty Images
■日米経済対話を前に、先制パンチを食らわせた!? 次に、4月12日(水)に、WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)のインタビューの中で、トランプ米大統領が米ドル相場について発言したことを挙げておきます。内容は、以下のとおりです。
「米ドルは強くなり過ぎていると思う。これはある程度、私のせいでもある。人々が私を信頼しているからだ。しかし、これは痛手となっている。最終的に痛手となる。米ドルが強く、他国が自国通貨を切り下げている状況で競争するのは極めて難しい」
 この時期に、こうした発言が出てきたのは決して偶然ではありません。
 まず、先日、米中首脳会談が行われました。そこでは米中間の貿易不均衡がテーマとなり、これから100日間で、この問題をどう解決するかを検討していくことが合意されました。
 トランプ米大統領は、さすがに中国を「為替操作国」に認定することは避けましたが、それでも中国人民元安に対して何らかのくさびを打ちたいという意図があったのでしょう。
 加えて、トランプ米大統領は「OTHER NATIONS」と、複数の国が自国通貨の切り下げをしていると批判しています。
 当然、日本もその中に含まれていると推察できます。折りしも、4月18日(火)からは、日米経済対話が始まります。その前に、先制パンチを食らわせたということでしょう。
 1月20日(金)に大統領に就任して以来…
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地政学リスクはシリアから東アジアへ! 北朝鮮有事は円高要因か? 円安要因か?

■地政学リスクは東アジアへ、米ドル/円は110円決壊 みなさん、こんにちは。
 先週(4月6日)のコラムを配信してから多くの報道が飛び出したので、まずそちらから。
【参考記事】
●ドル/円の上値重いが節目110円も割れず。話題の「忖度」と米ドル買いに関係が…!?(4月6日、西原宏一)
 日本時間4月7日(金)午前10時過ぎ、米軍がシリアに対して巡航ミサイルによる攻撃を行った模様。
 これを受けて一時、円は全面高となり、米ドル/円相場は一気に110円前半まで急落しました。
【参考記事】
●ミサイル攻撃でも崩れなかった米ドル/円、マジノ線死守で市場の雰囲気変わるかも?(4月10日、西原宏一&大橋ひろこ)
 ただ、シリアの報道を受けても110円台前半の米ドル買い需要は引かず、米ドル/円は反発。結局、先週(4月3日~)の米ドル/円は「シリア情勢とは関係なく」反発し、111円台で引けています。
 ところが今週(4月10日~)、地政学リスクがシリアから東アジアに移行します。
 4月5日(水)に実施された北朝鮮のミサイル発射を受けて、米国は対北朝鮮への姿勢を徐々に硬化。
北朝鮮のミサイル発射を受けて、米国の姿勢は徐々に硬化。写真は急遽、朝鮮半島付近に展開することになった米国の原子力空母「カール・ビンソン」 (C)U.S. Navy/Getty Images
 北朝鮮がシリアに続き標的となったとの報道が増えるに連れ、円高圧力が増し、本邦機関投資家の米ドル買い需要でせき止めていた、米ドル/円の110.00円が決壊し、さらなる円高の余地が拡大しました。
米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
■東アジアでの有事は本当に円高要因なのか? ここでよく話題になる件ですが、東アジアでの有事は本当に円高要因なのかという問題。
 マーケットがリスクオフに直面すると、「株安・円高」になると言われています。
 この理由が円は「安全資産だから」と言われているのですが、そうではありません。
 地政学リスクが発生した場合、本邦投資家が、海外資産を売却して円に戻すため、つまり、レパトリが起こるため円が買われるわけです。
 そして問題は、「考えたくありませんが」日本が紛争に巻き込まれた場合も、本当にレパトリが起き、当事国の通貨である円は買われるのか?ということ。
 これにはいろんな意見が入り乱れていますが、円高派のほうが優勢になっています。
【とんでもない有事に関する参考記事】
●1ドル=167円! ゴジラ上陸なら円安襲来!? でも、なぜ「有事の円高」にならないのか?
 その理由は、2011年3月の東日本大震災時の円高。
 あれだけの災害を受けたのですが、通貨は安くなるどころか、円は急騰しました。
 対米ドルで円は一時8%も急騰しました。
【参考記事】
●米ドル/円が76.25円まで暴落! パニック相場の終息は当局の対応しだいか(2011年3月17日、西原宏一)
2011年1月~4月の米ドル/円 日足(出所:Bloomberg)
 東アジアでの緊張は下記のように…
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コラム:トランプ砲でドル100円割れの扉は開くか=村田雅志氏

[東京 13日] - 地政学リスクの高まりやトランプ米大統領のインタビューでの発言を機に、ドル円は下落基調を強めている。このままドル安・円高が続くとの見方も一部にあるようだが、米債利回りは昨秋の米大統領選後の下値を割り込んでいない。日米金利差を考えれば、ドル円の一段安リスクは、さほど大きくないと思われる。