
通話記録など新疑惑
アルゼンチンのハビエル・ミレイ(Javier Milei)大統領が、暗号資産(仮想通貨)プロジェクト「リブラ(LIBRA)」をめぐるスキャンダルにより、深刻な政治的危機に直面しているようだ。「ニューヨークタイムズ(The New Yourk Times)」が4月6日に報じた。
ミレイ大統領は2025年2月14日、自身のXでミームコイン「リブラ」を紹介する投稿を行った。同氏の発信を受けてトークン価格は急騰したが、その後数時間で急落。投資家は合計約2億5,000万ドル(約395.5億円)規模の損失を被ったとされる。これを受け、「リブラ」を含む一連のプロジェクトについて、計画的なラグプル(rug pull:詐欺的な資金回収)であった可能性が指摘されている。
ミレイ大統領はこれまで、「民間の取り組みを紹介したに過ぎず、リブラとは無関係」との立場を示してきた。しかし、ニューヨーク・タイムズが入手した連邦検察の電話記録によると、大統領は投稿の前後にわたり、リブラの関係者とされるアルゼンチン人起業家マウリシオ・ノベリ(Mauricio Novelli)氏と7回の通話を行っていたという。
さらにノベリ氏のスマートフォンから見つかったWhatsAppの音声メッセージも新たな論点となっている。報道によれば、2023年時点で同氏が助手に「ミレイへのいつもの2,000ドル」を予算計上するよう指示し、それを月々の「給料」と呼んでいたとされる。当時、ミレイ氏は国会議員だった。
また2024年4月には、「カリーナに4,000を渡す」との音声も確認されたとされる。カリーナ・ミレイ(Karina Milei)氏は大統領の妹であり、側近として知られている。
連邦検察はミレイ大統領を「関係人物(person of interest)」として捜査対象に含めているが、現時点で起訴には至っていない。野党議員のマクシミリアーノ・フェラーロ(Maximiliano Ferraro)氏は、「リブラのローンチは偶発的なものではなく、計画的に実行された可能性がある」と指摘している。
「既存の腐敗政治の終焉」を掲げて当選したリバタリアンのミレイ大統領であるだけに、今回の報道は政治的にも大きな影響を与えているとみられる。
ミレイ大統領はその後、「プロジェクトの詳細は把握していなかったが、問題発覚後に投稿を削除し、今後は関与しない」と説明し、自身とLIBRAとの関係を否定している。該当の投稿は数時間後に削除された。
アルゼンチンの汚職防止局は6月、同大統領によるリブラの紹介について、大統領としての義務違反には当たらないと結論付けた。
同局は、当該投稿が大統領としてではなく個人として行われたものであり、公務員に適用される連邦倫理法には違反しないと判断した。また、公的資金が使用されていない点や、ミレイ氏が就任前からXで意見発信を行ってきた経緯も考慮された。
一方、アルゼンチン政府は5月、リブラに関する調査タスクフォース(UTI)の解散を報告している。
この問題に関連し、アルゼンチンの連邦判事マリア・セルビニ(María Servini)氏は中央銀行に対し、ミレイ大統領およびその妹の2023年以降の銀行取引記録の開示を命じている。
参考:報道
画像:Reuters
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参照元:ニュース – あたらしい経済


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