
この記事の要点
- ブロードリッジが2026年4月6日に新機能を発表
- Galaxyが5月総会でオンチェーン株主投票を世界初実施へ
- トークン化株式の保有者が初めて議決権を行使可能に
- 月間8兆ドル処理の決済インフラが株主投票機能に拡張
まずはRWA(現実資産)トークン化を詳しく
世界初・オンチェーン株主投票がGalaxyで実現へ
金融テクノロジー大手のBroadridge Financial Solutions(ブロードリッジ・ファイナンシャル・ソリューションズ)は2026年4月6日、トークン化株式に対応したガバナンスプラットフォームの新機能を発表しました。
これにより、米ナスダック上場のGalaxy(ギャラクシー)が2026年5月に予定する年次総会で、ブロックチェーン上での株主投票が世界で初めて実施される見通しとなっています。
ギャラクシーは主要パブリックブロックチェーン上にネイティブのトークン化株式を発行した米国初の上場企業であり、今回の取り組みはトークン化株式の保有者が実際に議決権を行使できる事例として注目されています。
ブロードリッジのCEOであるティム・ゴーキー氏は「トークン化株式の成長を支える正確でスケーラブルかつコスト効率の高いガバナンスの確保が、かつてないほど重要になっている」と述べ、デジタル資産市場におけるインフラ整備の重要性を強調しました。
S&P、米国債指標をトークン化
オンチェーン投票で変わる株主と発行体の関係
月間8兆ドル処理基盤、株主投票にも対応へ
ブロードリッジはすでに月間8兆ドル(約1,277兆円)相当のトークン化資産を処理する市場インフラを運営しています。
同社は今回、このインフラを企業ガバナンス領域にまで拡張し、従来型証券とトークン化証券の投票を既存のワークフロー上で一元管理できる体制を整えたとしています。
投票記録はブロードリッジが運営するアバランチ(AVAX)ベースのレイヤー1ブロックチェーンに書き込まれ、その後複数のブロックチェーンへ配布されるといいます。
投資家はデジタルウォレットに「ProxyVote(プロキシーボート)」を統合することで、投票資料の受領・保有確認・投票をオンチェーンで実施できるようになるとブロードリッジは説明しています。
また、発行体向けには登録株・受益株・トークン化株の投票を単一画面に集約する「シングル・ペイン・オブ・グラス」機能が提供され、従来は種別ごとに分散していたガバナンス業務を一元化できるとしています。
Galaxyのトークン化戦略、株主投票へと発展
ギャラクシーは2025年5月にナスダックへ上場後、同年9月にパブリックブロックチェーン上でネイティブのトークン化株式を発行し、米国の上場企業として先行した実績を持っています。
同社創業者兼CEOのマイク・ノボグラッツ氏は「プロキシー投票は株式所有の核心的な機能であり、上場企業としてオンチェーンで実施することはもはや理論上の話ではない」と述べ、実用段階への移行を強調しました。
また「ブロードリッジと組むことで、伝統的な市場インフラの信頼性とブロックチェーンの優位性を組み合わせ、株主にとってより効率的なモデルを届ける」とも説明しています。
今回のプラットフォームは企業主導型と第三者主導型の両方のトークン化証券に対応しており、市場モデルの多様化にも柔軟に対応できるとしています。
トークン化、「保有」から「権利行使」の段階へ
RWA(現実資産)トークン化は債券・不動産・ファンドを中心にグローバルで拡大しており、伝統的な金融機関が実務レベルで取り組みを加速させています。
今回の株主投票対応は、資産の発行・流通に続く「ガバナンス」という権利行使の領域にまでトークン化のインフラが広がったことを示しています。
ブロードリッジは今後、投資家コミュニケーション・プロキシー投票・取引にわたるソリューション群として機能を順次拡張する方針です。
「トークン化はインターネット級の変革」
制度と実務が重なる2026年春の転換点
こうした動きの背景には、米国で進むトークン化証券やデジタル資産をめぐる制度整備があります。
米国では仮想通貨市場構造法案「CLARITY法案」の審議が進んでおり、4月末までの進展が重要な節目になるとの見方が出ています。
法整備が進めば、今回のような株主権のオンチェーン実装を検討する上場企業が増える可能性があり、ギャラクシーの事例が先行モデルとして参照される展開も想定されます。
5月の年次総会での初実施を経て、ブロックチェーン上の株主権行使が標準的な市場インフラとして定着するかどうかが、今後の焦点となっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.73 円)
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Source:Broadridge Financial Solutions発表
サムネイル:AIによる生成画像






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