
この記事の要点
- 2026年4月7日、ハガティ議員がCLARITY法案の4月通過見通しを表明
- 来週から上院銀行委員会で市場構造法案の審議が再開
- 中間選挙前の成立を目指し、業界PACが308億円規模で圧力
- SECからCFTCへの監督権限移管に向けた議論が加速
ハガティ議員、CLARITY法案の4月通過を明言
米上院銀行委員会のビル・ハガティ議員(テネシー州選出・共和党)は2026年4月6日、仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」について来週から委員会審議を開始し、4月中に上院銀行委員会を通過させる見通しを示しました。
数カ月にわたり停滞していた同法案の立法プロセスが再び動き出し、上院本会議での採決に向けた銀行委員会の承認が4月中に実現する現実味が一気に高まっています。
ハガティ議員はバンダービルト大学で開催されたデジタル資産・新興技術政策サミットに登壇し「もうすぐまとめられる段階に入ると思う。銀行委員会側は非常に近いところにいる」と述べ、審議の進展に強い自信を示しました。
一方で「まだ解決すべき課題はいくつか残っている。どれも乗り越えられないものではないと思う」とも語っており、交渉が最終段階にあるものの、未解決の論点が残されていることも明らかにしています。
“5月末”がデッドライン
停滞から再始動へ、審議の経緯と課題
「閉鎖・反発・懸念」審議を阻んだ3要因
市場構造法案は2025年7月に下院を「CLARITY(クラリティ)法案」として通過し、多くの議員や業界関係者から米国における仮想通貨規制の最重要立法と位置づけられてきました。
しかし政府機関の一時閉鎖、ステーブルコインへの利回り付与をめぐる業界内の反発、さらに倫理上の懸念が重なり、上院銀行委員会での審議が長期にわたって停滞していました。
法案は証券規制と商品規制の双方にまたがるため、上院農業委員会と上院銀行委員会の両方での承認が必要です。農業委員会は2026年1月のマークアップですでに同法案を可決しており、残る関門は銀行委員会の審議通過となっています。
法案の核心は、仮想通貨市場の監督権限をSEC(米証券取引委員会)からCFTC(米商品先物取引委員会)へと大幅に移管することにあり、両機関が関与するがゆえに議会手続きが複雑になっています。
中間選挙と業界マネーが4月に圧力をかける
ハガティ議員は「4月に成立させれば、中間選挙前に対応できる」と述べており、2026年11月の中間選挙を明確に意識したタイムラインを示しました。
仮想通貨支援政治活動委員会(PAC)のフェアシェイクは、2024年選挙サイクルに1億3,000万ドル(約207億円)超の広告費を支出したと報告しており、2026年中間選挙に向けては1億9,300万ドル(約308億円)の資金を確保していると表明しています。
コインベース傘下の業界団体「スタンド・ウィズ・クリプト」は、議員の法案への賛否が中間選挙の結果を左右しうると訴えており、仮想通貨関連の利益団体が2026年の国政選挙でも存在感を示す状況が生まれています。
さらに、Tether(テザー)の幹部ジェシー・スパイロ氏が新設の「フェローシップPAC」の会長に就任したことも発表されており、業界の政治的な関与は一段と深まっています。
利回り・株式・倫理、3論点が最終関門に
銀行委員会での審議を阻んできた論点のうち最大の焦点は、ステーブルコインへの利回り付与の可否です。銀行業界は利回り付与が預金商品との競合につながると強硬に反発してきました。
トークン化された株式(トークナイズド・エクイティ)の取り扱いや倫理上の懸念も未解決の課題として残っており、コインベースの最高法務責任者ポール・グリーウォル氏は4月1日、ステーブルコイン利回りや関連論点について「合意に近いところにいる」と述べていました。
ハガティ議員も「解決できない問題は一つもない」と述べており、交渉が大詰めの局面に入ったことを示唆しています。ただし合意文書がまとまるまでは、予断を許さない状況が続いています。
コインベースCLOが交渉妥結を示唆
EU・CFTC・選挙圧力、米国を動かす3つの力
仮想通貨規制をめぐっては、欧州連合(EU)が2024年にMiCA法を施行し、規制の枠組みを先行整備しています。一方で米国は、規制当局間の管轄争いと立法の遅れにより、包括的な法整備が後手に回ってきました。
4月のマークアップが予定通り実施され、法案が銀行委員会を通過すれば、上院本会議での採決へと向かう立法の流れが一気に加速します。
中間選挙を控えた政治的な期限と、業界からの強い圧力が交差するなかで、銀行委員会での審議の行方と残る論点の決着が、今後数週間の最大の焦点となっています。
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Source:デジタル資産・新興技術政策サミット
サムネイル:AIによる生成画像






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