
この記事の要点
- キャシディ・ルミス両上院議員が2026年3月30日に法案提出
- 中国製マイニング機器97%依存からの脱却を目指す
- 米国内施設に敵対国製機器からの移行を求める
- 戦略的ビットコイン備蓄の恒久化も法制化へ
中国製機器97%依存に警鐘、米上院議員がマイニング法案を提出
米上院のビル・キャシディ議員とシンシア・ルミス議員は2026年3月30日、ビットコイン(BTC)マイニングに使う機器の中国製依存からの脱却を目指す「アメリカ産デジタル資産マイニング法案(Mined in America Act)」を議会に提出しました。
米国のマイニング産業は世界のハッシュレートの38%を占める最大勢力に成長した一方、その基盤を支える機器の97%は中国メーカーが製造しており、供給網の対外依存が安全保障上の課題として指摘されてきました。
今回提出された法案は、米国内のマイニング施設に対して敵対国製機器からの段階的移行を義務付けるもので、国産機器への切り替えを支援する連邦プログラムの活用も可能にするとしています。
あわせて、トランプ大統領が設立した戦略的ビットコイン備蓄を”財務省内の制度”として法制化することで、政権交代による政策変更リスクを排除する設計となっています。
法案を支持するサトシ・アクション・ファンドのCEO、デニス・ポーター氏は「これはリーダーシップではなく脆弱性だ」と現状を批判し、国産化なくして真のリーダーシップはないとの認識を示しました。
国家BTC準備金の恒久化を推進
中国製排除と備蓄恒久化、法案5本柱が目指すもの
ハッシュレート最大勢力の米国が抱える供給網の死角
米国のビットコインマイニング産業は近年急速に拡大し、世界のハッシュレート(マイニング処理能)に占める割合では最大勢力となっています。
一方、その基盤を支えるASIC(特定用途向け集積回路)マイニング機器の大部分は中国メーカーが製造しており、供給網における対外依存が安全保障上の課題として指摘されてきました。
2025年以降、米中間の貿易摩擦が再び激化するなかで、エネルギーインフラや通信機器に続き、マイニング機器も経済安全保障の観点から見直しの対象に入っています。
新規財政出動なし、既存制度を転用した5つの国産化施策
キャシディ氏の公式サイトによると、今回の法案はマイニング基盤の国内回帰を進めるための5つの中核施策で構成されています。
| 柱 | 内容 |
|---|---|
| 認証制度の創設 | 商務省がマイニング施設・プールを対象とした任意認証プログラムを設立 |
| 敵対国製機器の排除 | 認証施設は中国など敵対勢力関連の機器から段階的に移行が必要 |
| 既存プログラムの活用 | 新規財政出動なし・連邦エネルギー・農村振興プログラムを移行支援に充当 |
| 国内製造の支援 | NISTや製造業支援連携プログラム(MEP)を通じ省エネ・高セキュリティ機器の開発を後押し |
| 戦略的備蓄の法制化 | 大統領令で設立した戦略的ビットコイン備蓄を財務省内制度として明文化 |
認証制度は任意参加を基本としており、取得した施設が優先的に連邦支援を受けられる設計となっています。
新たな財政支出を伴わず既存制度を転用する点も特徴で、米国立標準技術研究所「NIST」と製造業支援連携プログラム「MEP」を通じた機器開発支援は、半導体産業支援のCHIPS法に近い国産化の枠組みとして位置づけられています。
法制化で備蓄を「次の政権に消せない制度」に
トランプ政権が2025年3月の大統領令で設立した戦略的ビットコイン備蓄は、刑事・民事手続きで没収したビットコインを売却せず保管することを方針としています。
ただし大統領令は次の政権によって覆される可能性があり、財務省内の制度として法律に明文化されれば、廃止には議会の立法手続きが必要になるとしています。
マイニング企業にとっては、認証取得を通じて連邦支援へのアクセスが開かれる一方、中国製機器からの移行に要するコスト負担が課題となる見通しです。移行期間や認証条件の詳細は今後の審議で明確化されるとみられています。
「BTC15万ドル到達の起爆剤に」
立法の動きが重なる米国、マイニング産業は議会審議の行方を注視
米国では仮想通貨をめぐる立法の動きが重なっています。上院銀行委員会がステーブルコイン規制法案の修正審議を4月に予定するなか、マイニング国産化という新たな法案が加わる形となりました。
各法案の審議が同時並行で進むことで議会のリソースが分散する可能性がある一方、デジタル資産政策を一体として整備しようとする政治的意思の表れと受け止める見方も出ています。
中国製機器からの移行期間・認証条件・支援対象企業の範囲について、機器メーカー・マイニング企業・エネルギー事業者の各業界がどのような対応方針を示すか、議会審議の行方とともに注目されます。
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Source:ビル・キャシディ議員公式サイト
サムネイル:AIによる生成画像







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