
この記事の要点
- ミッドナイト財団が2026年3月30日にメインネット稼働を発表
- プライバシー特化型の第4世代ブロックチェーンが本番環境に移行
- ワールドペイやグーグル・クラウドなど大手9社が初期運用に参加
- 数十兆ドル規模のオフチェーン資産のオンチェーン移行に向けた基盤が整備
プライバシー特化L1「ミッドナイト」、大手9社とメインネット始動
ミッドナイト財団は2026年3月30日、プライバシー特化型ブロックチェーン「ミッドナイト(Midnight)」のメインネット稼働を正式に発表しました。
ミッドナイトは、資産情報や個人データを外部に開示せずにオンチェーン処理できる第4世代型ブロックチェーンとして位置付けられており、本番環境での稼働が始まりました。
発表によれば、初期ノードオペレーターにはワールドペイ、マネーグラム、グーグル・クラウドなど大手9社が参加しており、開発者・パートナー・機関投資家はアプリケーションのデプロイと資産の移行をミッドナイト上で開始できる状態となっています。
カルダノ開発母体IOG創業者であるチャールズ・ホスキンソン氏は「サトシが健全な通貨を、イーサリアムがプログラマビリティを、カルダノがスケールとガバナンスをもたらした。そしてミッドナイトがアイデンティティとプライバシーを取り戻す」と述べています。
同氏は、既存チェーンが積み残してきた「データ公開リスク」を、ミッドナイトが第4世代ブロックチェーンとして克服するとの立場を示しています。
不動産や金融資産のトークン化を検討してきた機関が「データを公開せずにオンチェーン化する」選択肢を初めて持てることになり、数十兆ドル(数千兆円)規模とされるオフチェーン資産の移行に向けた現実的な基盤が整いつつあります。
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シールド資産・選択的開示・Compact、ミッドナイトの三層設計
ビットコイン(BTC)以来の各世代のブロックチェーンは、スケールとプログラマビリティを実現してきた一方で、いずれもパブリック(公開)台帳の上で動作してきました。
取引の内容が誰でも閲覧できる構造は、機密性を求める機関にとって参入の障壁となっています。
不動産・プライベートエクイティ・債券・通貨など、世界の数十兆ドル規模の価値が今もオンチェーン化されていない背景として、ミッドナイト財団は「資産情報がパブリック台帳に記録されること自体が機関にとって存在リスクになりうる」と指摘しています。
「シールド」と「アンシールド」、開発者が選べる公開設計
ミッドナイトはこうした障壁を取り除くため、公開データと非公開データを1つのトランザクション内で処理できるハイブリッド台帳アーキテクチャを採用しています。
この仕組みでは、機密データはユーザーのデバイス上に保持されたまま、ローカルのプルーフサーバーがゼロ知識証明(ZKP:データそのものを開示せずに事実を証明する技術)を生成し、ネットワークに送信します。
これにより、本人確認・与信・コンプライアンス審査といった処理が、元データをデバイスの外に出すことなく完結するといいます。
取引の公開範囲は開発者が柔軟に設定でき、残高・取引相手・取引フローを隠蔽する「シールド資産」と、オープンな協働・交換に使う「アンシールド資産」を用途に応じて使い分けられる設計です。
規制当局や監査人など認可された参加者に対して特定の記録のみを開示する「選択的開示(Selective Disclosure)」機能も備わっており、元データを外部に渡すことなくオンチェーンで規制対応を完結させることが可能となっています。
開発言語にはTypeScriptをベースにしたドメイン固有言語「Compact」が採用されており、ゼロ知識証明の専門知識がなくてもプライバシー機能を組み込んだアプリケーションを開発できるとしています。
デュアルトークンモデル「NIGHT」と「DUST」の仕組み
ミッドナイトはネットワークの管理・セキュリティに使うトークンと、トランザクション手数料に使うリソースを分離したデュアルコンポーネント経済モデルを導入しています。
ネイティブトークン「NIGHT」はガバナンスと実用性を担い、保有・登録することでトランザクションを動かすリソース「DUST」が生成される仕組みで、日常取引でNIGHTそのものが消費されることはないといいます。
DUSTはバッテリーの充電モデルに近く、NIGHT保有量に応じて7日間で満充電になります。開発者がNIGHTを保有してDUSTを生成すれば、エンドユーザー側でのトークン管理が不要なアプリケーション設計が可能だとしています。
既存ブロックチェーンでは手数料がネイティブ資産の価格変動に連動するためコスト予測が困難でしたが、このモデルにより運用コストの予測可能性が確保されるとしています。
フェデレーテッドから完全分散型へ、ミッドナイトの移行計画
ミッドナイトのメインネットは、フェデレーテッド(連合)ノードオペレーターによる運営から始まり、段階的に完全分散型ネットワークへ移行する計画が示されています。
ミッドナイト財団プレジデントのファーミ・シード氏は「プライバシーがシステムに組み込まれることで、現実の資産・活動を元データの公開なしにオンチェーン化することが可能になる。透明性の高いインフラでは不可能だった経済的価値の創出に道が開く」と述べています。
カルダノのステークプール・オペレーターがミッドナイトのバリデーターを兼務してNIGHTトークンを獲得できる仕組みも設けられており、カルダノの既存インフラとの連携が図られています。こうした基盤整備を背景に、金融機関による実際の活用事例も出始めています。
3月25日には、UK規制下のモニュメント・バンクが最大2億5,000万ポンド相当の個人預金をミッドナイト上でトークン化する計画を発表しており、機関投資家からの実需が早くも動き始めています。
プライバシーを基盤に据えた第4世代チェーンが機関の実需を取り込めるか、フェデレーテッドモデルから完全分散型への移行スケジュール、グーグル・クラウドやマネーグラムによる実アプリケーションの展開が、ミッドナイトの次フェーズを見定める焦点となっています。
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Source:Midnight発表
サムネイル:AIによる生成画像





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