
この記事の要点
- ファーサイド集計:3月24〜27日にBTC現物ETFから約473億円流出
- 27日だけで約360億円が集中して引き出される
- 4月2日の相互関税発動前の不透明感が機関投資家の売りを誘発
- ビットコインは3週間ぶりの安値、2月の流入基調から逆転
まずは仮想通貨ETF(上場投資信託)を詳しく
ビットコインETFから週3億ドル流出、関税リスクが引き金に
米国で取引されるビットコイン(BTC)現物ETFから、2026年3月24日〜27日の1週間で合計約2億9,600万ドル(約473億円)の資金が流出したことが、Farside(ファーサイド)のフロー集計データで明らかになりました。
特に売りが集中したのは週末入り前の金曜日(3月27日)で、この1日だけで2億2,550万ドル(約360億円)が引き出されています。週前半は大きな動きは見られなかったものの、終盤にかけて流出が一気に拡大しました。
背景には、4月2日に発動が予定されるトランプ政権の「相互関税」をめぐる不透明感が指摘されており、週末中に新たな材料が出るリスクを警戒した機関投資家が株式市場と同様にポジションを縮小する動きが広がっています。
ビットコインは3週間ぶりの安値まで下落しており、ETF市場を通じた資金流出が上値を抑える構図となっています。
ビットコインETF「159兆円超」吸収
ETF別に見る流出の内訳と、アナリストが語る背景
IBITから週最大の流出、週初との落差が際立つ展開に
ファーサイドのデータによると、最大の流出元は資産運用大手BlackRock(ブラックロック)の「IBIT」で、3月27日(金曜)だけで約2億150万ドル(約321億円)が引き出されました。
IBITはビットコインETF市場で最大の残高を誇るファンドで、流出規模の大きさはその残高規模を反映したものとみられています。
週の前半には23日(月曜)に1億6,720万ドル(約270億円)の流入が記録されており、週初は買い優勢だったことも確認されています。
週全体ではブラックロックを含む主要ファンド全般に売り圧力が及び、イーサリアム(ETH)現物ETFでも同じ週に小幅な流出が記録されました。
イラン・原油・停戦後退、3つのリスクが売りを呼ぶ
こうした週末への集中売りの背景について、市場アナリストは複数のリスク要因が重なったと指摘しています。
eToro(イートロ)のアナリスト、ジョシュ・ギルバート氏は仮想通貨メディアDecryptの取材に対し、「地政学的緊張、停戦期待の後退、原油高による利上げ懸念が複合的に重なっている」と説明しています。
トランプ大統領がイランの主要原油施設に言及するなどリスクが積み重なった結果、S&P500が2022年以来最長となる5週連続安を記録するなか、ビットコインも同様の下落圧力にさらされたと同氏は述べています。
一方、プレストラボのアナリスト、ピーター・チョン氏は「今回の流出は最近のトレンドと比べて際立って大きいわけではない」と指摘し、パニック的な売りよりも四半期末のポジション調整が主因との見方を示しました。
ETFのフロー(資金動向)にはヘッジファンドによる裁定取引も含まれるため、「短期の出入りが価格の方向性を直接示すわけではない」と同氏は付け加えています。
2月の流入基調が逆転、3月は週次流出が続く展開に
3月全体の累計では、ビットコイン現物ETFは2月の旺盛な流入基調から大きく転換し、週次の流出が続く展開となりました。
週次の流出が続いた結果、3月は2月の流入基調から一転してマイナスで着地する見通しで、マクロ環境の悪化が機関投資家の行動に直接影響した形となっています。
ただし、IBITの残高は依然として高水準を維持しており、短期の資金移動とは切り離された長期保有層が相場を下支えしています。
「保有の是非」から「比率の最適化」へ
関税とFOMC、ETFの行方を決める2つの焦点
証券口座を通じた仮想通貨へのアクセス手段は、欧米で広がりを見せています。BNPパリバはフランス国内の個人・プライベートバンキング顧客向けにBTCとETH連動ETN6本の提供を開始しており、規制の枠内で仮想通貨関連商品を選べる環境が欧州で整いつつあります。
米国では、仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」や税制改革草案をめぐる議論が続いており、制度面の整備が進めば機関投資家がETFを通じて仮想通貨に参入しやすくなる見通しです。
4月2日の関税発動と、その後のFOMC(米連邦公開市場委員会)を経て市場センチメントがどう変化するか、ビットコインETFへの資金動向とあわせて注目が集まっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.95 円)
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Source:Farsideデータ
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用







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