カナダ政府、政党への暗号資産寄付を全面禁止へ

選挙干渉対策の新法案を提出

カナダ連邦政府が、「強くて自由な選挙法(Strong and Free Elections Act)」を下院に3月26日に提出した。同法案は外国勢力による選挙干渉を防ぐことを目的に、政党および選挙関連の第三者団体が暗号資産(仮想通貨)による政治献金を受け取ることを全面禁止するものだ。

法案を提出したスティーブン・マッキノン(Steven MacKinnon)下院院内総務は、3月26日のXへの投稿で「新法の導入と外国の脅威への対抗措置により、選挙が常に自由・公正・安全であり続けるよう行動する」と述べた。

禁止対象となるのは暗号資産のほか、マネーオーダーや残高不明のプリペイドカードなど、匿名性が高く追跡が困難な寄付手段全般だ。違反した場合、当該献金額の最大2倍に加え、個人には最大2万5,000カナダドル(約287万円)、法人には最大10万カナダドル(約1,150万円)の罰則が科される。受領済みの違反献金は返還・廃棄、または最高選挙責任者への引き渡しが義務付けられる。

カナダでは2019年以降、暗号資産による政治献金が不動産等の現物寄付と同様に認められてきた。しかし2024年、最高選挙責任者のステファン・ペロー(Stéphane Perrault)氏が「寄付者の特定が困難」として全面禁止を勧告。同年、ドミニク・ルブラン(Dominic LeBlanc)前公安大臣が同趣旨の法案を提出したが、下院で第2読会を通過できず廃案となっていた。

今回の「強くて自由な選挙法」は下院での第1読会を終えたばかりであり、成立には下院での複数の審議・委員会審査、上院通過、さらに総督による国王裁可が必要となる。

同様の動きは英国でも広がっている。1月11日付のガーディアン紙の報道によると、英与党・労働党の有力議員7人が政府に対し、選挙関連法案への暗号資産献金の全面禁止規定の盛り込みを要請。議員らは、外国勢力による政治介入や資金洗浄への悪用リスクを指摘しており、「透明性・追跡可能性・執行可能性」の欠如を問題視している。暗号資産献金を受け入れている英改革党(Reform UK)への影響も懸念されている。

ディープフェイク規制も盛り込む

また、今回の法案はあわせて、候補者になりすました「リアルなディープフェイク」による有権者への誤誘導を禁止する規定の拡充も提案している。この問題は2024年のアメリカ大統領選前後に注目を集め、バイデン前大統領の声を模したディープフェイク音声が投票棄権を呼びかけた事例なども報告されている。

参考:カナダ政府
画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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