
複数同時プロポーザーとアテスターで順序決定を分散化
レイヤー1ブロックチェーン「ソラナ(Solana)」の主要バリデータクライアント「アガベ(Agave)」を開発するアンザ(Anza)が、トランザクションの順序や組み入れ方法を変更する新プロトコル「コンステレーション(Constellation)」を3月25日に提案した。
アンザは、コンステレーションにより、トランザクションの遅延や順序が特定の主体に依存する状況を抑制し、より公平な処理環境を実現することを目的としていると説明している。
コンステレーションの特徴として、「複数同時プロポーザー(Multiple Concurrent Proposers:MCP)」モデルがある。現在のブロックチェーンで主流となっているのは単一プロポーザー(=リーダー)型の構造だ。例えばイーサリアム(Ethereum)では、プロポーザー(提案者)とビルダー(ブロック構築者)を分離する仕組みが採用されているが、複数のプロポーザーが同時に提案するわけではない。一方でコンステレーションは、複数のプロポーザーが同時にトランザクションを提案するMCPモデルを採用し、従来の単一リーダーによる処理方式を補完する設計となっている。
同プロトコルでは、ユーザーがトランザクションを1つまたは複数のプロポーザーに送信する。各プロポーザーは一定時間ごとにトランザクションを取り込み、分割されたデータとしてアテスター(トランザクションを確認し、その存在を証明するノード)に送信する。アテスターはそれらを検証し、タイムスタンプを付与した上でリーダーに転送する。
リーダーは、十分なアテステーション(確認証明)を得たトランザクションを集約し、一定の計算制約内でバッチとしてまとめる。複数のサイクルで構成されたバッチがブロックの内容となり、バリデーターがその正当性を検証して投票を行う。
また、コンステレーションはイレイジャーコーディング(erasure coding)を活用している。イレイジャーコーディングとは、データを分割して送信しても復元できる仕組みだ。一定数のアテスターが確認したトランザクションについては、次の処理サイクルに組み入れられる設計となっている。これにより、特定の主体によるトランザクションの除外や遅延を抑制する。
同プロトコルでは、トランザクションは計算単位(CU)あたりの優先手数料に基づいて順序付けされるほか、仮想的な並列実行スケジュールにより、処理時間が過度に長くなるブロックの生成を防ぐ仕組みも導入されている。
従来のブロックチェーンでは、単一のリーダーがトランザクションの順序や組み入れを決定する構造が一般的であり、これにより順序操作やフロントランなどの行為が可能になり、問題化しやすいと指摘されている。これらは「最大抽出可能価値(MEV)」と呼ばれ、ユーザー体験や市場に影響を与える要因とされる。
コンステレーションは、このような構造に対し、複数主体による提案と検証を組み合わせることで、トランザクション処理の公平性を高めることを目的としているという。
なお同プロトコルは、アンザ開発のアガベクライアントへの実装が想定されており、現時点では公開された設計案で、ソラナコミュニティからのフィードバックを募っている段階だ。
アンザは、コンステレーションについて、トランザクションの組み入れ間隔を約50ミリ秒単位で処理する「経済的ティック」を実現する設計であり、「Alpenglow」の前処理層(preprocessor)として機能させる想定だとしている。
同提案は、トランザクションの順序や組み入れをプロトコルレベルで制御することで、ブロックチェーン上の取引処理の前提条件を見直す設計変更と位置付けられる。
なお同提案は、2025年7月24日にアンザが公表した「インターネット・キャピタル・マーケッツ(Internet Capital Markets)」ロードマップで示された長期方向性と接続しているとみられる。同ロードマップでは、インターネット資本市場(ICM)構想における市場ミクロ構造の改善や、複数同時リーダー(Multiple Concurrent Leaders:MCL)といった長期的な方向性が示されていた。ソラナ財団も同年8月21日付の記事で、この方向性を紹介している。
Introducing Constellation: a multiple concurrent proposers protocol for Solana. With proposers operating on a 50ms cycle, Constellation gives Solana the fastest protocol enforced economic tick rate of any blockchain.
— Anza (@anza_xyz) March 25, 2026pic.twitter.com/AjeeCy506h
関連ニュース
- ソラナの2027年ロードマップが公開、インターネット資本市場の基盤構築目指す
- Solanaクライアント開発のAnza、2025年は「100万TPS」目指す
- ソラナの新バリデータクライアント「ファイアダンサー」稼働開始
- ソラナ、トークン関連処理の計算効率向上を狙う「p-token」提案が前進
- ソラナの新コンセンサス「Alpenglow」移行決定、ファイナリティ時間が大幅短縮へ
参照元:ニュース – あたらしい経済

コメント