
この記事の要点
- 2026年3月25日、ZachXBT氏がサークル社の凍結対応を批判
- 米民事訴訟関連とは無関係とみられる16ウォレットを凍結
- USDCの管理体制と凍結権限に業界内で懸念が拡大
- ステーブルコイン規制と資産凍結リスクの議論が再燃
「誤凍結疑惑」でUSDCに不信、ZachXBT氏がCircleを公開批判
著名な仮想通貨リサーチャーであるZachXBT氏は2026年3月25日、ステーブルコイン発行企業Circle(サークル)が米国の民事訴訟に関連して、関係のない可能性がある16個のウォレットを凍結したとX(Twitter)で批判しました。
凍結されたのは仮想通貨取引所・オンラインカジノ・外貨両替業者の運営用ホットウォレットで、ZachXBTは「問題の訴訟とはまったく関連がないように見える」と指摘し、対応の妥当性に疑問を呈しています。
How come Circle froze the USDC balance of 16 unrelated hot wallets late yesterday for a civil case?
A basic review of onchain activity makes it obvious they are operational wallets.
You fail to protect users during actual incidents yet respond to a request riddled with errors… pic.twitter.com/lSPCnIA1xK
— ZachXBT (@zachxbt) March 24, 2026
民事訴訟を理由に、無関係な16のホットウォレットのUSDC残高を凍結したのはなぜなのか?
オンチェーンの動きを少し確認すれば、これらが業務用ウォレットであることは明らかだ。実際のインシデントではユーザー保護に失敗する一方で、誤りだらけの要請には応じてしまうのか……。(中略)
中央集権型ステーブルコインは発行者の判断でトークンを凍結できる構造を持つ一方、「許可不要・検閲耐性」という仮想通貨本来の価値観との矛盾がかねて指摘されてきました。
今回の措置を受け、サークルが発行するUSDコイン(USDC)の管理体制に対する懸念が改めて浮上しており、ステーブルコインにおける「凍結リスク」が、規制を巡る議論の焦点として再燃しています。
「300万ドル凍結問題」で波紋
封印された訴訟・根拠不明の凍結、サークルの審査体制に疑問
「封印訴訟を根拠にした凍結は無効」ZachXBT氏が断言
ZachXBT氏によると、サークルが対応した米国の民事訴訟は封印(sealed)状態にあり、外部から凍結の根拠を確認できない状況だったとされています。この点について同氏は、凍結を正当化する十分な裏付けが示されていないとの見方を示しました。
さらに同氏は「基本的なツールを持つアナリストであれば、数千件の取引履歴から数分以内に、これらが事業者の運営ウォレットであると特定できたはずだ」と指摘し、判断プロセスの妥当性に疑問を呈しています。
今回の対応についてZachXBT氏は「5年以上の調査歴の中でも、今回の凍結はおそらく最も杜撰なケース」と述べ、独自の精査プロセスを経ずに判断が行われた可能性に言及しました。
The NY civil case is sealed and they have provided absolutely ZERO basis to freeze all of these business addresses.
Aaron Nathan from Willkie Farr is the unknown plaintiffs lawyer.
The expert witness is liable.
The judge is liable.
Circle is liable.In my 5+ yrs of…
— ZachXBT (@zachxbt) March 25, 2026
(前略)5年以上の調査経験の中でも、今回の凍結は最もずさんなケースの一つだろう。
独自の審査プロセスを持たず、事実上どの連邦判事の判断にも従って凍結してしまう。その結果がこれだ。
なお、サークルは本件に関する公式なコメントを記事執筆時点で公表していません。
業界が警鐘、中央集権型USDCは「あなたのものではない」
今回の騒動を受け、RPCノードプロバイダーHeliusの創業者マート・マンタズ氏は「中央集権型ステーブルコインは実際にはあなたのものではない。現金とは異なり、凍結される可能性がある。これは10回目の注意喚起だ」とXに投稿し、資産管理リスクへの警戒を改めて促しました。
こうした懸念は、米国で2025年7月に成立した「GENIUS法」にも向けられています。
分散型取引プラットフォームSmardexの共同創業者ジャン・ラウシス氏は「同法案のステーブルコイン規制の枠組みが、民間管理型のCBDC(中央銀行デジタル通貨)の実質的な基盤を築いた」との見方を示しています。
同氏は「中央集権型ステーブルコインは、標準的なCBDCが持つ金融監視と資産凍結の能力を発行者に与える」と述べており、制度的な規制強化がプライバシーリスクを高めるという懸念が広がっています。
今回の凍結騒動はこうした警戒論を改めて裏付ける事例として受け止められています。
外部委任の凍結判断、事業者が直面するアクセス喪失リスク
ZachXBT氏は、サークルが凍結判断を外部の司法手続きに依拠していた可能性を指摘しており、発行者自身が独自に妥当性を検証する体制の有無が問われています。
今回のように運営ウォレットが訴訟と無関係に凍結された場合、事業者は資金へのアクセスを突然失うリスクを抱えることになります。
ステーブルコインが決済や流動性の中核インフラとして普及するなかで、こうした凍結リスクは個別事例にとどまらず、より広範な影響を及ぼす可能性があります。
USDC信頼維持の鍵、凍結プロセス透明化が問われる
ステーブルコインをめぐっては、発行者の権限と利用者保護のバランス設計が重要な論点となっています。
USDCがテザー(USDT)の取引量を7年ぶりに逆転し機関採用が広がるなかで、凍結リスクへの懸念が高まれば、USDC離れや分散型ステーブルコインへの資金移動を促す可能性もあります。
今後、サークルが凍結プロセスの透明性や審査体制についてどのような対応を示すかに注目が集まります。
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Source:ZachXBT氏X投稿
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用





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