
Lidoのステーキング利回り低下で収益性に課題
リキッドステーキングプロトコル「ライド(Lido)」の関連団体であるライド財団(Lido Foundations)が、2025年の実行状況および財務状況をまとめた「グース2025&エッグス2025・ファイナル・レポート(GOOSE-2025 & EGGs-2025 Final Report)」を3月25日に公表した。
同レポートによると、2025年のライドの総収益は4,050万ドル(約64.3億円)となり、前年の5,240万ドル(約83.2億円)から23%減少した。
その内訳として、ステーキング報酬総額は8億4,670万ドル(約1,345億円)で、前年から18%減少した。また、ステーキング手数料収益(stVaultsを含む純収益)は3,740万ドル(約59.4億円)となり、前年から23%減少した。
同レポートでは、収益減少の主因としてイーサリアム(Ethereum)ネットワーク全体におけるステーキング利回り(APR)の低下や、市場参加者の資金がリキッドステーキングトークン(LST)から取引所や機関向けステーキングへ移行したことが挙げられている。また、高利回りを求める資金が、トークンインセンティブを提供するプロトコルへ流入している点も指摘されている。
これにより、ライドが優位性を持つLST市場の規模自体が縮小し、ステーキング単体の収益性が低下している状況が示された。
一方、支出面については2025年の総支出は4,550万ドル(約72.3億円)で、前年から13%減少した。コスト最適化施策や人員削減などが影響したとされる。
トレジャリー残高は1億5,750万ドル(約250億円)となり、前年の1億7,150万ドル(約272億円)から減少した。また、余剰資金は前年のプラス30万ドル(約4,800万円)からマイナス500万ドル(約7.9億円)となり大きく赤字に転じた。
同レポートでは、ライドがバリデータ分散化やガバナンス整備などの基盤構築フェーズをおおむね完了したとの認識が示された。そのうえで、ステーキング領域の収益性が低下している課題が浮き彫りになった形だ。
プロダクトとトークン設計を再構築でビジネスモデル強化へ
その対策として、2025年以降はプロダクト拡張とトークノミクス再設計を通じて成長モデルの転換を図る方針とされている。
プロダクト拡張については、新プロダクトとして利回り戦略を提供する「ライド・アーン(Lido Earn)」を立ち上げ、2025年末時点で77,002ETHのTVL(Total Value Locked)を記録した。また、ステーキングインフラを柔軟に構成できる「stVaults」のフェーズ1を開始し、機関投資家や特定用途向けのカスタマイズされたステーキング環境の提供を可能にした。これらの取り組みにより、従来のステーキング手数料に依存しない収益源の多様化を図ったとしている。
さらに、2025年7月にはガバナンス強化の取り組みとして「デュアル・ガバナンス(Dual Governance)」を導入した。これは、stETH保有者が一定条件下でガバナンス決定の遅延や異議申し立てを行える仕組みだ。
あわせて、プロトコル収益とガバナンストークン「LDO」の価値を連動させる仕組みの検討も進められている。ステーキング報酬を原資としたLDOの市場買い付け(バイバック)などが議論されており、2026年中の実装が想定されている。
同レポートからは、ステーキング市場の構造変化を背景にライドがプロダクト拡張とガバナンス強化を通じてビジネスモデルの転換を進めている状況が示された。
Lido Foundations have published its 2025 Annual Report, detailing execution against GOOSE objectives, use of DAO-approved grant funding, and delivery across product expansion, validator set development, governance & more.
— Lido (@LidoFinance) March 24, 2026
View the full report here: https://t.co/c3kQZZ7QYf pic.twitter.com/PH3mS3kaaM
参考:ライド
画像:PIXTA
関連ニュース
- リキッドステーキング「Lido」、イーサリアム建てと米ドル建てのボールト展開
- ウィズダムツリー、Lidoの「stETH」現物ETPを欧州で上場
- ヴァンエック、LidoのLST「stETH」のETFを米SECにS1申請
- Maple Finance、Lido Financeと統合で「stETH」担保のステーブルコイン融資提供へ
- ユニセフ、ETHステーキング報酬活用の寄付プラットフォーム「Lido Impact Staking」参加
- リキッドステーキングプロトコル「Lido」が「Lido v3」展開へ
参照元:ニュース – あたらしい経済


コメント