金のトークン化に統一規格、世界金評議会とBCGが共通インフラ整備へ

この記事の要点

  • 世界金評議会とBCGが2026年3月19日、デジタルゴールドの統一規格を発表
  • 発行者ごとに分断されていた保管・審査・償還プロセスを共通基盤に統一
  • 機関投資家の参入障壁を下げ、新たな資金流入を促す設計
  • オンチェーンRWA全体の約20%を占める金市場に構造的影響

まずはRWA(現実資産)トークン化を詳しく

金のトークン化市場に転機、世界金評議会が統一規格を公開

世界金評議会(World Gold Council)とボストンコンサルティンググループ(BCG)は2026年3月19日、トークン化された金製品の発行・管理を統一するプラットフォーム「Gold as a Service」のホワイトペーパーを公開しました。

同プラットフォームは、発行者ごとに分断されていたデジタルゴールドの保管・コンプライアンス・償還プロセスを統一基準で整備することを目的としており、機関投資家が参入する際の制度的な障壁を下げる設計となっています。

これまでのトークン化金市場では、テザーゴールド(XAUT)やパックスゴールド(PAXG)がそれぞれ独自モデルで運営されており、基準の違いが投資判断の複雑化や運用負担の増加につながっていました。

今回の統一規格により共通インフラへのアクセスが可能となることで、こうした課題の解消が見込まれています。

市場も急速に拡大しており、トークン化コモディティはオンチェーンRWA全体の約20%にあたる約53億ドル(約8,300億円)規模に達しています。過去12カ月で340%の成長を記録していることからも、同分野への関心の高まりがデータ上でも確認されています。

こうした中で進められる標準化の取り組みについて、世界金評議会は、従来のクリプトネイティブ製品には不足していた機関投資家向けの信頼性を補完し、新たな資金流入を促す要因になるとの見解を示しています。

統一インフラが変えるデジタルゴールドの参入構造

金のデジタル化、「是非」から「方法」へ転換

世界金評議会は長年にわたり金の国際標準化や市場透明性の向上に取り組んできた業界団体であり、ブロックチェーン技術を活用したRWA(現実資産)のトークン化が急速に拡大するなかで、金もデジタル金融システムへの統合が求められる局面を迎えています。

今回公表された「Gold as a Service」は、世界金評議会とBCGが共同で主導する構想であり、デジタルゴールド製品の発行・運用を支援する共通インフラの整備を目的としています。

世界金評議会のCEOであるデビッド・テイト氏は、金融サービスが「急速かつ広範なデジタルトランスフォーメーション」の過程にあると指摘し、金もグローバル金融システムにおける役割を維持するために進化が必要であるとの認識を示しています。

BCGのマティアス・タウバー氏は、「金がデジタル化されるかどうかではなく、物理的な完全性を保ちながら現代の金融システムにどう参加するかが問われている」と述べ、論点は“デジタル化の是非”ではなく“実装方法”にあると強調しました。

既存モデルとの違い、統一規格が生む新しい選択肢

「Gold as a Service」では、トークン化された金の発行・管理プロセスの標準化に加え、デジタルゴールドのファンジビリティ(代替可能性)の向上が中核機能として挙げられています。

監査・保証の仕組みの組み込みや既存金融インフラとの相互運用性の確保も実装対象とされており、発行者ごとに異なっていた保管・コンプライアンス・償還プロセスを個別に精査する必要性が低減される設計となっています。

こうした機能群の整備により、機関投資家のデューデリジェンス負担は軽減され、従来の個別モデルに依存しない標準化された枠組みでの市場参入が可能になります。

世界金評議会が主導する今回の標準化は、クリプトネイティブ製品にはなかった機関投資家向けの制度的信頼性を補完するものとして、既存のトークン化金製品とは異なる市場層への訴求が見込まれています。

制度整備と需要拡大が重なる、デジタル金の転換点

RWAのトークン化市場では、米国債などの伝統的資産をブロックチェーン上で表現する動きがここ数年で急拡大しており、金はそのなかでコモディティ分野においてオンチェーンRWA全体の約20%を占める主要資産として定着しています。

機関投資家主導で拡大するこの市場と並行して、個人レベルでも金への関心が高まっており、BIS(国際決済銀行)のデータによればウォール街が金売却を進める一方で小売投資家による金ETF購入が過去6カ月で3倍超に達しています。

制度面での標準化と機関・個人双方の需要拡大が重なるなかで、「Gold as a Service」が金のデジタル市場における構造的な変化を後押しする基盤となるかどうかが今後の焦点となります。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.88 円)

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Source:Gold as a Serviceホワイトペーパー
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:仮想通貨ニュース最新一覧【毎日更新】 - 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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