米上院議員らがバイナンス調査要請|17億ドル送金疑惑、イラン制裁違反か

この記事の要点

  • 2026年2月27日、米上院民主党議員11人が書簡送付
  • バイナンスのイラン制裁違反疑惑で正式調査を要請
  • 17億ドルの資金移動報道が発端となり問題化
  • 大手取引所の制裁体制と米規制方針に影響の可能性

民主党議員11人が書簡 バイナンス制裁違反疑惑

世界最大級の仮想通貨取引所Binance(バイナンス)をめぐり、米上院銀行委員会の民主党議員11名は2026年2月27日、同取引所によるイラン制裁違反の疑いについて、司法省および財務省に対し正式な調査を求める書簡を送付しました。

声明では、約17億ドル(約2,600億円)相当の仮想通貨がイラン関連団体に流れた可能性があると指摘されています。書簡はマーク・ワーナー上院議員が主導し、エリザベス・ウォーレン議員ら複数の民主党議員が署名しています。

議員らは、バイナンスが2023年に米当局との和解で約束した制裁遵守(コンプライアンス)体制が適切に機能していない可能性があるとの懸念を示し、制裁回避につながり得る取引の有無を含めた実態検証の必要性を指摘しました。

書簡は、パム・ボンディ司法長官とスコット・ベッセント財務長官宛てに送付されており、バイナンスの制裁遵守体制について「迅速かつ包括的な審査」の実施を求めています。

米議会の主要委員会が大手仮想通貨取引所の制裁対応に正式な調査を求めたことで、同社のコンプライアンス体制と規制当局の監督姿勢をめぐり、仮想通貨業界および市場関係者の間で関心が高まっています。

内部調査で浮上、イラン関連への17億ドル送金疑惑

送金先にフーシ派関連も、資金移動の内訳

こうした調査要求の背景には、バイナンスをめぐる新たな資金移動疑惑の存在があります。

議員らの声明によると、同取引所のコンプライアンス担当者は昨年、約17億ドル相当のデジタル資産がイラン関連団体に送金されていたとされる証拠を発見したといいます。

これらの資金移動には、イランを支援するフーシ派やイスラム革命防衛隊など、米国の制裁対象とされている組織に関連する団体が含まれていたとされています。

さらに、バイナンスの関連業者が約12億ドル規模に及ぶイラン関連アクターとの資金移動に関与していたとされる事例も指摘されています。

また、イラン国内のユーザーが1,500を超える同取引所アカウントにアクセスしていた可能性も報じられており、制裁回避の実態と同社の管理体制の実効性が焦点となっています。

従業員解雇報道も、司法取引義務違反の可能性

こうした疑惑を受け、議員らはバイナンスの制裁遵守体制全体についても強い懸念を示しています。

声明の中では、これらの取引を特定した従業員が解雇されたとの報告に加え、同取引所による法執行機関への対応が鈍化しているとの指摘についても言及しました。

また、議員らは、こうした対応が同社と司法省との間で2023年に合意された司法取引上の義務に抵触する可能性があると指摘しています。

制裁対象者との取引を防止するための体制が十分に機能していたのかが、今回の調査における重要な検証対象になるとみられます。

2023年司法取引の義務と整合性、履行状況が焦点

バイナンスは2023年11月、米国の制裁法違反およびマネーロンダリング対策の不備に関する連邦罪状について有罪を認め、40億ドルを超える罰金の支払いとコンプライアンス体制の抜本的な改革を含む司法取引に合意していました。

この司法取引には、顧客確認(KYC)の強化や制裁対象者を検知・遮断するための監視体制の整備など、制裁遵守体制の強化措置が盛り込まれていました。

さらに、財務省外国資産管理局(OFAC)との和解においても、制裁対象者との取引を特定し阻止するための管理体制の構築が求められていました。

議員らは、今回指摘された資金移動が事実であれば、これらの司法取引および和解で定められた制裁遵守義務が適切に履行されていたのかが改めて問われる可能性があると指摘しています。

政治的接点も論点、バイナンスとトランプ関連事業

トランプ一族支援のUSD1、技術・資金支援の指摘

今回の調査要請をめぐっては、バイナンスとドナルド・トランプ大統領およびその関連事業との最近の関係についても、議員らが調査の背景要因の一つとして指摘しています。

報道によると、同取引所はトランプ一族が支援するプロジェクト「World Liberty Financial」が発行するステーブルコイン「USD1」の普及に関与し、技術支援や資金面での支援を行っているとされています。

こうした関係性が、同社の規制対応や監督体制に対する議会側の関心を高める一因になっているとみられます。

CZ恩赦が論点、議会の懸念材料に

また、トランプ大統領が昨年、同取引所創設者のチャンポン・ジャオ(CZ)氏に恩赦を与えたことも、議員らの懸念材料となっています。

CZ氏はマネーロンダリング対策の不備に関する罪を認め、服役していました。こうした経緯を踏まえ、バイナンスを含む大手仮想通貨取引所に対する規制当局の監督は一段と強化されています。

規制強化の一環として、米当局は東南アジアの詐欺組織に関連した数億ドル規模の仮想通貨を押収するなど、不正資金対策を積極的に進めてきました。

仮想通貨を利用した資金移動の監視と制裁遵守体制の確保は、重要な政策課題として位置づけられています。

規制強化で監視拡大、制裁遵守が重要論点に

世界最大級の取引所であるバイナンスに対する今回の調査要請は、同社の制裁遵守体制の実効性を検証するものとなり、その結果は、今後の規制方針や仮想通貨業界全体の信頼性にも影響を与える可能性があります。

議員らは3月13日までの回答を求めており、米国における仮想通貨規制の行方とともに、バイナンスの対応が注目されています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=155.07 円)

>>最新の仮想通貨ニュースはこちら

Source:ワーナー氏公式声明
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

コメント

タイトルとURLをコピーしました