ローガン・ポール所有のポケモンカード、約25億円で落札。過去のNFT分割提供を巡り再注目

高額コレクタブル取引の裏で再燃したNFT分割提供の論点

米国のインフルエンサーでプロレス団体WWE所属のローガン・ポール(Logan Paul)氏が所有していたポケモンカード「ピカチュウ・イラストレーター(Pikachu Illustrator)」(PSA 10)が、米オークションハウスのゴールディン(Goldin)で、1,649万2,000ドル(約25.3億円)で落札された。「ギネス・ワールド・レコーズ(Guinness World Records)」が2月16日に公式Xアカウントで伝えた。

この落札は、ギネスの認定員が立ち会う形で実施された。ポケモンカードのオークション落札額としての記録に加え、トレーディングカード全体でもオークション最高額の記録となった。なお最終落札額の1,649万2,000ドルはバイヤーズプレミアム(手数料)込みだという。

また落札者は、スカイブリッジ・キャピタル(SkyBridge Capital)創業者アンソニー・スカラムッチ(Anthony Scaramucci)氏の息子で、ベンチャーキャピタリストのA・J・スカラムッチ(A.J. Scaramucci)氏だと報じられている。

ピカチュウ・イラストレーターは、1998年に配布されたカードで、現存は約39枚とされる。今回落札された個体は、鑑定会社PSA(Professional Sports Authenticator)の鑑定で「10(GEM MT)」評価を受けた唯一の個体とされる。

一方で、今回の記録的な落札を受けて、ローガン・ポール氏が過去に関与していたコレクタブル分割プラットフォーム「リキッド・マーケットプレイス(Liquid Marketplace)」を巡る経緯が、改めて注目されている。

リキッド・マーケットプレイスは、高額な実物コレクタブルをトークン化し、分割購入・取引を可能にすることを目的としたプラットフォームだ。同社の発表では創業者にポール氏の名も含まれる。 ポール氏は2022年、このカードについて最大51%を一般に開放し、自身は49%を保有する形で分割所有を提供する構想を示していた。

ただし、実際の販売規模についてポール氏は「最終的に販売されたのは全体の5.4%で、2022年夏に約27万ドル相当だった」と説明している。その後、オンタリオ証券委員会(Ontario Securities Commission:OSC)は2024年6月、リキッド・マーケットプレイス社らに対し、LMPトークンが証券・デリバティブに当たり得るとして、登録・目論見書要件違反や虚偽説明、資金流用などを主張する執行手続き(enforcement proceeding)を開始した。

今回の高額落札を受け、分割提供されていた資産が単独で売却されたように見える点について、SNS上では説明責任を問う声が再び広がった。

これに対しポール氏は2月17日、自身のXアカウントで説明を投稿した。2024年5月にプラットフォームの条件に基づき、分割販売時と同価格でカードを買い戻し、分割所有者が資金を引き出せるよう手続きを行ったと述べた。同氏によると、その後、管理外の理由でプラットフォームのサイトが一時オフラインとなったが、自身の負担で復旧を行い、現在は分割所有者による出金が可能な状態にあるとしている。

今回の落札は、単なる高額コレクタブル取引としての話題にとどまらない。実物資産をNFTで分割提供する仕組みが、価格変動や最終的な売却局面において、どのような権利関係や説明責任を伴うのかという点を、改めて浮き彫りにした形だ。トークン化や分割所有が進む中で、プラットフォーム設計と規制対応のあり方が問われている。

画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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