
ネクソが米国事業に再参入
英ロンドン拠点の暗号資産(仮想通貨)レンディング企業ネクソ(Nexo)が、米国での事業再開を2月16日に発表した。同社は、規制当局との対立を受け、米国市場を撤退。それから約3年ぶりの再参入となる。
ブルガリアの元国会議員アントニ・トレンチェフ(Antoni Trenchev)氏らが共同創業したネクソは、暗号資産レンディング商品をめぐり米規制当局から提起された申し立てを解決するため、罰金4,500万ドル(現在のレートで約69億円)を支払った。米証券取引委員会(SEC)は、当該商品は証券として登録されるべきだったとしていた。
和解条件に基づき、ネクソはSECの認定内容について認めも否認もしなかった。
ネクソは16日の声明で、上場暗号資産関連企業バックト(Bakkt)との提携により米国に戻るとし、暗号資産担保ローンのほか、利回り提供型の商品を米国顧客向けに販売すると述べた。
同社の広報担当者は、「2023年のSEC命令の対象となった商品は、求めに従い米国投資家向けには提供を停止した」と説明した。
「現在の米国向け提供は別の仕組みで、適切にライセンスを取得した米国の提携先を通じて提供される。該当する場合には、助言サービスはSEC登録の投資助言業者が担う」と同広報担当者は付け加えた。
SECの広報担当者はコメントを控えた。
ネクソとトランプ一家との接点
トレンチェフ氏は昨年7月、スコットランドにあるドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領のゴルフリゾートで昼食を共にした。このゴルフリゾートでは、ネクソがゴルフ選手権の筆頭スポンサーを務めている。トレンチェフ氏がXに投稿した内容によると、2人はそこで、「政治」についてや「米国における暗号資産の共同ビジョン」について話し合ったという。
かつて暗号資産に懐疑的だったトランプ大統領は、ホワイトハウス復帰前に姿勢を転換した。昨年(2025年)の就任後まもなく、SECは暗号資産企業に対する長年の取り締まりを終了した。
ネクソは昨年4月、ブルガリアの首都ソフィアで開催した「トランプ・ビジネス・ビジョン 2025(Trump Business Vision 2025)」イベントに、トランプ大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア(Donald Trump Jr.)氏を招いた。
ロイターがこれらの接点について質問したのに対しネクソの広報担当者は、米国での再参入は「法令順守の枠組みで商品を提供できる能力に基づく」もので、トランプ一家との交流とは無関係だと述べた。
また「当社のスポーツ提携やイベント参加は、米国での規制面または事業運営上の地位とは結び付かない」とも広報担当者は説明した。
トランプ・オーガニゼーション(Trump Organization)を中核とする一族の事業は、自社の暗号資産関連企業ワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial)を通じて暗号資産分野に踏み込んだ後、収入が急増している。
政府関係者や倫理専門家の中には、トランプ大統領が米国の暗号資産政策を監督する立場にある中で、一族が暗号資産の取り組みを進めることは利益相反に当たると指摘している。一方、ホワイトハウスは利益相反は存在しないとしている。
Nexo returns to the United States.
— Nexo (@Nexo) February 16, 2026
The official relaunch is being executed with regulated partners, providing a U.S.-compliant framework for our investment and credit product offerings.pic.twitter.com/pt0A4ETRdt
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Crypto company Nexo returns to US three years after clash with regulators
(Reporting by Elizabeth Howcroft; Editing by Joe Bavier and Jan Harvey)
参考:プレスリリース
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters
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参照元:ニュース – あたらしい経済

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