欧州委員会、暗号資産の税情報交換ルール巡り12加盟国に是正要求

税透明性ルール未実施で正式通告、期限は2カ月

欧州委員会(EC)は、暗号資産に関する新たな税の透明性および情報交換ルールを完全に実施していないとして、ベルギー、ブルガリア、チェコ、エストニア、ギリシャ、スペイン、キプロス、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポーランド、ポルトガルの12加盟国に対し、正式通告書を送付したと1月30日に発表した。

欧州委員会によると、対象国は2カ月以内に回答し、是正措置を講じる必要がある。期限内に十分な対応が取られない場合、次の段階として「理由付意見(reasoned opinion)」を出す可能性があるという。

今回の措置は、EUが導入した暗号資産に関する税務分野の指令に基づくものだ。同指令は、暗号資産サービスプロバイダー(CASP)に対し、特定の利用者情報や取引データを当局へ報告する義務を課している。

欧州委員会は、この枠組みについて、加盟国が「暗号資産市場における新たな展開に適応し、その結果として特定された脱税、租税回避行為に効果的に対処するためのもの」だと説明している。

このEUのアプローチは、経済協力開発機構(OECD)が策定した暗号資産の国際的な税情報交換フレームワークとも整合的だとされており、グローバルな税務透明性強化の流れと足並みをそろえる狙いがある。

ちなみに、OECDによると、CARFの国際情報交換に向けてコミットしている法域は75法域で、そのうち48法域が、最初のグループとして2027年から情報交換を開始する見込みだ。

一方で、香港・シンガポール・スイス・UAEなどは2028年に初回交換、米国は2029年に初回交換と、主要ハブは段階的に参加していく格好だ。

MiCA巡りハンガリーに警告

今回の発表の中で欧州委員会は、ハンガリーに対しても、EUの、「暗号資産市場規制(MiCA/MiCAR:Markets in Crypto Assets Regulation)」を遵守していないとして、正式通知書を送付したことを明らかにした。ハンガリーにも回答期限は2カ月与えられている。

MiCAは、EU全域で統一的な暗号資産規制を導入する法令だが、委員会によると、ハンガリーが2025年に改正した国内法では、「取引所検証サービス」に関する新たな認可制度に刑事責任を伴わせる仕組みが導入された。

この改正を受け、一部の暗号資産サービスプロバイダーが特定のサービスを停止、または事業から撤退したとされ、法的な不確実性が市場に生じているという。

欧州委員会は「ハンガリーはマネーロンダリング対策(AML/CFT)の強化を目指しているが、そうした措置はMiCAと整合していなければならない」と指摘し、EUルールとの不一致を問題視している。

MiCAは、2023年に可決された後、企業側にコンプライアンス対応の時間を与えるため、段階的に施行されてきた。

MiCAでは、トークン発行者やCASPに対する要件が順次適用され、特にステーブルコイン(ART/EMT)関連規制が先行し、その後、取引所やカストディ事業者などを含む包括的な事業者規制が本格化した。 規制枠組みによると、2024年12月30日以前から事業を行っていたCASPは、原則として遅くとも2026年7月1日までにMiCAの要件を満たして認可を得るか、サービス提供を停止する必要がある。ただし、一部加盟国はこの移行期間を短縮している。

参考:発表
画像:Reuters

関連ニュース

参照元:ニュース – あたらしい経済

コメント

タイトルとURLをコピーしました