
ホワイトハウスが銀行・暗号資産業界と会合
ホワイトハウスが、銀行業界と仮想通貨業界の幹部らと会談し、両業界の対立で停滞している画期的な暗号資産(仮想通貨)法案の今後の進め方を1月28日に協議すると、業界関係者3人が明らかにした。
ホワイトハウスの暗号諮問委員会が主催するこの会合には、複数の業界団体の幹部が参加する。関係者によれば同会合の焦点は「ステーブルコイン」として知られるドルに連動するトークンの顧客保有分に対して、暗号資産企業が支払う利息やその他の報酬を法案がどのように扱うかにある。
このホワイトハウスでの会合は、この法案をめぐって対立してきた両業界が妥協点を見いだす助けとなる可能性がある。ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領政権がこの法案成立に強い意欲を持っていることを示している。トランプ大統領は選挙戦で暗号資産支持者に働きかけ、暗号資産の普及を推進すると約束していた。
ロイター通信が最初にこの会合について報じた。
ホワイトハウスはコメント要請に直ちに応じなかった。関係者は非公開の政策協議について名前を明かすことを拒んだ。
ブロックチェーン協会(Blockchain Association)のCEOで、コインベース(Coinbase)、リップル(Ripple)、クラーケン(Kraken)など大手暗号資産企業を代表するサマー・マーシンガー(Summer Mersinger)氏は声明で、同グループが「来週の会合に参加することを誇りに思う」と述べた。
同氏は「持続可能な市場構造の立法を進め、米国が世界の暗号資産の首都であり続けるよう、議会が超党派で取り組むのを政策立案者と引き続き協力して進めるのを楽しみにしている」と語った。
また別の主要暗号資産業界団体であるデジタル・チェンバー(The Digital Chamber)のCEO、コディ・カーボン(Cody Carbone)氏は、ホワイトハウスが「すべての立場を交渉テーブルにつけた」と評価した。
上院は数か月にわたり、この法案「クラリティ法案(Clarity Act)」の審議を進めてきた。同法案はデジタル資産に連邦規制ルールの制定を目指しており、暗号資産業界が数年にわたりロビー活動してきた成果の集大成とされる。暗号資産企業は長らく、既存の規制がデジタル資産には不十分であり、企業が米国で法的な確実性をもって事業を続けるには立法が不可欠だと主張してきた。
下院は7月に独自の法案を可決している。
上院銀行委員会は今月初め、この法案の審議と採決を行う予定だったが、議員や業界双方の利息に関する懸念のため、直前に会議は延期された。
議論内容に詳しい別の関係者2人によると、共和党内でも法案のステーブルコイン関連条項について意見の相違があったという。法案推進を主導する上院議員らは、法案が前進するのに十分な票を得られないことを懸念していた。
暗号資産企業側は、利息のような報酬を提供することは新規顧客獲得に不可欠であり、それを禁じることは競争阻害になると主張している。一方で銀行側は、競争激化により預金(多くの銀行の主な資金源)が流出し、金融の安定性を脅かす可能性があると主張している。
スタンダード・チャータード銀行(Standard Chartered)の27日の報告では、ステーブルコインが2028年末までに米国の銀行から約5,000億ドル(約76兆5,000億円)の預金を引き出す可能性があると推定している。
問題となっている条項は、昨年成立したステーブルコインの連邦規制枠組みを創設した法律に由来するもので、この法律はステーブルコインのさらなる普及への道を開く可能性がある。
同法案はステーブルコイン発行者が暗号資産に利息を支払うことを禁止したが、銀行側は「暗号資産取引所などの第三者がトークンに利回りを支払うことを認める抜け穴が残されている」と指摘。これにより預金獲得競争が新たに生じると主張している。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Exclusive-White House set to meet with banks, crypto companies to broker legislation compromise
(Reporting by Hannah Lang in New York; Editing by Chizu Nomiyama)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:iStocks/idesignimages
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参照元:ニュース – あたらしい経済

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