英広告当局、米コインベースの広告禁止。生活費危機を巡る表現を問題視=報道

暗号資産リスクの軽視と判断

英国の広告規制当局である広告基準局(Advertising Standards Authority:ASA)が、米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が展開していた一連の広告について、暗号資産投資のリスクを軽視し、生活費高騰という深刻な社会問題を不適切に扱ったとして、掲載を禁止した。「ガーディアン紙(The Guardian)」が1月28日に報じた。

報道によれば問題とされた広告は、英国の生活費危機を風刺的に描いた動画およびポスターで、物価上昇や失業、インフラ崩壊といった状況をコミカルに表現したうえで、「If everything’s fine, don’t change anything(すべてが順調なら、何も変えなくていい)」という文言とともにコインベースのロゴを表示する内容だったという。ASAは、これらの表現がコインベースの利用が生活費問題への代替的な解決策になり得るとの印象を与え、暗号資産という高リスクな金融商品を安易な選択肢として示したと判断した。

ASAは声明で、「深刻な金融上の不安をユーモアとともに提示し、『変化』を促す構成は、複雑でリスクの高い金融商品を、簡単かつ当然の対応策として描くおそれがある」と指摘。また、動画およびポスターには暗号資産投資に伴うリスクに関する説明が一切含まれていなかった点も問題視されている。英国の金融行動監視機構(Financial Conduct Authority:FCA)は、暗号資産について「大部分が未規制で高リスクであり、投資家は全額を失う可能性がある」と警告している。

今回の広告キャンペーンは昨年8月に開始され、動画広告はすでに英国のテレビ広告審査機関により放映が認められていなかったが、オンラインプラットフォーム上では配信され、ポスターはロンドン地下鉄や鉄道駅など人通りの多い場所に掲出されていたという。

コインベースは昨年、元英財務相のジョージ・オズボーン(George Osborne)氏をグローバル・アドバイザリー・カウンシルの議長に起用しており、英国およびEUにおける政策対応を強化している。同氏は暗号資産分野での英国の立ち遅れを指摘してきた人物としても知られる。

これに対しコインベースは声明で、「ASAの決定は尊重するが、キャンペーンを社会的に無責任とする評価には同意しない」と反論。そのうえで、広告は経済状況に対する問題提起を目的としたものであり、暗号資産を万能な解決策として提示したものではないと説明。また「デジタル資産は万能薬ではないが、責任ある形での採用は、より効率的で自由な金融システムに貢献し得る」とし、今後も英国の規制枠組みの下で責任ある事業運営を続けるとした。

英国では、暗号資産マーケティング規制の強化が進んでおり、2023年10月8日からは初回投資家(新規顧客)に対し24時間の「クーリングオフ」期間を設けるなど、厳格なルールが導入されている。FCAは、2022年のFTX破綻を受け、友人紹介などの投資インセンティブを禁止し、明確なリスク警告と、誤解を招かない表示を義務づけている。

参考:報道
画像:iStock/Medley-of-Photography

関連ニュース

参照元:ニュース – あたらしい経済

コメント

タイトルとURLをコピーしました