
レバレッジ解消進むビットコイン市場
米Coinbase(コインベース)の機関投資家部門とオンチェーン分析大手Glassnode(グラスノード)は2026年1月27日、共同レポート「Charting Crypto: 1Q 2026」を公表しました。
両社は、過度なレバレッジの解消と長期保有者による再配分を経て、ビットコイン(BTC)市場における連鎖的な清算リスクが大幅に後退し、相場がより持続性と耐性を備えた局面へ移行しつつあると分析しています。
報告書では、市場が投機主導のレバレッジ依存型構造から脱却を進めており、今後はマクロ経済動向や機関投資家のリスク管理戦略が価格形成の中核を担うと指摘しています。
また、これまでの個人主導による過熱した相場展開とは異なり、現在は制度的な市場参加者によるリスク抑制的な資金配分が主流となりつつあり、これが全体のボラティリティを緩和する構造的要因であることも強調されています。
こうした市場の変化を受け、投資家心理は依然として慎重な姿勢を維持しつつ、構造的な安定性は前回のサイクルと比較して明らかに向上しているとの見解を示しました。
BTCを左右する「ドル増刷と地政学リスク」
ビットコイン市場に広がる安定化の兆しと清算リスクの後退
2025年急落後に強まったビットコインの耐性
同報告書では、2025年10月の急落を含む第4四半期の調整局面において、市場から過剰なレバレッジが排除されたことが強調されています。
これにより、ビットコインはカスケード的な清算リスクへの耐性を高めるとともに、マクロ経済ショックへの応答力も向上したと分析されています。
同レポートは、ビットコインが短期的な投機主導の高騰とは異なり、中長期的視点で評価されるマクロ感応型資産として機能し始めていると指摘しています。
機関投資家主導で進むBTC相場の規律化
現在の市場環境は「スピードよりも持続性が重視される局面」とされており、従来の循環的な投機相場からは一線を画す構造へと移行しつつあります。
機関投資家によるリスク抑制志向と潤沢な流動性の下での戦略的資金配分が、市場の急激な変動を抑える役割を担っているとの見解が示されました。
同レポートでは「現在の仮想通貨市場は健全な状態にあり、マクロ環境も堅調で、金融政策が追い風となる可能性がある」との見方も示されており、相場がより持続性と耐性を備えた局面へ移行しつつあると分析しています。
レバレッジ抑制志向が生む新たな市場構造
また、デリバティブ市場におけるポジション構成にも変化が見られ、ビットコインのオプション建玉が無期限先物を上回る水準に達したことが報告されています。
これは、投資家が直接的なレバレッジ取引を避け、下落リスクのヘッジ手段としてオプションの活用を強めた結果、ディフェンシブ戦略への移行が鮮明になったことを示しています。
同レポートでは、市場全体のボラティリティ抑制に、このようなポジショニングの変化が寄与していると指摘しています。
オンチェーンデータに表れる構造的動き
また、2025年第4四半期には、過去3カ月以内に移動したビットコイン供給量が全体の37%に達し、1年以上動かされていない長期休眠供給の割合は減少傾向にあると報告されています。
オンチェーンデータの分析では、こうした供給動向を背景に、長期保有者による再配分が進行している可能性が示唆されています。
これは、長期保有者がポートフォリオの再調整を行いながらも、市場への関与を継続していることを示す動きと見られています。
NUPLが示す「不安」継続と慎重な姿勢
NUPL(Net Unrealized Profit/Loss)の推移によれば、2025年10月以降、投資家心理は「楽観」から「不安」へと移行し、その状態が続いていることが示されています。
同レポートでは、グローバルな流動性の引き締めやインフレ再加速、地政学的緊張の高まりなどが生じた場合、市場の安定が損なわれるリスクがあると指摘されています。
市場構造が強化されつつある一方で、マクロ経済の変化は依然としてビットコイン価格に大きな影響を与えていると報告されています。
「BTCは分散投資の有力選択肢」
地政学・金融要因が左右する今後のビットコイン相場
記事執筆時点のビットコイン価格は約8万9,000ドル(約1,350万円)前後で推移しており、2025年10月の史上最高値(約12万6,000ドル)から約30%下落した水準にありますが、足元では8万5,000〜9万5,000ドルのレンジ内で安定的な動きが続いています。
金や銀などの伝統的な安全資産が高騰する中でも、ビットコインは「デジタルゴールド」としての評価を維持しており、今回のCoinbaseの調査では、機関投資家の多くが現在の水準を「割安」と見なしているほか、さらに下落した場合でも買い増しや保有継続の意向を示しています。
加えて、FRB(米連邦準備制度理事会)による年内の利下げ観測が強まるなか、緩和的な金融政策はビットコインを含むリスク資産市場にとって支援材料として意識されています。
一方で、インフレ率の再上昇や地政学的リスクの再燃といった外部環境の変化が相場の安定性を損なう要因となる可能性もあり、今後の展開を見極める上で引き続き注視が必要とされています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=152.73 円)
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Source:Coinbase・Glassnodeレポート
サムネイル:AIによる生成画像






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